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2017年(平29) 9月定例会 一般質問



○議長(畑中俊彦君) 
 次に、障害者の就労支援について、予防の観点から歯科診療について、以上2件について、中島健一議員の発言を許可いたします。
 本質問は一問一答方式により行われます。
 14番、中島健一議員。

◆14番(中島健一君) =登壇=
 通告に沿って一般質問を行います。
 1点目は、障害者の就労支援についてです。

 生きていくためには、糧を得るために働かなければなりません。これは、障がいを持つ人にとっても同様です。

 しかし、働くといっても、障がいの状況によって違いますから、やはり福祉的な観点からのサービスは必要になってきます。しかし、何よりも大切なことは、働くことを通して社会とかかわりを持つ、ここが一番大切な点だろうと、私は思うところです。

 さて、障がいを持つ人が働くということには、厳しい壁が待ち受けているのが現実といえます。
  平成29年3月1日付で厚生労働省が「障害者の就労支援施策の動向について」という資料を出しているんですけれども、その資料によりますと、就労支援施策 の対象となる障がい者数というのは、障がい者総数約788万人中、18歳から64歳までの在宅者約324万人が対象になるそうです。その324万人のう ち、身体障がい者が111万人、知的障がい者が41万人、精神障がい者の方が172万人だそうです。

 その対象者の方の一般就労への移行 の現状というのが、特別支援学校から一般企業への就職が約29.4%、就労系福祉サービスの利用が約27.2%、そして、障害福祉サービスから一般企業へ の就職が年間4.1%、そして、就労移行支援からは22.4%というふうに言われております。この数字も昔よりは改善されてきているといえますが、障がい を持っていることから、なかなか就労に結びつかない現状は、いまだに厳しいものがあります。

 そこで、まず確認したいのは、市当局は、市内における障がい者の就労状況を把握しているのかということです。

 まず、市として、障がい者の就労支援の状況はどうなっているのか、現状をお知らせください。

  さて、一般企業に入る手前の段階、就労系の障害福祉サービスとして、就労移行支援事業、就労継続支援A型事業・B型事業というのがあります。ここでは、毎 日働くと工賃がもらえるんですけれども、このA型の平均工賃というのは、平成26年度の時点で6万6,412円、B型でしたら、1万4,838円。そし て、B型で1万円以下というのが、事業所の約4割あるそうです。

 こういった現状を変えるため、工賃向上計画による福祉的就労の底上げ、税制面からの障がい者の働く場に対する仕事の発注、物品購入を促進させる努力がなされてきました。

  しかし、そんな中、一部のA型事業所において、障がい者の大量解雇、あるいは、事業所の廃止などが問題視されるようになってきました。それは、これまで事 業の収益が確保されていなくても、受け入れる障がい者の人数に応じた補助金が出され、そこから賃金を支払うこともできていたからです。

  しかし、国はこの状況を是正し、事業の健全化をするよう、4月から支給要件が厳しくなりました。そのため、一部に低い賃金すら支払うこともできず、就労事 業所の廃業や障がい者の大量解雇という問題が起こっています。この影響が、芦屋市にもあるかなど、把握している現状を明らかにしていただきたいと思いま す。

 さて、市においては、知的障害者職親委託制度や障害者雇用奨励金など、市独自の取り組みがなされています。この制度の現状などもあわせて明らかにしていただきたいと思います。

 次に、2点目の、予防の観点から歯科診療についてお尋ねします。
 医療機関は、患者の疾患を治療することが最も重要な役割です。その治療の際に、患者から医療従事者に、あるいは、患者から患者に悪い病気が移らないよう、感染予防するのが必要不可欠だというのは、現在当然のこととして、医療教育機関では行われています。

 この感染予防というのは、当初、医療従事者の保護を中心として行われていましたが、その後、医療従事者の保護だけでなく、患者間、あるいは医療従事者を介した感染防止にも考慮した予防策が取り入れられています。

  代表的なのが、1996年アメリカ貿易センターが公表した予防政策で、血液や体液、排せつ物に加え、手洗いや呼吸器系、結核予防策も盛り込まれており、患 者と医療従事者の双方を、知られている病気からだけでなく、知られていない未知の感染症からも守ることを可能とする考え方、政策です。これは、スタンダー ドプリコーション−−標準予防策と言われ、世界標準となっています。

 このスタンダードプリコーションへ大きな流れをつくる要因となった1つに、アメリカでのキンバリー事件が挙げられます。

  キンバリー事件とは、キンバリーさんという人が、HIV−−ヒト免疫不全ウイルス、いわゆるエイズを発症し、彼女がかかっていた歯科医療機関から複数の HIV感染者が報告されたことで、その歯科医が感染源である可能性が高いとされた事件です。まさにアメリカ中で、歯の治療でエイズに感染すると国民を震撼 させた事件だそうです。

 それ以降、アメリカではキャンペーンを行い、ハンドピースを必ず患者ごとに加熱・滅菌するように徹底しており、 していない歯科医師は、医師免許剥奪、開業停止となるそうです。つまり、アメリカにおいては、ハンドピースは患者ごとに加熱・滅菌するのが当たり前で、そ れしか選択肢はないというわけです。これは、アメリカだけではなく、ヨーロッパでもそうだそうです。

 医療教育の現場では、そのようなことも含めて感染予防の重要性が教えられています。

 ところが、必ずしも日本の歯科医療の現場では、そうなっていない現実が一部にあるのではないかということが過去から指摘をされてきています。

 以前より調査がなされ、実態は明らかにされつつありましたが、多くの人に知られるきっかけとなったのが、やはり3年前に読売新聞が報道した「歯削る機器7割使い回し」、「滅菌せず院内感染懸念」という記事ではないでしょうか。

  お手元に資料としてお配りしております、読売新聞の記事をごらんいただきたいと思いますけど、絵のほうで、ドリルの柄と書いてありますが、これがいわゆる ハンドピースと言われる部分です。この読売新聞もお読みになったかと思いますが、調査対象としたのは、歯を削るドリルを取りつけた柄の部分ということで、 歯には直接触れないが、治療の際には口の中に入るため、唾液や血液が付着しやすいと。使用後は高温で滅菌措置をした清潔な機器と交換することが、日本歯科 医学会の診療指針で定められています。

 このドリルの柄だけでなく、ドリルそのもの、この絵のところの「ドリル」と書いてあるところですね、歯科関係者の間では、ドリル部分も同様に滅菌せず使い回しされているという指摘もあるそうです。

 それを受ける形で、厚生労働省が通知を出しました。資料の裏面になりますけれども、厚生労働省医政局歯科保健課長名ということで出されております。

 下のほうに書いてありますが、使用したハンドピースは患者ごとに交換し、オートクレープ、これは滅菌措置をする機器ですね、滅菌することが強く勧められますとされています。

  この「強く勧められます」というのはどういう言葉かといいますと、これは、診療ガイドライン作成の手引きというのがあって、推奨グレードというのが決めら れているそうです。「行うことが勧められます」と書いてある場合は、科学的根拠はあるけれども、行うように勧められる場合とか、科学的根拠はないが、行う ように勧められる場合が、この「行うことが勧められます」と書くそうです。ところが、「行うことが強く勧められます」と書くのは、強い科学的根拠があり、 行うよう強く勧められる場合に用いる言葉だそうです。

 資料の紹介はそのぐらいにしますけれども、本来なら国が法律等で滅菌処理とハンド ピース交換を義務づけすれば済むことですが、なかなか複雑な事由があるのか、最終的な責任を各医療機関任せにしています。大変残念なことではありますが、 それは横に置くとして、国としても、改善を各医療機関に促しているところです。

 さて、この新聞記事から3年がたち、厚生労働省研究班がことし2月までの調査結果を、この5月に公表しました。調査は、日本歯科医師会の会員1,000人に郵送で行い、2017年2月までに700人から回答を得ているそうです。

  調査結果では、医療安全や感染管理等に関する以前の調査結果と比較すると、歯科切削器具や観血処置を行う器具を的確に滅菌している割合は、増加していたと しながらも、機器について患者ごとに交換と答えたのは52%、以前の調査からは確かにふえていますが、しかし、まだ半数です。

 一方、指針に沿った対応をせずに、感染症患者とわかった場合、あるいは、血液がついた場合などにのみ交換するとしたのは、それぞれ17%、16%もあり、滅菌もせずに消毒薬で拭くと回答しているところが13%あるそうです。

  もっと驚くのは、ドリルの刃です。ドリルの刃は、歯を削るわけですから、患者の体に接するところです。指針などでは、患者の治療が終わった後は洗浄して、 唾液や血液などを落とし、さらに高温の蒸気が発生する装置に入れて、細菌やウイルスを100%なくす滅菌処理をとるよう定められています。

 ところが、このドリルの刃を指針どおりに洗浄・滅菌していると回答したのは、64%。残りは滅菌のみとか、洗浄のみとか、薬液消毒のみというのも20%という答えが返ってきているそうです。

 これらの結果に対して、厚生労働省歯科保健課は、「改善傾向にあるが、満足できる水準ではない。講習会などを通じ、院内感染対策の重要性を知ってもらう必要がある」とコメントをしているとのことです。

 私から言わせれば、厚生労働省は何をのんきなことを言っているのかという感じなんですが、実態はもっとひどいのではないかというのが、歯科医師の情報発信からも見て取れます。

  ある歯科医師は、「歯石除去の超音波スケーラーのハンドピースや歯をクリーニングするハンドピースは更に低い滅菌率です」と言っています。「また、水や空 気を歯に吹きかける3WAYシリンジと呼ばれる、ほぼすべての患者さまに使用するノズルはアルコール消毒がほとんどです。

 過去に見学さ せていただいた歯科のクリニックでも、すべてのハンドピースやシリンジを患者さま毎に滅菌しているところはほとんどありませんでした。なかには、ホワイト ニングなどで患者さまから非常に高額なお金を受け取るにもかかわらず、基本のミラーやピンセット以外、ほとんど何も滅菌していない酷いクリニックもありま した。

 滅菌器も、日本の国内で流通しているオートクレーブといわれる高圧蒸気滅菌器の大半は、器具の表面しか滅菌できていません。日本 の歯科医院は開業したら保健所の検査なども一切ない事から、日本はヨーロッパやアメリカ、中国にも劣る酷い滅菌レベルだといわれています」と書いておられ ます。

 また、別の歯科医師が、2014年時点ですが、こんなことを書かれています。
 「滅菌している歯医者さんが、世の中に3割ほどいるというデータが新聞に載っていましたが、現実には数%未満というのが本当の所でしょう」

 これは、歯科用の器具を売っている業者の話をそのまま載せていました。
 また、別の歯科医師は、「私の実感からすると随分滅菌している歯科医院が多いデータだ」と述べられています。現場の歯科医師の言葉ですから、重い響きがあります。

 これも別の歯科医師が書いていましたが、ある新卒の歯科衛生士さんが、いろいろな診療所の見学に行って、こう言っているそうです。

 「歯医者は細菌を相手に治療しているのにウイルスをばら撒いてしまっては、どんなに派手な治療や宣伝をしても何のために診療をしているんでしょう?」と言われたそうです。

 現実に4年前、アメリカでは歯科医院での治療を受けた患者がHIVとC型肝炎ウイルスに院内感染していたことが明らかとなりました。報道によれば、この歯科医院では、医療器具を複数の患者に使い回ししており、滅菌措置を怠っていたことが調査により明らかになっています。

 そもそも「滅菌」とは何でしょうか。

 これも、別の歯科医師の方がわかりやすく書いていたので、それをここで紹介したいと思います。
  「そもそも滅菌とはなんなんでしょうか?みなさんお医者さんに行った時には注射をした経験がありますよね。その時、針を刺す部分の肌をアルコール消毒して から注射をします。それは、もちろん針を刺す場所のばい菌が針を通して体内に入るのを防ぐためです。だから、針だって、1人1人新しい針を使用していま す。これは、当たり前のことで、もし針を交換しなかったり、消毒をしなかったら病気が移ったりばい菌が侵入して大変なことになるからです。この『消毒』と いう行為は病原性のある微生物をある程度殺す効果があります。またもっと強力なのが『殺菌』です。殺菌は消毒よりももっと多くの菌を殺すことができます。 ここまでならみなさんも聞いたことがあるでしょう。では菌を完全に殺すことは何というのかご存じですか?それが『滅菌』なのです。全滅の滅に菌、字から分 かるとおりすべての微生物を殺す、完全な処理となります」ということです。

 さて、確かに数年前よりも改善が進んでいますが、日本では、 いまだに半数近くの歯科医療機関で感染予防の実務が伴っていないのではないかというのは、市民の健康と福祉増進が使命の自治体にとっても、ゆゆしきことで はないかと思うところです。この件について、安全性の問題について、市の見解はどうなのか、また、実態を把握しているのかお聞かせください。

 また、学校での歯科健診等では、感染予防対策はとられているのか。市民の健康を預かる市からも、歯科医師会等への改善の働きかけはできないのか。また、市の歯科センターでの対応はなされているのか、お答えいただきたいと思います。

 さて、問題となっているハンドピースの交換や滅菌についてわかっているが、なかなか導入が進まない要因の1つとして、設備を整えるのに費用がかかる点が挙げられています。

  ハンドピースは精密機器で、普通で1本10万円から20万円もするとされています。安いものでも、1本7万円。患者ごとに交換して滅菌するとなると、1本 使用すると約1時間は滅菌のために時間が必要になりますから、多くのハンドピースをそろえなければなりません。つまり、その分費用がかかります。

  また、滅菌は高温の蒸気発生装置に入れて行いますから、これが機器を傷め、使える製品寿命が短くなると言う歯科医もおられます。これをそろえようと思った ら、それだけで軽く数百万円はかかります。つまり、資金がなければ、設備投資もできないわけです。歯科医院がまち中のコンビニより多くなり、毎年年間1, 300から1,700もの歯科医院が廃止をされる中、経営の厳しさが増しているわけです。

 そうであれば、市としてもその点からの支援を するべきではないかと私は思うところです。現在、市には中小企業向けの融資制度などがありますが、機器の使い回しなどを早急になくしていくためにも、歯科 医院向けに特別に低利で条件のよい融資制度を設け、支援していくことはできないのか、市の見解をお聞かせいただきたいと思います。

 以上で、登壇しての質問を終わらせていただきます。

○議長(畑中俊彦君) 答弁を求めます。
 山中市長。

◎市長(山中健君) =登壇=中島健一議員の御質問にお答えいたします。
 初めに、平成28年度の障がいのある人の就労状況は、就労継続支援A型事業所に47人、就労継続支援B型事業所に88人でございます。

  就労支援の状況は、平成24年度から保健福祉センターに就労支援員を配置し、県の阪神南障害者就業・生活支援センターと連携し、進めているところです。ま た、平成25年度からは、事業者として市が率先し、知的・精神に障がいのある人の短期雇用−−チャレンジド雇用を実施しております。

 他県の就労継続支援A型事業所で障がいのある人が大量解雇された件について、本市の事業所では同様の事例がないことを、関係機関に確認しております。

  障害者雇用奨励金は、ハローワーク窓口を通じて事業所に制度を紹介いただいており、平成28年度は3事業所に支給し、5名の方の就労を支援しました。ま た、新たな雇用につなげるため、現在商工会とともに市内事業者の実態調査を実施しており、制度の周知を進めているところです。

 また、平成15年度に制度化した芦屋市知的障害者職親委託制度は、実績がございませんので、改めて市内の障害福祉事業所に周知してまいります。

 次に、歯科診療の安全性では、院内感染対策の啓発に努める旨の厚生労働省通知を踏まえ、消毒、または滅菌された器具を使用することの重要性は認識しており、芦屋市歯科医師会からも、院内感染マニュアルに沿って各歯科医院で対策を実施しているとの報告を受けております。

 さらなる改善の働きかけは、芦屋健康福祉事務所が行っているところですが、本市においても、歯科医師会を通じ、院内感染対策を徹底していただくよう周知してまいります。

 なお、歯科センターでは、患者ごとに器具を取りかえ、滅菌処理を行っているところです。
 融資に関しましては、既に各歯科医院で対策を進められておりますので、新たに実施する考えはございません。
 その他の御質問につきましては、教育長からお答えをいたします。

○議長(畑中俊彦君) 福岡教育長。

◎教育長(福岡憲助君) =登壇=中島健一議員の御質問にお答えいたします。
 学校園の歯科検診における感染予防対策につきましては、学校園で実施している歯科の健康診断では、検診器具を全園児・児童生徒分準備をしており、使用済みの器具を使い回しすることがないよう、十分配慮して実施しております。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) それでは、再質問させていただきます。
 市内での就労状況の質問に対して、A型47人、B型88人、解雇の影響などについて本市ではないというふうにお答えがあったんですけれども、これは、市内で働いている方の数なんでしょうか。それとも、市外も含めてなのでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 寺本福祉部長。

◎福祉部長(寺本慎児君) 先ほど御答弁させていただきましたのは、市内にお住まいの方が働いている数でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) わかりました。市内にお住まいの方が、市外や市内も含めてこれだけの人数がいて、今のところは影響はないというふうに確認させていただきます。
  それで、これだけの方がA型やB型で働いているんですけれども、実際障がいを持っておられる方はもっとたくさんいらっしゃって、働きたいという意欲を持っ ておられる方もいると思うんです。そういった全体像、枠組みというか、人数的なところは把握していらっしゃらないんでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 寺本福祉部長。

◎ 福祉部長(寺本慎児君) 障がい者の就労サービスの関係なんですが、一つは、就労移行支援事業というのもございます。本市におきましては、先ほど御答弁申 し上げましたが、平成24年度から就労支援員を配置しまして、阪神南障害者就業・生活支援センターと連携をしまして、昨年度は19人の方が一般就労に結び ついております。また、16人の方が就労継続支援A型事業所に就労されておりますので、ただ、登録されている人員が、今177人いらっしゃって、その方の 支援を続けているということでございます。
 以上です。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島 健一君) わかりました。障がいを持っておられる方たちが働きたいという希望を持ったときに、その願いをかなえてあげられるよう、どう市が支援できるのか というのが大切なところだと思いますので、これまでの取り組みも、より一層強くやっていただきたいと思います。

 それと同時に、市独自の 取り組みとして、要綱にあるような制度があると思うんです。その制度を2つ挙げてお聞きしましたけれども、例えば、知的障がい者の方向けの委託制度は、今 までの実績がなくて、今後周知していくということなんですけれども、周知することによって実績は上がると見込んでいらっしゃるんでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 寺本福祉部長。

◎福祉部長(寺本慎児君) 知的障害者職親委託制度につきましては、特に国内では郡部のほうで利用が多くなっていると聞いております。
  ちなみに、阪神間の状況でいいますと、芦屋市を含め、尼崎市、西宮市、宝塚市、伊丹市が、これまでの実績はございません。ということで、いわゆる都市部で はなかなか実績が伴わないということですが、一方、神戸市とか明石市では実績がございますので、本市においても周知をしながら、そういったところにつなげ れば、可能性はあるかなというふうには考えております。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君)  お聞きしたところによりますと、この知的障害者職親委託制度というのは、ここ数年というか、もう大分前から実績はゼロだというふうに聞いているんですけ れども、そういった実情の中で、改めて周知することによって実績が上がれば、それはよしとするんですけれども、実績がないということであれば、改めてこう いった制度の見直しということも必要になってくるんじゃないかなと思うんですけれども、その点はいかがお考えなのでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 寺本福祉部長。

◎ 福祉部長(寺本慎児君) こちらの制度につきましては、いわゆる障害者総合支援法に基づきます地域生活支援事業の任意事業となっております。任意事業とい うことですので、もちろん選択をするということになっておりますが、現状は、法に位置づけられた事業ということで、こちらも要綱を持っておりますので、当 面継続していきたいというふうに考えております。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 市の意思は確認いたしましたので、それであれば、実績が出るよう、きちんと周知を図っていくというのが大切になってくるかと思いますので、その点はよろしくお願いしたいと思います。

 障害者雇用奨励金のほうですが、これは、今具体的にどのぐらい利用があるんでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 北川市民生活部長。

◎市民生活部長(北川加津美君) 先ほど御答弁申し上げましたが、平成28年度で3事業所5名からスタートしております。年度をまたがって、現在4名の方が継続的に御利用なさっておられます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 市のほうでは、この雇用奨励金については、障害者福祉計画の中でも1つの項目と挙げて取り組みをしているんですけれども、数的にはどうなのかなというふうに思うんです。

 私 は、3事業所5人、あるいは4人というような数であるならば、その市独自として、雇用奨励金にあるような制約をもう少し広げる形で、障がい者の方を働かせ ていただいている企業への支援というのをしていく必要があるのではないかなと思うんですが、その点はお考えはいかがでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 寺本福祉部長。

◎ 福祉部長(寺本慎児君) 平成18年度以降、就労支援の形が、措置から実施支援のほうに変わってまいりましたので、それでさまざまなサービスの提供という ことで、就労に関する訓練の部分でありますとか、相談支援の部分をつくってまいりました。現状、これからまだまだ就労希望の方がふえてくるかと考えており ますので、新しい制度というのは法の改正の流れも見ながら見きわめていく必要があるかなというふうに思いますが、その点につきましては、十分研究はしてい きたいというふうに思っております。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) では、十分研究を進めていって、いつでも、その時々の実情に応じた制度をつくっていく、あるいは、柔軟な対応をしていくということに尽力していただきたいと思います。

  それで、A型、B型で働いてらっしゃる方がたくさんいらっしゃるんですけれども、市のほうでは、役務や物品の調達の推進を図りながら、障害者就労施策を推 進していくようなこともあるんですけれども、物品の調達の推進というのは、具体的に仕事を発注することだと思うんですが、仕事の発注といってもなかなか難 しい状況があると思うんです。今後の展望とか何かあるんでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 寺本福祉部長。

◎福祉部長 (寺本慎児君) 庁内のさまざまな課に対して、障害福祉課からも物品調達については御依頼をしているところでございます。また、このたび、創生総合戦略の 流れの中で、きれいな名刺をつくるということでプランがありまして、それも障害者の就労継続支援B型事業所のほうにお願いをしまして、我々の名刺もつくっ ていただいていると、そういう発注をさせていただいているところもございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) さらに仕事の場が広がるようにして、就労継続支援事業が、そういった独自の事業だけで賄っていけるような形での支援をお願いしたいと思います。

 それと、市のほうでいろいろ方針が掲げられていますので、この適性に応じて能力を発揮し、生き生きと働くことができる環境づくりという点で、これからも頑張っていっていただきたいと思います。

  それでは、2点目の、予防の観点から歯科診療についてお尋ねしていきますけれども、安全性の問題について市の見解をお尋ねしましたら、認識はしていると、 医師会では対策を実施しているので、さらなる周知をしていくというふうな御答弁があったのかなと思いますが、市のほうは、安全性の問題について認識してい るということなんですが、具体的にどういうふうに認識されているのか、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎ こども・健康部長(三井幸裕君) やはり患者の方に、当然医療関係の方についてもそうですが、感染であるとか、そういうことについてはあってはいけないこ と。本市においても、歯科センターなども運営しておりますので、その中で安全については十分徹底をしていくべきものだという認識をしております。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14 番(中島健一君) この2月までに調査を行われて、5月に発表されたアンケート調査によりますと、現在まだ半数の方がハンドピースの滅菌処理を十分行って いないという結果が出ているんです。これは全国の調査ですから、芦屋市がどうなのかというのは一概には言えませんけれども、それに類する数ではないのだろ うかと推測はできるんですよ。

 そうであるならば、市としてもきちんと実態を把握して、それをどう改善していくのかということが市民の健 康を増進させていくことにつながるかと思うんですが、安全の問題について認識しているならば、何らかの対応が必要になってくると思うんですけれども、市と してはどんなお考えを持っているのでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) ハンドピースの患者ごとの交換につきまして、歯科医師会のほうからは、患者ごとにハンドピースについては交換しておると、オートクレープについても、ほぼ全ての医院で実施しておるということを聞いております。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 歯科医師会のほうから、患者さんごとにハンドピースは交換しているという返事があったということで、では、市内のお医者さんに行くのはもう安全だという認識でよろしいんでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) はい、そういう認識をしております。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14 番(中島健一君) ハンドピースが何で問題なのかというと、機会があればYouTubeとかいろいろ映像が出ているので見てほしいんですけれども、読売新 聞の絵がありますよね、このドリルの柄というところを、具体的に色水のついた液の中に入れて、使用して、出して、外側を全部きれいに拭いて動かすんです よ。

 そうしたら、色水が出てくるんですね。また、もう一回きれいに拭いて動かしても、また色水が出てくるんです。もう一回きれいに拭い て、3回目動かしても、また色水が出てくるんです。つまり、ハンドピースを交換しなかったら、感染症になる危険性が非常に高いということがよくわかる映像 があります。だからこそ、歯科医師会の指針でも、このハンドピースを変えるようなことが書かれているんですね。

 芦屋市の歯科医師会が「安全だ。対策を実施している」と言うことは、私も信じたいと思います。

  ですが、この5月に発表された資料をもう少し御紹介させていただきたいんですけれども、診療時に手袋の使用、つまり、歯医者さんが手袋の使用をしているか どうかということについてアンケートをとっているんですけれども、「患者毎に交換してはいない」、「症例に応じ使用」、あるいは「使用しない」という方が 48%いるんです。つまり、患者ごとに交換しているという歯医者さんは52%しかいないんです。

 そして、その診療以外の業務のときに手袋を外すというのが463名と多かったが、手袋を消毒して外さないとか、状況に応じて手袋を外すとか、手袋を外さないとか、こういった形でも、感染防止対策としては意識向上が求められる数字が出ています。

  そして、さらに問題なのは、先ほども少し紹介しましたけど、ドリルの部分をきちんと洗浄後、滅菌しているというのは64%で、洗浄のみであるとか、薬液消 毒だけというのは33%なんです。先ほども言いましたけれども、これは全国の調査ですから、芦屋市歯科医師会がそうだとは私は思っていませんし、全てやっ ていることだと思うんですけれども、でも、一つの指針として外来環というのがあるんですけれども、この外来環というのは、歯科外来診療環境体制加算という んですけれども、この外来環をとっている歯医者さんは、芦屋市内では15歯科診療所しかないんです。

 全歯科診療所、クリニック等を含め て70を超える医療機関があるんですけれども、15だけなんです。この外来環というのは、歯科医師が指定された安全対策に関する研修を終了しているとか、 あるいは、歯科衛生士が勤務している、もしくは、器具の滅菌、院内感染防止対策をしっかり行っている、そういうことが認められた医院が、この加算をするこ とができるんです。

 確かにこの加算を取っていなくても、しっかりやっているところはあるかもしれませんけれども、一つの目安として15しか取れていないというのは、事情を知らない方が見れば、やはり芦屋市の歯科もそうなのかなと思われてしまう、おそれがあると私は思うんです。

 だからこそ、私が思うのは、きちんと芦屋市でも、歯科医師を応援する意味でも、融資制度とかをつくって、この外来環というのが取れるような体制づくりをつくっていくのが大切なんじゃないかなと思うんです。その点では、いかがお考えでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎ こども・健康部長(三井幸裕君) 新たな融資ということになりますと、他にある、例えば商工会が窓口になっているような融資制度であるとか、そういうのも 歯科医師の方も御利用になっているとお聞きしておりますので、それとかまたは、歯科医師の団体である融資制度とか、そういうものを御利用いただきたいと 思っております。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) それもよくわかります。よくわかりますけれども、私は、急がなければいけないと思うんです。この体制を各医療機関に整えてもらうには。そのためには、やはり利用しやすい制度が必要だと思うんです。

  私は、この融資制度というふうに言ってますけど、本来は助成してもいいぐらいじゃないかなと思うんです。だって、考えてもみてください。今、芦屋市は広告 物条例に取り組んで、この前だって看板を撤去するのに、助成する金額を2倍もふやして100万円も出すことにしましたでしょう。看板撤去よりも、今現在治 療している医療機関で、ひょっとしたら感染症が広まっている可能性があるかもしれないんですよ。

 そういうことを考えたら、私は優先順位 的には助成制度をつくってほしいなと思うんですけれども、それはなかなかちょっとどうなのかということもあって、せめて融資制度だけでも、無担保で金利の 安い、そういった制度をつくって応援していくべきじゃないかなと思うんですよ。それが歯科医院にとってもプラスになりますし、芦屋市にとっても、市民に とってもプラスになると思うんですが、その点はいかがでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) やはり市民の方に安心していただくということは非常に大事なことだと思っておりますが、融資ということになりますと、やはりそこは歯科医師のほうでという形を考えておりますので、融資はなかなか難しいと考えております。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 別に了承するわけではないんですけれども、もう少し考えを改めていただけたらなというふうには思います。

 では、ちょっと別の視点からお聞きしたいんですが、芦屋市立歯科センターできちんと滅菌処理をしているというふうに答弁がありました。

 しかし、歯科センターで滅菌処理をしていると言いながらも、先ほど言った外来環は取得をしていないんですよね。これは、なぜ取得をしていないんでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎ こども・健康部長(三井幸裕君) 外来環につきましては、研修を受けているということ以外にも条件がございます。本市でも、過去に2回ほど申請の手続にト ライをいたしましたけれども、ひっかかりましたのは、常勤という形ではないということでございます。歯科センターにつきましては、歯科医師会のほうに委託 をして、当番で医院の方に来ていただいておりますので、常勤とはみなされないと。それ以外のことにつきましては、クリアしております。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14 番(中島健一君) わかりました。実は、神戸市立こうべ市歯科センターとか、宝塚市立歯科応急診療所は取得していたので何でかなと思ったんですけど、今の 話でわかりました。常勤の医師がいないからということなんですね。では、常勤の医師がいないから取れなかったけれども、外来環を取得できる条件はほぼそ ろっているというふうに認識させていただきます。

 それでは、先ほどの融資の話に戻るんですけれども、外来環を取っているお医者さんは市 内でもちょっと少ないので、その点、歯科医師会のおっしゃっていることを信用するしかないんですけれども、でも、現実問題として、歯科医院、クリニックは 常勤のお医者さんがいるんですから、条件が整えば外来環を取れると思うんです。

 この外来環を取るように、市としても改めて歯科医師会と かに働きかけていく、それを進めていくために、市としても応援してあげますよという意味で融資制度のことをちょっとお話しさせていただいたんですけれど も、まずは歯科医師会への、外来環の取得へもう少し頑張っていただけませんかということと、もう一度融資制度のことを検討するとか、そういうお考えをいた だけないですか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) 外来環を取られてい る医院につきましては、現在15医院でございます。歯科医師会の会員さんが57医院、約26%の方が取られておるという形で、全国的に見ますと、全国的に も高いからいいということじゃございませんけれども、比較的取られている方は多いのかなと思っておりますけれども、やはりそこにつきましては、今後もそう いう形での周知というのは必要かと思っております。

 やはり器具であるとか、そういうものが確かに議員がおっしゃるように高い機械があるということでございますが、そこの融資ということになりますと、やはりそれは各医院のほうの努力でやっていただきたいというのが基本的な考え方と考えております。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14 番(中島健一君) 押し問答になってきましたので、強く指摘をしていきたいと思いますが、先ほど例を言いましたけれども、例えば広告物条例で助成をしてい るとか、そういうことと比較すれば、市民の命を預かる市として、よい歯科医院になってもらうためにも応援をしていく必要が、寸暇を惜しんでやる必要がある と思うんです。

 先ほど言いましたけど、今のこの時間でも治療がされているわけです。そういった治療を安心して受けるためにも、そして歯 科医院さんが安定的な経営をしていくためにも、芦屋市として何ができるのか。私は助成制度のことを書きませんでしたけれども、助成制度や融資制度がその一 助になると思うんです。ですから、歯科医師会と協力しながらやっていけるんではないのかなというふうに思っておりまして、今回提起をさせていただきまし た。

 改めて強く要望しておきますので、もし機会があればと言ったらおかしいですけれども、何らかの形で検討を加えていっていただきたいということを強く指摘をしておきます。

 学校での歯科検診等では、全生徒分を準備してやっているということなので、安心させていただきました。今後も、そういった学校の検診で感染症になるといったら大事になりますので、またその辺も注意しながらやっていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。


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