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2008年(平20) 4月3日 議会レポのロゴ No.386


※特 定健康診査が…
 今回は議会でも話題となった4月から始まる特定健康診査等がどんなものかを簡単にお知らせします。

○新しい健診
 高齢者の医療の確保法によって4月から始まるのは、75歳以上の後期高齢者医療制度だけではありません。40〜74歳を対象とする特定健康診査。特定保 健指導もこの4月から始まります。

 従来、40歳以上は老人保健法により、病気の早期発見・治療のための「基本健康診査」が実施されてきました。これに代わって、メタボリックシンドローム (内臓脂肪症候群)に焦点をあてた特定検診の実施が、企業の健保、政管健保、国保などの保険者に義務付けられました。

○状況次第ではペナルティー
 各保険者は、健診、保健指導、成果についてそれぞれ数値目標が設定させられます。健診や指導の達成状況が悪ければ、各保険者から高齢者医療保険への拠出 金が加算されるというペナルティーも。
 こんなペナルティーを課してまで、国が国民の肥満解消に躍起になるのは、本当に医療費削減のためだけなのか、医療民営化への基盤整備をしているのでない かという懸念もあります。

○健診項目は充実
 健康診査の項目は、これまでよりも充実します。ペナルティを課せられるまでもなく、大いに市民に利用して頂きたいところです。
 腹囲、脂質検査などの特定健診の結果、糖尿病、心筋梗塞など生活習慣病の発症リスクが高い人には、生活習慣見直しのサポートをする特定保健指導が面接や メールで行われるようになります。「行動目標」も持たされ、食事や運動など生活習慣病の改善を指導することになっています。

○診断基準
 メタボリックシンドローム(特定保健指導の対象者)の診断基準は…

▼必須項目
 腹囲が男性で85p以上、女性90p以上
 またはBMI(※)が25以上。

※ Body Mass Indexの略称で体格指数を表す、肥満・やせの基準です。

       BMI=体重(s)÷身長(m)二乗

 日本人の標準値は男女ともに22とされています。
 判定基準では、19・8〜24・2が普通で、それより少なければやせ
 多ければ肥満とされています。

▼追加リスク
  @空腹時血糖値 100r/dl以上
  A血中脂質 中性脂肪150r/dl以上
    またはHDLコレステロール40r/dl未満
  B血圧 130以上、または85以下

 必須項目に加え@〜Bが1つでも該当すれば指導の対象となります。喫煙暦の有無もプラスして、積極的支援か動機付け支援かが決定されます。

○批判や疑問も
 新たな特定健診・保健指導には批判や疑問も出されています。

・ メタボ診断基準の第一に腹囲を85p以上などとしているが、科学的根拠がない、と専門家から批判が。
・ 痩せ型の内臓脂肪肥満が指導対象から外されている
・ メタボ健診特化で、癌など他の疾患の予防がおろそかにならないか。
・ 75歳以上の人の健診は努力義務
・ 肥満の人のために健康保険組合がペナルティーを課せられ損害を受けると、肥満者への差別が懸念されないか。
・ 長時間過密労働や社会環境などもストレス・肥満要因。健診だけでなく総合的な視点が必要。等々。

 懸念事項もありますが、とにかく財政負担が増えないよう市としても今後の取組が重要になってくる事には間違いありません。

【参考】
特定健診・特定保健指導の実施は、医療保険者に義務づけられているものである。医療保険者はこれらの実施だけではなく、平成24年度に特定健診の受診率 70%(国保は65%)、特定保健指導の実施率45%、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少(平成20年度比10%減)という数値目標が課 されており、これらを達成しないと平成25年度以降、財政的なペナルティーが課せられる。

(市会議員・中島健一)

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