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2015年(平27) 12月 一般質問



○議長(畑中俊彦君) 次に、検診充実の観点から検査助成等の拡大を、名誉市民条例の活用を、以上2件について、中島健一議員の発言を許可いたします。
 本質問は、一問一答方式により行われます。 14番、中島健一議員。

◆14番(中島健一君) =登壇=それでは、通告に沿って一般質問をします。
 初めに、検診充実の観点から検査助成等の拡大について質問していきます。

 市民の健康増進のためにさまざまな検診制度があり、その活用が求められています。
 しかし、医療の世界は日進月歩ですから、現在の制度について、常に検討・改善をしていかなければなりません。その観点から、健康増進と医療に係る費用抑 制を進めていこうと考えるならば、ぜひ導入していただきたいものがあります。若い世代にピロリ菌の無料検査をすることです。

 昨今、取り上げられることが多くなっていますので、御存じの人も多いかと思います。このピロリ菌は、胃がんや十二指腸潰瘍を誘発する菌で、それを除去することで病気にならない、あるいは、かかりにくい状況になることが明らかになっています。

 しかし、このピロリ菌検査、芦屋市には助成制度がありません。ならば、つくっていく必要があると思います。

 その点から、中学生を対象にピロリ菌の無料検査をぜひ実施し、成人対象にも費用の助成で健康増進につなげられるよう対応を進めていただきたいと思うところです。

 では、少し詳しくその必要性など、内容について触れていきます。
 WHO−−世界保健機構が、ピロリ菌は確実な発がん要因として認定しました。そして、日本の胃がん患者の99%以上が、ピロリ菌感染によると推計されています。つまり、ピロリ菌の除去が胃がんの予防につながるわけです。

 まず、胃がんによる死亡者数は、1970年ごろから、ほぼ毎年5万人が亡くなっていますが、このピロリ菌を除去することによって、劇的に減らすことがで きるとされています。このピロリ菌は、胃の粘液に住みつく細菌で、一度感染すると、治療で除去しない限り消えることはありません。

 国は除去によって死亡率を引き下げる効果について、現在検証中としていますが、世界に先駆けて慢性胃炎患者の除菌治療を健康保険の適用としました。つまり、がんにつながるおそれのある慢性胃炎患者に、除菌治療の効果は認めているところです。

 しかし、この慢性胃炎になる原因がピロリ菌であるのですから、慢性胃炎になる前にこの原因を除去するピロリ菌の除去を、早く認めてほしいところです。

 それはさておき、現在先行している自治体では、このピロリ菌について除去を啓発すると同時に、ピロリ菌に感染しているかどうかの検査に、補助を出すようになっています。

 なぜ若い世代にこの検査を求めるのか、それにも理由があります。一度除菌をすれば、再感
染することもほとんどなく、早期に取り組めば、胃がんはもとより、胃炎・潰瘍などの予防にもつながり、かつ、将来的な医療費抑制が期待できるからです。

 また、感染が判明すれば、家庭内に菌保有者がいる可能性もあり、家族で除菌をすれば、なお一層の効果も期待できるからです。

 私が言うだけでは信憑性に欠けるかもしれませんので、専門家の発言等を紹介していきたいと思います。

 独立行政法人国立国際医療研究センターの上村理事は、「ピロリ菌が胃炎・胃潰瘍の原因であることが判明し、ストレスやたばこから起こるという概念が完全 に覆されました。胃潰瘍は、一度治っても再発する一生の病気だと言われていたのが、ピロリ菌を除去すれば、ほとんど再発しなくなる。胃炎だろうが、胃潰瘍 だろうが、胃の一生は、ピロリ菌に感染しているかどうかで決まる。」

 また、日本ヘリコバクター学会、これはピロリ菌を専門に扱う学会ですけれども、全てのピロリ菌感染者への除菌治療を指針として示し、今推奨しています。

 北海道大学大学院の間部医師は、「中学生の感染率は5%。検査で見つかった生徒が除菌すれば、胃や十二指腸の潰瘍になるリスクがほぼなくなり、胃がんもほぼ確実に予防できる」としています。

 具体的に数字を見てみると、ピロリ菌を除去してなかった時代には、胃潰瘍で65%、十二指腸潰瘍では80%以上が1年以内に再発していましたが、ピロリ 菌除去を行うようになってから、年間再発率は2%から3%に激減していて、十二指腸潰瘍、これはこの10年から20年のうちに、日本からなくなると予測さ れています。そのくらい原因をなくすことは、効果を発揮しているのです。

 胃がんでいえば、ピロリ菌除菌は胃がんの再発率を60%に抑えるものの、100%ではありません。これは、高齢になって除菌しても、抑制率は20%から 30%にとどまっています。これは、感染期間が長期にわたると、その間に生じている胃炎から、胃がんが生じている可能性が指摘をされており、中学生、高校 生など、早期に除菌をすれば、ほぼ100%胃がんにならないことが明らかになっています。

 日本癌学会は、講演の中で、「我々は今、10歳代のうちにピロリ菌検査を受けることを提案しています。若いうちに除菌しておけば、胃がんだけでなく、胃潰瘍、ポリープなどの胃の病気を、将来にわたってほとんど予防できるからです」としています。

 また、この日本癌学会の別の講演の中では、東邦大学名誉教授の三木医師は、「胃がんを防御するにはピロリ菌を除去することに尽きる」とし、また、 「2005年にノーベル賞を受賞したロビン・ウォレンと、バリー・マーシャル博士の功績によって、胃がんの発生は、ほぼピロリ菌感染者のみということが判 明している。特に、20歳代、30歳代でピロリ菌を除去すると、胃がんは99%予防できる」としています。

 日本臨床内科医学会では、日本の胃がんの95%がピロリ菌感染由来で、バリウム検診のみの対策では非科学的、そして、国立がん研究センターの濱島医師は、胃がんの主なリスク要因としてピロリ菌感染を指摘しています。

 また、兵庫医科大学の奥田医師は、愛知医科大学、北海道大学の医師と共同で、「胃がん予防を目的とした中学生ピロリ菌検診と除菌治療」というタイトルで 発表を行ってますが、「胃がん予防を目的とした場合、中学生、もしくは、より若年度の除菌を行う必要があることが示唆された」としています。

 また、東京医科大学の草野医師は、「除菌による効果があるわけですから、できるだけ若いうちに除菌することが望ましいと考えられています。」こんなふうな発言が相次いでいます。

 さて、こういう指摘がなされる中、自治体においても取り組みが始まっています。
 岡山県の真庭市が、2013年8月に初めて若い世代への取り組みを行ってから、10代のうちにピロリ菌検査に取り組む自治体がふえています。

 京都府では、高校生を対象にモデル事業を始めました。また、市町村が行うピロリ菌検査の補助金制度を新設したところです。北海道では14市町、秋田県の 由利本荘市、にかほ市、大阪府では高槻市が取り組んでいます。厚生労働省の調査では、ピロリ菌の検査を行っている自治体は、全国で6%から7%、約100 自治体前後だと思いますけれども、あるそうです。

 そこで、改めて質問します。中学生を対象にピロリ菌の無料検査を実施し、成人対象にも費用の助成で健康増進につなげるよう求めますが、いかがでしょうか。

 次に、名誉市民条例の活用について質問します。
 市政70周年に向けて活用してはどうかと、以前質問しました。それは、条例制定から一度も利用されず、検討する場すら開かれていないということを指摘を して、市政施行の周年を利用しての活用、少なくとも、定期的に選考する場を設けて検討することが、適切ではないかというものでした。

 そのときの答弁ではよい返事をいただけませんでしたので、前回の質問を踏まえて、再度この条例を活用を求め質問したいと思います。

 まず、この条例を活用する気はあるのか。名誉市民に対する市の見解をお聞かせください。
 また、ほかの表彰制度との違いは何があるのか。できれば、現在の表彰制度にどのようなものがあり、どういった過程を経て選考されているのかお聞かせください。

 今回求めたいことは、定期的に対象者がいないか検討すべきということですが、この点での市の考えもあわせてお聞かせいただきたいと思います。

 さて、次に、名誉市民とは少々趣を異にしますが、親善大使の制度を設けて、芦屋市の発展のために貢献していただくというのはいかがでしょうか。市の職員の中からもこのアイデアが出され、却下されていました。ですが、私はよい考えだと思います。

 その提案によれば、知名度のある芦屋市であるが、まだまだアピールすることで、その知名度をさらに高めることができるのではないかとして、芦屋市にゆか りのある著名人、芦屋市在住の著名人に、芦屋市の親善大使になってもらう、名ばかりではなく、実際に芦屋親善大使用の名刺を渡したり、広報番組に出ても らったり、そのほか、芦屋市でのイベントにも参加してもらい、芦屋市のブランドを高めてもらうというような提起がありました。

 この親善大使の制度を活用している自治体もありますから、それを参考にしながら検討することを求めたいと思います。市の見解はいかがでしょうか。
 以上、1回目の質問を終わります。

○議長(畑中俊彦君) 答弁を求めます。
 山中市長。

◎市長(山中健君) =登壇=中島健一議員の御質問にお答えいたします。
 初めに、検査助成等の拡大につきましては、本市の胃がん検診では、国が定めるがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針、いわゆるがん検診指針に基づき、35歳以上の市民の方を対象に胃X線検査を実施しております。

 現在、国のがん検診のあり方に関する検討会において、検診方法等の検証を含む指針の見直しが行われているところではありますが、ピロリ菌検査につきましては、現在のところ指針には位置づけられておりませんので、市として検査費用の助成や無料化は考えておりません。

 しかしながら、ピロリ菌と胃がんとの因果関係から、近年、若い時期に検査を行い除菌するという方法が、胃がん対策として有効との見解もあり、中学生を対象に検査を実施している自治体があることは承知しておりますので、今後、国や県の動向を注視してまいります。

 次に、名誉市民条例の活用につきましては、市民または市に縁故の深い方で、公共の福祉の増進や、学術、技芸の進歩に寄与されるなど、広く社会文化の交流 に貢献され、市民の方々から深い尊敬を受ける方に対して名誉市民の称号を贈るもので、ふさわしい方がおられましたら、市議会にもお諮りしてまいります。

 本市の表彰制度としては、条例に基づくものとして名誉市民が、規則で定めるものとして市民文化賞が、また、要綱では善行賞、市長特別賞などがございま す。市民文化賞と善行賞では、それぞれの目的に沿って選考し、市長特別賞は、市民文化賞や善行賞以外で市政の発展や、名誉の高揚に貢献された方を対象に選 考しております。

 名誉市民の定期的な選考までは、現在のところ考えておりませんが、今後その手続等について、他市の例も参考にしながら検討してまいります。

 親善大使につきましては、他市では、市のイメージアップや観光振興を図ることを目的に就任していただいていることは承知しておりますので、本市におきましても、ふさわしい方を検討してまいります。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 検診充実の観点から、検査助成等の拡大をということで、中学生を対処にピロリ菌の無料検査を、成人対象にも費用の助成で、健康増進に向けて市としても取り組んだらどうかという質問をさせていただきました。

 現在、国の指針に沿って芦屋市は行っていると。有効との見解もあるけれども、国・県の動向を注視していくということですから、現在のところは取り組まないということなんですかね。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) 現在のところは、議員のおっしゃるように、取り組まないということでございます。注視をしていきたいと思っております。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) でも、目指す方向性は一緒だと思うので、質問を続けていきたいと思うんですけれども、現状認識とその方向性を、大枠からちょっと確認をしていきたいと思いますが、現在芦屋市の医療費は増加しているということでよろしいでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) そうですね、増加していると認識しております。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) この医療費が市の持ち出しでどんどんふえているんですけれども、これは抑制していきたいということでよろしいでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) 抑制したいとは思っております。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) なおかつ、抑制しながら市民の健康のことを考えたら、早期発見と予防が重要だということでも、これは市の考え方としてはよろしいでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) そうでございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) それでは、具体的に質問を進めていきたいと思うんですけれども、私の目指す方向性と、市が求める方向性は大体一緒だと思うので、 詰めて話をしていけば、早期に実施をしなければいけないんじゃないかなという考えに至ってくれるのではないかと思っているんですけれども、芦屋市が行って いる胃がんの検診、受診率は具体的には今どのくらいになっていますでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) 胃がんの受診率でございますが、平成23年度実績で2.5%、平成24年度は3.3%、平成25年度は3.7%、平成26年度は3.9%でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 市内での死亡者数の推移を見てみますと、肺がんに次いで、胃がんで亡くなる方が多いんですよね。
 ところが、この胃がん検診を受けていらっしゃる方の受診率は、大変少ない数だと思うんですけれども、この点はどう見ていらっしゃるんですか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) 現在市のほうで実施しております胃がん検診につきましては、先ほど申しましたように4%前後で、少しずつ上がっておりますが、アンケート調査によりますと、30%程度の方が胃がんの検査はされているという形でございます。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) アンケート調査というのは、会社勤めの人とかも含まれている数ですよね。それは、職場とかで定期健診がありますから、受けられている人は多いと思うんです。

 でも、実際市が責任を持たないといけないのは、中小零細企業で検診がない人、国民健康保険に入っている人、そういう人たちを対象に進めていかないといけ ないんですね。検診の数値というのは、今述べられましたように、大変少ない数なんですよね。平成23年度が2.5%、平成24年度は3.3%、平成25年 度は3.7%しかないんですよ。この数値を、例えば平成24年度で見てみますと、兵庫県内では41市町村がありますけれども、この3.3%という数字は、 県下で下から2番目の数字だというのは把握しているんでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) はい。県平均では7%でございますので、県下の中でも低い数字というのは認識しております。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 県下の中で下から2番目の芦屋市のこの検診率、どのようにしていこうと芦屋市は考えていらっしゃるのでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) 検診につきましては、特定健診などで一緒に受診ができるようにとかの啓発であるとかの啓発に、今努めているところでご ざいます。それと、保健センターで実施できる人数につきましても、受け入れをふやすような形で取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 芦屋市は、この検診率の目標をどこまでもっていくかといったら、50%を目標としていますよね。これは間違いないですか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) がん検診につきましては、50%、この50%につきましては、先ほどありましたように、全市民の方という形でございます。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 中学生にピロリ菌除菌の助成をしている自治体が幾つかあるというふうに紹介しましたが、そこでの検診率というのは、例えば由利本 荘市では97.4%、にかほ市では95.7%、高槻市では97%という数になっているんですね。検診率という点で見れば、中学生とかに検診を求めていくほ うが、高い数値がとれるということはおわかりいただけますでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) 取り組みとしては、多くの場合をふやすことによって高くなるとは認識しております。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 質問の中での指摘を繰り返していきますけれども、胃がんの99%がこのピロリ菌感染がベースにあるということなんですよ。このピ ロリ菌を、どう早期に排除していくかということが問題になっているんですね。このピロリ菌を若い世代で除去することによって、胃がんは99%予防できる と、専門家の方はおっしゃっているんです。だからこそ、国も今検討し始めているし、ほかの自治体でも早期に取り組もうということになっているんですね。

 日本癌学会での講演の中身なんですけれども、先ほども指摘しましたが、「我々は今、10歳代のうちにピロリ菌の検査を受けることを提案しています」と。 「若いうちに除菌をしておけば、胃がんだけでなく、胃潰瘍、ポリープなど、胃の病気を将来にわたってほとんど予防できるからです」と。

 大人になってからで、検診率はこんなに低い状況なんですよ。原因がわかっているなら、早い時期に予防という観点から取り組むのが適切だと思うんですけれども、それはいかがですか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) 受診率を引き上げるとか、早期にやるということはすごく有意義なことだと思っておりますが、先ほど市長からも御答弁さ せていただきましたように、今、国の中間報告などでも、まだ検討を引き続き行っていくという形になっておりますので、市が行うがん検診としては、国の動向 を見ていきたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 国は、慢性胃炎をピロリ菌を除去することに対して、健康保険を認めました。これは、ピロリ菌が原因であるということを、ほぼ認め ているんですよ。慢性胃炎は何で起きるかといったら、ピロリ菌が原因であることもはっきりしているんですよ。それで、慢性胃炎が起こることによって、胃が んが発生するわけなんです。つまり、原因を除去することが大切だということは、国もわかり始めているけれども、変えていくのに時間がかかると。その国の動 向を見ているんじゃなくて、芦屋市独自の判断でやっていくことが私は大切だと思うんですよ。

 今の胃がん検診制度というのは、バリウムを飲んでいますね。バリウムというのは、胃がんが発生してからでないとわからないんです。つまり、胃がんになっ てから、それをどうするかということでしょう。今回のは、胃がんになる前から予防していこうということなんですよ。市の施策に沿ってるじゃないですか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) 繰り返しになりますが、胃がん検診としては、国の動向を見ていきたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 何で国の動向、国の動向とばかり言っているのかよくわかりませんけれども、もう一つつけ加えて言うならば、ピロリ菌の検査という のは幾つか方法がありますけれども、尿検査にかかる費用は1人700円前後だそうです。バリウム検査は、1人当たり一万四、五千円かかるんですよどちらが 芦屋市の財政的負担にとって、効率的で効果的だと思われますか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) 金額で比較しますと確かにそうでございますが、国の中間報告でも、バリウムの検査ということも引き続きという形になっておりますので、やはり先ほどから申しますように、国の動向を見ていきたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) バリウム、バリウムと国の動向を言ってらっしゃいますけれども、ちょっと原点に返って、ピロリ菌除菌の必要性については認めていらっしゃるんですか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) ピロリ菌を除菌することに対しては、有効な効果だと思っております。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) そうですよね。芦屋市の芦屋病院でも、ピロリ菌専門外来を設けて、胃がんはピロリ菌と深くかかわっているから、ピロリ菌にかかっている人は、除菌治療が推奨されていますというふうになっているんですね。

 芦屋市の抱えている市立芦屋病院では、胃がんを早期に予防し、治療していくためには、ピロリ菌除菌が必要ですよと言って、専門外来を設けてやってるんですよ。

 そういう事実が一方ではありながら、何で国の動向待ちということでバリウム検査にこだわるのか、私には理解できないんですけれども、もう一度お尋ねいたします。ピロリ菌除菌を早期に実施し、それに補助することは考えられませんか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) 確かに、芦屋病院でも実施しておることは承知しております。
 しかしながら、先ほどから繰り返し答弁させていただいておりますように、国の動向を見ながら検討をしていきたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 国の動向も大切だと思うんですけれども、市の実践も大切なのと違いますか。それに、実際にやっているところもたくさんあるんです よね。そういうところの事例も検討しながら、芦屋市にとってどうなのかということを考えていく必要があると思うんですよ。一番最初に私が確認しましたけれ ども、今のところは実施する考えはないということだったんですよね。

 でも、芦屋市の方向性としては、医療費を抑制したい。早期に発見して、健康増進に努めていきたい。つまり、胃がんになってからわかる検診をするんじゃな くて、胃がんになる前の予防施策を導入することが健康増進につながるし、医療費の抑制にもつながる。これは、芦屋市の考えている方向性に一致すると私は思 うんですけれども、そこで何で国のことにこだわるのかなというふうに思うところです。

 質問をちょっと変えまして、もう一つのほうの成人対象に費用の助成はどうなのかということなんですけれども、これについてはいかがですか。

○議長(畑中俊彦君) 三井こども・健康部長。

◎こども・健康部長(三井幸裕君) 成人のほうにつきましても、実施しておる市もございます。承知しておりますけれども、それにつきましても同じように、国の動向の中で注視をしていきたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 国の動向、国の動向って、国がやってないことでも、芦屋市が独自でやっていることはたくさんあるでしょう。プラスにして横出しとかね、上にのしてどんどんやってるじゃないですか。それは、芦屋市の自主的な判断があるからこそでしょう。

 それはさておいて、成人対象にやっていただきたいというのが何でかといったら、専門家の方がこんなふうにいろいろと言っているからなんですよ。

 例えば、臨床内科医学会の中では、先ほども言いましたけれども、「日本の胃がんの95%がピロリ菌感染由来で、バリウム検診のみの対策は非科学的だ」と言っているんですね。

 これは最近出た記事なんですけれども、「全ての人がバリウムを飲む胃がん検診は時代錯誤だ。現在バリウムを飲む専門医は皆無に等しい」、こんな専門医が皆無に等しいことを、芦屋市は推進しているんですか。

 これも、北海道大学の浅川医師なんですけれども、「私は、現在のバリウム検査が有効だと考えていません。50年近く、毎年胃がんで亡くなっている5万人 という数が変わらないからです。胃がんの99%がピロリ菌が原因の感染症だと明らかになった以上、我が国の胃がん対策を根底から変えなければならない。そ れが世界標準なのです」。だからこそ、今国が動きつつあるんですよ。そして、それを先取って、自治体が取り組んでるところもあるんですね。

 もう一つ事例というか、御紹介したいんですけれども、日本を代表する外科医の武藤さんという方がいらっしゃいました。がん研の有明病院の名誉院長さんな んですけれども、この方のお言葉をちょっと紹介したいんですが、「僕が外科医を引退する決意をしたのは、アメリカの腹腔鏡手術を見たときだ」と。つまり、 日本の開腹手術と腹腔鏡手術は次元が全く違っていた、自分の認識が間違っていた、それで、外科医を引退する決意をされたそうなんですね。

 そのときの言葉の中に、こういう言葉もあるんですよ。「胃がん検診も同じで、バリウムを飲むのは時代おくれだ」と。つまり、バリウム検査というのは、X 線画像のシルエットがあらわれるのを見て、がんを見つけ出す。ただし、これはある程度進行していないと、がんは見つけられないんですよ。つまり、見つかっ たときには手おくれというケースもあるんですね。だからこそ、がんの原因であるピロリ菌を早期に除去していく、そういう手法が今時代の流れになっているん です。

 バリウムは時代おくれだとか、非科学的とかいう言葉があるんですけれども、こういうお考えに触れて、ああそうだなと思うことも何かありますか。

○議長(畑中俊彦君) 佐藤副市長。

◎副市長(佐藤徳治君) そうだなと思っております。
 市長から御答弁申し上げましたとおり、国の指針が書き変わるとか、あるいは見直しの機運が高まるとかということを注視しているのではなくて、国の今後 の……きょう、あすの動きですね、極端な話。あるいは、他の自治体の動きを見ながら、できるだけ議員さんがおっしゃってますように、自主性を見失わない程 度に判断をしたいと思っておりますが、今回の御質問に対して、この時点でお答えするには、今すぐこの補助、助成を設けることはできないということでござい ます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 今すぐできないというのは理解しました。
 じゃあ、これからきちんと、こういった私が指摘したことも含めて、検討していっていただけるということでよろしいでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 佐藤副市長。

◎副市長(佐藤徳治君) 検討はもちろんいたしますし、検査は、多分医師会加入のどこの医療機関でもできるんですが、除菌に関しましては、現在芦屋病院で のみできるようになっておりますので、そういった関係性のことも、今後関係団体と十分に協議をした上で、まずは検査費の助成から始めて、最終的な効果は、 議員がおっしゃっておられますように、除菌をしませんと意味がありませんから、除菌につながるような制度を模索しながら、国・県の動向を注視してまいると いうことでございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) わかりました。ぜひその方向性で進めていっていただきたいと思います。
 今、芦屋病院では、胃がんのリスク検診ということで、通称ABC検診をされています。このABC検診、費用が芦屋病院では4,500円ということなんで す。胃のバリウム検診だったら一万四、五千円ということで、これも3分の1なんですね。芦屋市が検診率50%を目標にしてますけれども、大体この50%を 達成しようと思ったら、2億円を超えるような費用が必要になってくるんですよ。

 これが、例えばリスク検診に対し市が補助する形になれば、それを3分の1以下に抑えられるんですね。なおかつ、胃がんを予防できる。ほかの病気も予防で きるということを考えれば、財政効果もあり、市民の健康のためにもなり、本当に一石二鳥、三鳥の効果を発生すると思いますので、ぜひとも早期に実現できる ように取り組んでいただきたいと思います。

 では次に、名誉市民条例の分を続けていきたいと思います。
 条例ができてからもう35年たつんですけれども、この間一度でも検討したことがあるんでしょうか、受賞者がいないかどうかということは。

○議長(畑中俊彦君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) こういった名誉市民条例にふさわしい方というのは、何かのときにこういった方がいるかなということではなくて、常にアンテナ を張って情報収集をしていくものだと考えております。そういった意味では、過去に、具体的なお名前はわからないんですけれども、そういうお話もあったんだ ということは聞いたことはございます。

 ですので、検討というのがどの程度のことをおっしゃるのかわかりませんけれども、常日ごろから、いろいろなほかの賞もございますけれども、そういった形で発掘といいますか、情報収集といいますか、そういったことはしてきているところでございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 常日ごろアンテナを張っていることは、いいことだと思います。
 でも、あそこにこんな人がいるらしいな、こうらしいねというふうな、立ち話程度で終わってしまってはいけないと思うんですね。例えばきちんとした会議の検討の場を設けて、その俎上にのせて、皆さんでふさわしいかどうかを検討する、これが私は必要だと思うんです。

 この名誉市民条例ができてきた経緯を見ますと、当時の助役がこのように言ってるんです。「市民文化賞は、どちらかといえば、地域的な活動に対する功績に 対するもので、名誉市民のほうは、全国的に広い範囲にわたり社会・文化・芸術・学芸の振興に貢献した者で、市民が郷土の誇りとして尊敬するに値する人に贈 るものです」と。

 ところが、最近の市民文化賞を見てみますと、ことし受賞されたフィリップ・ビゴさん。市域的な活動にとどまらず、日本全国にフランスパンのよさを広め て、なおかつ祖国のフランスからも勲章を贈られる、世界的に著名な方ですよね。そのほかにも、コシノヒロコさんや、堀江謙一さんや、市民文化賞にとどまら ない人が市民文化賞を受賞されているのではないかなと私は思います。

 なぜこうなっているかといったら、名誉市民を検討する場がないから、俎上にのらなくて、実際毎年毎年検討されている市民文化賞の対象として表彰されてし まったのではないかと、私は推測するところなのです。だからこそ、5年ぐらいの単位で……今から5年後といえば、市政80周年を迎えますから、それに向け てきちんとした検討の場を設けて、該当者がいないなら、いないでいいじゃないですか、「該当者なし」で。きちんとした選考の場を設けることが必要だと思う のですが、もう一度お伺いしたいと思います。

○議長(畑中俊彦君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) 定期的なという意味合いが、議員と私どもが言葉的に受け取ってる時間的感覚が、多分違うのかもしれないのですけれども、例え ば、そういったふさわしい方がおられた場合、自然発生的にお名前が出てくるかと思います。その際に慌てなくていいように、いわゆる選考の場、会議体です か、そういったものについてはどういうものがいいか、そういうところは検討しようと思いますし、その中で、具体的なこういう基準といいますか、こういう方 かなというお話し合いなんかは、しておくべきかなというふうには思っております。
 会は設置をしようと。ただ、開催については、具体的なお名前が挙がってからということでございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) その具体的なお名前が挙がってからというのは、誰が名前を挙げてくるんですか。検討の場があるからこそ、こういう人がいますよというふうに挙がってくるのではないでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) 先ほどから申し上げておりますように、やはり自然発生的にそういうお名前が挙がると思います。35年というところも非常にハードルが高くなってきているところがありますので、その辺は慎重に選考をしていく必要があるかなとは思います。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 自然発生的にというのが、私にはよくわからないんですよね。どういうことなのかな、自然発生的というのは。自然発生的であって も、検討の場は設けられるわけなんでしょう。その検討の場というのを定期的に、例えば周年、5年ごととかにやっていったらいいのではないかというのが私の 趣旨なんですよ。

 これは名誉市民を持っている小金井市の選考委員会の中の議事録なんですけれども、この中で、「市政50周年で、名誉市民がゼロ人というのも寂しい」とい うような意見もあるんですね。芦屋市で言えば、もう70周年ですから、名誉市民の方が1人、2人いてもおかしくはないと思うんですよ。

 この小金井市では、基本的には5周年ごとに整理をして、委員会を開催し、名誉市民に当たる人がいるかどうかを皆さんで検討しているところなんですね。こ ういう場があればこそ、自然発生的に名前が挙がってきたものが、俎上にのって検討されるというふうに私は思うんです。だからこそ、周年という節目を使っ て、この名誉市民条例に該当する人がいないかどうかを検討したらどうかなということを言っているわけなんですけれども、それすらも難しいんですかね。

○議長(畑中俊彦君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) そういったタイミングも、一つのタイミングだとは思いますので、そのこと自体、周年事業を目指してというところを否定するも のではございませんが、いろいろな事象の中で、この方は名誉市民にふさわしいんじゃないかとお名前が挙がってくることはあると思いますので、そういった会 議体の設置要綱とか基準というものは、他市を参考に、まずは準備をさせていただく。実際に開いて具体的な検討をするときには、周年事業というタイミングも ありますし、あるいは、自然発生的に挙がってくる場合もありますので、その辺に備えておくということでございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) それに備えておくという観点から言えば、選考に関する基準の整備も必要になってくるかと思います。この基準については、今現在何かお持ちなんですか。

○議長(畑中俊彦君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) 先ほど市長から御答弁申し上げました条例に規定してあるといいますか、こういう方というふうな形のものしか現在のところはご ざいませんので、それをもとにした具体的な基準のものは、他市を参考に、実際には選考委員会などで決めていっていただくものだと思いますけれども、たたき 台的なものは準備しておこうと考えております。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 選考基準もなし、その選考基準を決めるのは委員会的なものだと言ってますけれども、その委員会すらも自然発生的な声が上がってこなければつくらないということであれば、いつになってもつくられないわけなんですよ。

 選考員会をするかどうかは別にして、選考に関する基準というのは、やはり事前に、ある程度明らかにしておく必要があると思います。

 なぜならば、条例に明記されてあるだけでは、それこそ曖昧模糊で、わからないと思いますよ。実際、この条例が提起されたときには、市民文化賞は地域的な 活動に対する功績に対するもので、市民名誉のほうはそうじゃない、全国的に広くわたってやっている人なんですよというふうに言っているにもかかわらず、実 際そうなっていないという経緯があるからこそ、私は懸念をして、基準の整備を早期にしたらどうかということも言っているんですけれども。
 基準については整備はしていっていただけるんですかね。

○議長(畑中俊彦君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) そのことも含めて、市長からは「手続」という言葉で御答弁申し上げました。手続というのは、会議体の設置に向けた準備、それから基準というものの準備というところでございます。

 ですので、議員がおっしゃるように基準をつくらないとか、会議体をつくらないということを申し上げているんじゃなくて、逆にそういうものはつくっておくということで申し上げているものでございます。
 言い方が悪くて申しわけございません。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) 理解が悪くて済みません。ようやく理解できました。
 じゃあ、この周年を目指して、5年間の間にはそういう形がつくられていくということでよろしいんでしょうか。

○議長(畑中俊彦君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) そういうことでございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) ありがとうございます。
 最後に、親善大使の件なんですけれども、具体的に何か市のほうはお考えをお持ちなんでしょうかね。検討はしていくみたいなことを言われてましたけれども。

○議長(畑中俊彦君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) 親善大使とか観光大使とか応援団とか、各市でもそういった方を任命といいますか、選ばれているところは多々ございます。それ ぞれのされている目的とか、やっていただいている役割というのは、それぞれの自治体によって違うところでございますので、議員がおっしゃる親善大使という もののイメージと、こちらが捉えている捉え方というのが合っているかどうかわかりませんが、やはりなっていただく限りは、それなりの役割をしていただく必 要がありますし、芦屋市というものに対してのイメージについて等のふさわしい方ということ。

 それは、何のために親善大使というものになっていいただくかということにもかかわってきますので、そういった意味では、親善大使は市をPRするための一 つの選択肢とは考えておりますが、親善大使そのものを任命することを目的とすることがないようにはしたいと思いますので、そういった意味でふさわしい方が おられたらということでございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆14番(中島健一君) よりよい芦屋市の発展のために、いいものがあったらぜひ取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。

○議長(畑中俊彦君) 以上で、中島健一議員の一般質問を終了いたします。


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