指定管理者制度は、これまで公的機関しか管理運営できなかった分野に民間企業なども進出 できる、という制度で、今各地でこの導入が始まっています。 民間活力の導入は、大いに結構ですし芦屋市でもその手法は活用すべ きです。しかし、それには、きちんと手順を踏むことと公正な管理者指定が必要です。 これまで芦屋市では、火葬場と各地域の集会所をこの制度を活用し、 管理委託を指定管理者に任せています。初めて導入された火葬場での手続きの際に、不透明な選定方法は改善すべきで、その善処を市に対し求めていたところで す。 今回、新年度の議案の中に海浜公園プール(現在市の外郭団体、文化 振興財団が管理委託を行っています)を指定管理者制度に移行し新たな業者に委託する議案がだされ、この議案には反対を表明しました。 以前指摘をしていた選定方法が前にも増して不透明なこと、移行を決 定するに至る経緯が財団職員不在のままに進められたことなどが主な理由です。 今回、選定先となったのは、現在もすぐ近くでプールを経営する NASが新たな会社を設立した「NAS・クリタス芦屋市海浜公園プール管理コンソーシアム」です。残念ながら議案は可決されましたが、今後、この会社がど んな運営をしていくのか注視していく必要がありそうです。 ○海浜公園プールの指定管 理者移行 賛成 12 反対 11 その他の主な議案は次の通りです。 (議案名は簡略にしています) ○市職員定数条例の改正 可決 職員の定数を現行より減らす改正です。 ○自己啓発のための休職条 例制定 ○修学部分休業に関する条 例の制定 全会一致で可決 職員が自己啓発のために大学などで調査・研究をしたい場合は休職 を一定期間認める条例と、各種学校で学びたい場合は一定時間休業を認める条例の制定。 国の意向による条例制定ですが、公務員は恵まれているとつくづく 実感。公務として命令を受け学ぶなら別ですが、普通はアフター5にやることではないのかと思います。あえて反対はしませんでしたが、それに見合う働きをぜ ひ、市民に返してほしいものです。 ○人事行政運営等の公表条 例制定 全会一致で可決 市長に対し各任命権者が職員の人数や給与勤務時間等の状況を報告 し、その報告があったものについては、年末までに市民に公表を義務付けるもの。 ○宅地造成事業特別会計の 制定 賛成多数で可決 高浜町の土地を宅地造成し分譲する事業については、特別会計で会 計を行うことを定めるもの。 ○マンモグラフィーの導入 全会一致で可決 市保健センターでの乳がん検診に、これまでの視触診に加え、発見 率の高いレントゲン撮影機器を導入するもの。 ○あしや温泉の価格改定 賛成多数で可決 県公衆浴場入浴料金の統制額改正に準じて入浴料を改定するもの。 12歳以上について40円の値上。 ○福祉医療費助成の条例改 正 賛成多数で可決 老人医療、乳児医療、母子家庭等の医療についての助成制度を改正 するもの。 確かに、0〜2歳児のみ負担無し等の前進面はありますが、そのほ とんどは現行より後退です。老人医療は1割負担から2割に、乳児医療は1割負担の導入、母子家庭等についても一部負担金を導入するなど。 私は、職員互助会の厚遇問題があるなか認めることができないと考え ますが、会派内での調整がつかず棄権しました。 ○法定外公共物管理条例の 制定 全会一致で可決 側溝や里道等法定外の公共物について管理条例を定めるもの。 ○平成17年度一般会計予 算 賛成多数で可決 その他の特別会計予算も可決されました。 ○山手幹線芦屋川トンネル 工事協定 賛成多数で可決 山手幹線が着々と整備されていますが、芦屋川のトンネル化工事に ついて県が行うことが決まり、その工事協定を結ぶもの。 ○障害者自立支援法案に関 する意見書 賛成少数で否決 利用者の負担増を招く応益負担制度を実施しないことを求める意見 書。私は、賛成を表明しましたが、否決となりました。 この他に、先号でお伝えしました「予算等に対する附帯決議」「議 員の報酬カット」を可決し、予算議会は閉会しました。 【市会議員・中島 健一】 議会レポNo.252へ HOME |