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2008年(平20) 1月10日 議会レポのロゴ No.番外


   ご恩をありがたく感謝する者は成功し
   恩を当然と受け流す者は信用を失い
   恩を仇で返す者は身を滅ぼす


 恩という字は、原因の下に心と書く。原因を心にとどめるという構成である。恩とは、何がなされ、今日の状態の原因は何であるかを心に深く考えることなの である。
 もっと簡単に言えば、してもらったことを思い出すことである。お蔭さまの心である。
                            横山玄秀の法話より



   知恩(恩を知る)

   感恩(恩を感ずる)

   報恩(恩に報いる)

 静かに口にして、恩に想いを馳せる。
 改めて己の至らなさに深い反省の念が渦巻く。
 常に反省の日々なのだが、それが身となっていればまだしも、同じ反省を繰り返す事も多々。まだまだ精進が足りないようだ。


 今年初めての番外編は、滋賀県生蓮寺住職の横山玄秀さんの法話をご紹介したい。


   (略)
 自分の生命を知り、家族の力添えを知り、社会の仕組みを知れば、恩にゆきあたる。他に厄介をかけずに生活はできないのである。

 今から十年位前に、臨済宗の寺院であったエピソードをご紹介する。それは、ある寺院で大きな法要があり、一派の管長様を特別にお願い をされた。

 管長様は、三百人程の檀家さんの前で、父母の恩・国の恩・師の恩・衆生の恩について法話をされたのであるが、そのお話を聞いていたあ る大学生が手を挙げ管長様に、

「質問してもよろしいでしょうか?」と訊ねた。

お許しが出たので、その大学生は話を始めた。

 「私は恩なんて必要ないと思います。国の恩なんて、国民は税金を払っているのだから、国がサービスをするのは当然である。師の恩なん て、私たちは授業料を払っている。また、親の恩なんて、頼んで生んでほしいと言ったものではない。勝手につくったものである。それよりも、お金が大事。お 金があれば何でもできる。だから、勉強して良い会社に就職して高い給料をもらう。そして、いつかは社長になる。やはり、お金が一番。恩なんて関係ない。」

 このように言ったものだから、周りの檀家さんはびっくりし、堂内は騒然となった。そして、管長様は、どのような答を出されるか誰もが 注目をしたのである。

 管長様は一言、「お前さん、いくら欲しいのか?」と。

 大学生は、理屈で答えが返ってくると思っていたので、予想外の言葉に驚き、焦った。


 「一千万円か?一千万円やるぞ。その代り条件がある。」

 大学生は一千万円もらえるというので心が動いた。

 「条件て何ですか?」

 「お前さんの命をよこせ。」
 
「一千万円位で命をやれるものですか。金なんかで命は売れませんよ。」


 すると管長様が怒って、
 
 「その大事な命は誰から頂いたものだ。父母だろうが。その命を育てたのは誰か。先生じゃないか。平和の国におられるのは誰のお蔭か。お前さんは自分のこ とばかり言っている。恩を忘れた者は餓鬼という。それが解らん奴はここから出て行け。」と一喝された。

 大学生は困ってしまったのであるが、後日、彼は「管長様のお蔭で目が覚めた。あの時、管長様とお出合いし、叱られて本当に良かっ た。」と語っている。今は立派な社会人である。

 理屈は言うが、命というものを全く考えず、命があるのが当り前というのが前提になっている。当り前になって感謝がなくなっている。今 は恵まれすぎて、何もかも当り前になり、有り難みがなくなっている。

 人間は、一人で生きていくことはできない。たくさんの人に支えられているから、生きていけるのである。世間は、恩という陰の力が働い ている。その力によって私たちは、生かされているのである。   了


 今年も、芦屋市のために頑張っていく決意です。どうぞ政治活動へのご支援、よろしくお願い致します。

(市会議員・中島健一)

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