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2010年(平22) 9月30日 議会レポのロゴ No.482

※不甲斐ない外交
 今回ばかりは、菅政権のぶざまな外交に怒りを感じる。先人が築き上げてきたもの、現場で奮闘している海上保安官、責任を押し付 けられた地検などの事を考えると、「なんて事をしてくれるんだ!」と声をあげた。

 案の定、中国は謝罪と賠償を求める声明を出した。政府は主権国家としての誇りがあるのだろうか。政治的妥協、場合によっては必要だ。 しかし今回は、確固たる意思表示もしない、主張もしない証拠も示さない、これで外交をこなせると考えているのだろうか。謙遜や相手の気持ちを察して行動す るなど、日本人の美徳が中国政府に通じるとでも思っていたら大きな間違いだ。

【中 国の外圧に屈した政府を糾弾する】

■なぜ、中国人船長を「処分保留」のまま釈放したのか!
 平成22年9月7日、中国漁船が尖閣諸島の久場島沖の日本領海内において、違法操業を行い、海上保安庁巡視船の停船命令に反し、船体をぶ つけるという違法行為を行った。この行為に対し、外圧に屈するかのように、那覇地検は中国人船長に対し、「今後の日中関係を考慮して」を理由として、処分 保留のまま釈放することを決めた。
 政府はこれまで尖閣諸島について、「領土問題は存在しない」という立場を一貫してとってきた。しかし、我が国の領海を蹂躙されたにもかかわらず、その処 分について、中国からの圧力に屈することは、中国の言い分を認める事であり、我が国の立場が大きく損なわれたのは明らかである。


■日本政府の対応は、アセアン諸国を失望させた
 いま南シナ海では、資源と権益を独占しようとする中国に対して、南シナ海の西沙・南沙諸島を守ろうとASEAN諸国が必死の 闘いをしている。ASEAN諸国は、ベトナムを含めて南シナ海の航行の自由を守るために、国益をかけて米国との関係強化に乗り出した。
 ゲーツ国防長官は去る六月、シンガポールでの国際戦略研究所(IISS)主催のアジア安全保障会議で、「いかなる脅威にも対処可能な最大限の軍事力の配 備が米国のアジアへのコミットだ」と述べている。それ故、アセアン諸国は今回の事件に対して、日本がいかなる対応を取るのか期待を持って注視していた。に もかかわらず、この愚かな対応にアセアン諸国は落胆を隠し切れない。

■中国は、海底に石油が発見された後、領有権を主張
 そもそも70年代まで中国は、日本が明治以来実効支配している尖閣諸島の領有権を主張したことは1度もなかった。しかし、 1967年〜70年に行なわれた国連の海洋調査によって、同諸島の海底に推定1095億バーレルという、イラクに匹敵する大量の石油が埋蔵されている可能 性が判明した。その直後、1971年12月、中国は尖閣諸島の領有権を俄かに主張し始めたのだ。換言すれば、資源が見つかったから領有権を主張し始めたわ けであり、盗人たけだけしい態度とはこのことである。
   

「尖 閣諸島」を中国の侵略から守ろう

■政府に対して、左記四点を要望する

一、「処分保留」釈放の根拠を明らかにせよ!
 国民の多くは、今回の那覇地検の判断は、国内法に基づいてというよりも、中国の外交的圧力に屈したとの認識を持っている。
 報道によると、今回の処分保留での釈放について、那覇地検は「日中関係への配慮」に言及し、独自に判断したことになっている。本来、法律に基づき厳正な 判断を下すべき検察が、独自に外交上の問題をも配慮して、処分を検討することなどあり得ないことである。
 地検は今回の判断の根拠を明らかにし、政府はその内容を「了とした」理由を国民に公開することを求める。


二、海上保安庁が撮影した記録映像の公開を求める 
 また、今回のケースでは、中国漁船が船体をぶつけたことが故意か否かが判断の一つとなった。この問題では中国側から、「日本 側がぶつけたと」の抗議も行われた。今回の事件の真実を国民に伝える為にも、海上保安庁が撮影したビデオを広く公開することを求める。

三、中国政府の「謝罪」と「賠償」は断固拒否せよ
 これまで尖閣海域では、「尖閣諸島は中国領」と主張する中国漁船団が意図的にわが国領海を侵犯してきた。
 今回の事件を「超法規的措置」で不問に付せば、中国漁船団の不法侵入はますますエスカレートし、中国の実効支配を許すことにまで発展するだろう。すでに 中国外務省は、「日本側は船長らを違法に拘束して中国の領土と主権を侵害した」と声明を発表し、日本政府に謝罪と賠償を求めている。
 政府は「領土問題は存在しない」という立場を堅持し、中国政府に対して毅然とした姿勢で対応することを求める。

四、領海の監視警備体制の強化を
 今回の結果は、石垣島、与邦国島などの国境離島までも、中国の支配下に入る道を開きかねない。これは、わが国の独立主権に関わる実に由々 しき事態である。
 十一管区海上保安部の監視警備体制を強化し、領海侵犯行為があった際には、国内法に則った厳正なる処分を行うことを求める。

                         日本会議地方議員連盟

(市会議員・中島健一)
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