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2013年(平25) 9月 一般質問



○副議長(中島かおり君) 次に、芦屋らしさの発信について、本件について中島健一議員の発言をお許しいたします。
 本質問は一問一答方式により行われます。
 15番、中島健一議員。

◆15番(中島健一君) =登壇=通告に沿って一般質問を行います。
 今回は、芦屋を発信する際に、「芦屋らしさ」という言葉をよく使いますが、その「芦屋らしさ」とは何か、そのあたりについて、市の見解をただしていきながら、今月発行されました市民便利帳について見直しを求める質問をしたいと思います。

 さて、皆さんも御存じと思いますが、新しい市民便利帳が発行されました。これを見て、皆さんはどうお感じになったでしょうか。

 私は、正直驚きました。それは、芦屋らしさをみずから率先し、発信していかなければならない市が、その立場をかなぐり捨てたものだと感じたからです。

 受け取り方、感性にもいろいろあるのは承知していますが、今回の市民便利帳は、一線を越えたものとして私は捉えています。今回の市民便利帳について、作成に至る経緯経過、どうして今回のような発行になったのかをまず教えていただきたいと思います。

 そもそも「芦屋らしさ」とは一体どんなものなのでしょうか。何気によく使っている言葉ですが、それは漠然としています。少しその言葉を探ってみました。

 昨年、「芦屋らしさ」の言葉が新聞記事に載りました。一つは芦屋川流域を市の文化財に指定することを報道した記事です。その記事はこうなっています。 「芦屋市は、緑豊かな眺望が広がる芦屋川流域を、4月1日付で市の文化財に指定する。文化財は建造物や美術品などが一般的で、『景観』を指定するのは兵庫 県内の自治体で初めて。一帯には、六甲山を背に歴史的建築や落ち着い邸宅が建ち並ぶ“芦屋らしさ”があふれる。市は『文化財指定で市民により誇りを持って ほしい』と新たな手法で街のブランド力を高める狙いだ。」

 そして、もう一つは、芦屋病院のリニューアルオープンを知らせる報道でも、「芦屋らしさ」というのが載りました。こう報道されています。「六麓荘などの 高級住宅地のある街として知られる兵庫県芦屋市で、市立芦屋病院の新病棟が完成し、15日、リニューアルオープンした。落ち着いた調度品で統一した豪華特 別室7室を含めて病床の約64%を個室とし、プライバシーを確保。富裕層の多い芦屋らしさに配慮し、公立病院としては異例の方向性を打ち出した。」という ものです。

 この二つの記事を見ていますと、六甲山を背に、歴史的建築や落ちついた邸宅が建ち並ぶ「芦屋らしさ」、富裕層の多い「芦屋らしさ」、こういうふうに記事 にはなっていますが、これだけではぴんときません。しかし、「芦屋らしさ」には芦屋ブランド、ハイソなイメージに通じるものがあるようです。

 芦屋青年会議所の昨年度の理事長が所信挨拶の中でこのように述べています。「この文化的なまちの発展と自然、歴史、住環境の地域性を踏まえた芦屋らしさ を失わず、個性豊かな魅力あるまちづくりを目指して」と芦屋らしさに触れていますし、芦屋川に魚を増やそう会の山田さんは、「芦屋の自然を守り育てること こそ芦屋らしさをアピールすることだ」と主張しています。

 つまり、歴史、文化、住環境、自然、その他多方面にわたって「芦屋らしさ」が言われているところです。

 市は、平成20年に市民の意識や関心等を調査、分析し、今後の施策遂行の基礎資料とするためアンケートを行いました。
 その調査の中で、できれば市外へ移転したいと思ってる人の理由に、「芦屋らしさがなくなった」というものがあります。そう答えた人は、平均で8.5%の割合ですが、年齢別に見てみると、70歳から79歳の方では21.4%、80歳以上では33.3%にも上っています。

 つまり、長く芦屋を見ている人は、「芦屋らしさ」がなくなってきてると感じているのです。なくなったと感じられたものが何なのか、そこまではこの調査からわからないのが残念なのですが、しかし、そんな中でも芦屋の魅力はまだまだ大きいものがあります。

 芦屋市商業活性化対策協議会が昨年度、芦屋ブランド調査研究事業の報告書を出しました。その中で、「芦屋に魅力を感じますか」との設問があり、74%の人が感じると答えているのです。

 では、芦屋市としては、この「芦屋らしさ」をどう認識しているのでしょうか。市の会議録や刊行物などを少し見てみましたが、芦屋市総合計画、都市計画マ スタープランをはじめとしたさまざまな計画や指針などに使われていて、ここでは紹介を省きますが、まさにいろんな場面で「芦屋らしさ」という言葉が使われ ています。

 しかし、この「芦屋らしさ」とは何ぞやに該当するものを私は見つけることができませんでした。
 市民参画・協働推進の指針を策定した際に、市長はこのように巻頭挨拶をしています。「震災からの復興過程では市民と行政が一丸となって、山や川・海に囲 まれた緑豊かな優れた住環境の再生、市民による芸術・文化活動の復活、そして魅力的で個性豊かなライフスタイルである『芦屋らしさ』の新たな創造に取り組 んできました。そして今、これらは震災後の新たな芦屋の文化として育ちつつあります。」

 これを読んで、「芦屋らしさ」には新しいものと古いものがあると読み取れますし、この新しい「芦屋らしさ」が育ちつつあるというのです。私は余計に混乱 してしまうのですが、市として、芦屋の情報を発信するに当たって、「芦屋らしさ」をどう捉えているのか。そして、その捉えた見解に対して全ての業務は行わ れているのか、ここではお聞きしたいと思います。

 さて、市民便利帳に話を戻しますが、市民便利帳は市制施行70周年を記念して発行されたものですが、そのほぼ同じ内容の冊子は、「くらしのハンドブック」として以前より発行されていたものです。

 「くらしのハンドブック」そして「市民便利帳」と称するぐらいですから、これが1冊あれば芦屋で暮らすに当たってとても重宝するもので、市民からも利用 価値の高いものとして認知されています。また、市も芦屋市に転入してくる新住民には、この冊子を配布し、市の制度なども紹介しているところです。

 行政改革の流れもあり、市民便利帳が発行された際には広告を取るなどの新しい取り組みが行われていますが、これはこれで理解もできるところです。しか し、今回のように、市民便利帳が附属品のように扱われ、タウンページの中に市民便利帳があり、それも、ぱっと見ではわかりにくく、巻末にあって、背表紙に も便利帳の記載はない。何でこうなったというのが正直な感想です。

 市民には、9月末までに順次配布されるようです。また、芦屋市に転入してきた新住民には、これを渡すことになるのでしょう。ですが、どこに「芦屋らしさ」があるのでしょうか。
 誇りを持ちながら芦屋市に住んでいる住民、また、胸を躍らせてこれから転入してくるかもしれない新市民が受けとった瞬間に面食らう、そんな光景が目に浮かびます。

 私は、タウンページをとやかく言うものではありません。あくまでも市の姿勢について指摘をしているものです。また、便利帳の体裁ぐらい大げさに扱うなと 思われる人もいるかもしれませんが、しかし、「芦屋らしさ」、この漠然とした言葉から受けるイメージがあるがゆえにメリットを享受しているのも芦屋なんで す。

 そして、「芦屋らしさ」をつくり、育むのには長い年月と時間がかかりますが、壊すのはいとも簡単であっと言う間です。今回の件が、それこそ大げさに言えば「芦屋らしさ」の崩壊につながる蟻の一穴になるかもしれません。

 市民は、「芦屋らしさ」というものにそれなりに誇りを持っています。市内業者も「芦屋らしさ」についてブランドイメージを大切にしようとしています。大 切にするだけでなく、「芦屋らしさ」を、市民は市民なりに、企業は企業なりに、守り、はぐくみ、そして新たに考え、つくり出す努力もしています。それは、 市民は住んでるまちに誇りを持ち、企業は収益にかかわる事柄だからです。そして、市にとっても、新しい住民を呼び込むためにも大切なものではないのでしょ うか。

 ところが、「芦屋らしさ」の維持と育成の中心になるべき芦屋市が、そして、その情報発信を担うべき担当課が芦屋市の顔とも言うべき市民便利帳を今回のよ うな形で発行するということは大変残念でなりません。「芦屋らしさ」を守り育んでいく先鋒であり、精鋭部隊という認識をもっと強く持つべきではないので しょうか。

 今回の市民便利帳、今後も同じような形式で発行していくのか、見直すべきではないのでしょうか。また、今回の市民便利帳が市の見解に沿って妥当なものなのかお答えいただきたいと思います。
 以上、1回目の質問を終わります。

○副議長(中島かおり君) 山中市長。

◎市長(山中健君) =登壇=中島健一議員の御質問にお答えいたします。
 初めに、今回発行した市民便利帳をNTTタウンページとの合冊版で発行した経緯経過につきましては、前回は平成22年度に芦屋市制施行70周年記念事業 としてNTTタウンページとの官民共同事業で発行いたしましたが、その後も市民の方々から継続した発行の御要望をいただいておりました。

 平成22年度に発行した市民便利帳は、印刷製本費を広告収入で賄い、全戸配布に要する経費のみを市が負担する方法としておりましたので、全ての経費を市 が負担せずに発行できる方法を検討しておりました際に、NTTタウンページから経費面と市の意向に沿った発行が可能であるとの御提案をいただきました。

 NTTタウンページとの合冊版が全国的にふえつつある状況や、神戸市においても昨年10月に同様の形式で発行していることに加えて、毎年の更新・発行が 可能であり、かつ、その際の印刷製本費、全戸配布に要する経費も全て広告収入で賄えることが確認できましたので、今後はNTTタウンページとの合冊版とし て毎年発行させていただくこととしたものでございます。

 今回発行した市民便利帳に「芦屋らしさ」がないとの御指摘につきましては、市民便利帳の発行に当たり、最も重要なことは新しい情報を市民の皆様にお届けすることにあると考えております。

 他市と同様な内容等から独自性に欠ける面もありますが、費用対効果を考えますと、新しい取り組みであると評価しているところです。

 合冊版の市民便利帳に対する評価はさまざまあると思います。前回と同様に、市民便利帳を単体で発行させていただくかどうかにつきましては、9月5日から3週間余りの期間で全戸配布いたしますので、市民の皆様からの御意見を参考にしてまいります。

 また、きめ細やかな情報を市民の皆様に提供することが「芦屋らしさ」の発信であると認識しております。 具体的な取り組みとしましては、広報紙の月2回発行に加え、臨時号も計画的に発行しております。

 また、CATVによる広報番組の制作やインターネットやモバイル環境の整っていない方々に向けて、本年4月からはサンテレビにおいてまちナビを開始しておりますし、イベント情報等は庁舎地下通路に情報提供するなど、きめ細やかな行政情報を提供しているところです。
 今後も、市民の皆様に芦屋らしさが実感でき、身近に感じる情報の発信に努めてまいります。

○副議長(中島かおり君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) これが70周年のときに作られた市民便利帳ですよね、(現物を示す)単体で広告収入を取りながら新しい形でつくられたと。
 これ以前にもハンドブックという形でずっとつくられてました。
 ただ、毎年という形ではなくて、長いスパンがあいてましたけども、こういうのは確かにあったと思います。

 今回、タウンページという形でつくられたんですけども、市長、これ、どう思われますか。私は見て、本当にショックを受けたんですよ。
 やはり、タウンページという形でなくて、単体で発行するべきだと思うんです。市長がそれで「はい」と言ってくれたら、私は質問をここで終わるんですけども、再度伺います。

 これ見て、「芦屋らしさ」があると言ったら−−こちらに「芦屋らしさ」があるのかと言ったら難しいのかもわかりませんけど、比べてみたら、やっぱり単体で発行するのがいいん違いますか。
 市民の方、これもらって本当に驚くと思うんですよ、いかがですか。

○副議長(中島かおり君) 山中市長。

◎市長(山中健君) まだ配布して、そう日にちがたってるわけではありませんが、私のところには、タウンページと市民便利帳が1冊になって非常に便利になったという声も聞いておりますので、ものの取り方かなと思います。

○副議長(中島かおり君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) ものの取り方があるというのは確かにそう思います。私も1回目の質問で捉え方、たくさんあるかと思いました。
 ただ、芦屋市として、「芦屋らしさ」というのがどういうものなのかというのは、市長の答弁の中では、私はもう一つよくわからなかったんですよね。

 私も「芦屋らしさ」というのはどういうものなのかというのを自分なりに調べたんですけども、言葉で定義するのはなかなか難しいのかなと。ただ、「芦屋ら しさ」のないものというのは、わかりやすいかなと思うんです。今回のこのタウンページは、私は「芦屋らしさ」にちょっと欠けてると思うところなんです。

 便利だというふうに言われる方がいる反面、これを「芦屋らしさ」がない、何で芦屋だったらもっと今までのようにこういう単体でつくらないのかという意見の人も、私も含めています。そこは十分くみ取っていただきたいと思うんです。

 「芦屋らしさ」は、やっぱり芦屋ブランド、芦屋の魅力の発信、ここにつながっていくものだと私は思っています。
 市長が、この芦屋ブランドとはということについて、ホームページでいろいろメッセージ出してますよね。メッセージの中でこんなことを紹介してます。これ は平成16年ですけども、コシノヒロコ展が開かれたときに、市長はこういうふうにおっしゃってます。「『芦屋には東京にも負けない文化があります。そして ニューヨークやパリにも負けない文化をこの芦屋から発信したい』(中略)そうだ!それだけ芦屋という名前は広く知れ渡っているのだ。これはいくらお金を出 してもできない『芦屋ブランド』なんだ、と意を強く致しました。みどり濃い町並み、ゴミのない美しい町、文化のかおり高くまちも人もどことなく品性が漂 う、この『芦屋らしさ』がまさしく先人達が営々として築いてこられた『芦屋ブランド』です。世の中には、改革、改革といって変えることが善という風潮があ ります。(私も行政改革真っ只中で耳の痛い話ではありますが)」という括弧書きがあって、「それでもこのように後世にまで絶対守り続けていかなければなら ないものもいっぱいあることを考えさせられました。」というふうに言われてるんですけども、市長、私はこれを守っていくべきだと思うんですけども。

 タウンページが悪いとは言いませんよ。でも、新しく市民になられる方がこれ見てびっくり仰天すると思うんですよ。もう一度、再度聞きます。市長、単体に戻されませんか。

○副議長(中島かおり君) 山中市長。

◎市長(山中健君) ものの取り方だと思うんですが、びっくりする方はおられないと思うんですけども。確かに1冊で便利になったという方もおられると思いますし、単体で1冊としてあるほうがいいと言われる方もおられると思いますが。

 経費が今回はゼロという大きな目的もありますので、そういういろいろ工夫しながらやっておるところでございますので、その辺も御理解をいただきたいと思います。

○副議長(中島かおり君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) 工夫しながらやっていくということで、できたら見直すということを言ってもらえたら、もうここでやめたんですけど、もう少し議論をしていきたい、質疑をしていきたいと思います。

 「芦屋らしさ」というのは、やはり、先ほども言いましたけども、なかなか定義がしにくいけれども、確かに「芦屋らしさ」というものがあると思うんです。
 その「芦屋らしさ」をどんなふうに捉えて、芦屋市として発信していくか、ここが大切な要素だと思うんですね。

 この「芦屋らしさ」というのを私なりにいろいろ調べてみたんですけども、過大評価というか、いいイメージを持たれてる人が結構たくさんいらっしゃるんですよ。

 「兵庫県の芦屋市にどのようなイメージを持っていますか」という質問の投げかけで、これはインターネットの中にあったんですけども、「芦屋市内の個人向 け住宅は全て大邸宅と映ります」とか、あるいは、「芦屋で検索する、芦屋市を調べる前には、市内にパチンコ店やコンビニが皆無で、海岸線はヨットハーバー が数珠つなぎが私のイメージでした」とか、「関西の場合、芦屋市は高級住宅地の代名詞としてずば抜けた存在で、単独で想起されるだけイメージが恵まれて る」とか、いいような表現がたくさんあるんですね。ほかにも、「マダムとかセレブって感じですよね」とか。あるいは業者の方に言わせれば、「お金持ちのま ちというイメージがある。芦屋夫人なる言葉もあるし、谷崎潤一郎の細雪に書かれたような大阪の御一族様たちがぜいを尽くしたハイソな世界を繰り広げている 昔ながらの高級住宅街」、こんなことが言われてるんですね。

 でも、このイメージは私たちが知らないだけで、日本にお住まいの多くの人はこういうイメージを持ってるんだと思うんです。そのイメージを壊さないようにしていくのが、私は芦屋市の「芦屋らしさ」の情報発信ではないかなと思うんですね。

 経費が安くなる、これは私も行政改革に取り組んでいかなければならない立場ですから、経費がかからないというのは大変いいことだと思うんですけども、で も、失ってはならないものがあるのではないかと思うんです。たとえ、経費がかかっても、「芦屋らしさ」を失わないような形でやっていく、その姿勢は必要だ と思うんですね。

 今回、端的に出てきたのはこれなんじゃないかなと思うんですよ。確かに市長は、これを評価している市民の声も聞くというふうにおっしゃってますけども、本当にこれでええんかというふうに、率直に思いますね。

 市としては、これから順次配布されていって、市民からどのような意見が返ってきたら、先ほど1回目の答弁でありましたけど、市民の意見を聞いて考えていくというような声がありましたが、どのぐらいの声が集まればこれを考え直すんですか。

○副議長(中島かおり君) 山中市長。

◎市長(山中健君) 今までずっと芦屋に対する国民の思いというのもおっしゃっておられましたけど、本当に芦屋というだけでどういうまちかを説明しなくてもいい、数少ないまちだと思います。
 どれぐらいの反響によってどうするのかということでございますが、反響の大きさにもあると思いますが、評価のほうが多いのではないかなという思いがしております。

○副議長(中島かおり君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) 確かに感覚的なところですから、いろんな意見はあると思うんですけども、あえて強く指摘したいんですけど、私はぜひ見直してほしいと思います。

 この「芦屋らしさ」にかかわって、都市住宅学の学者さんたちがいろいろ寄稿を寄せてる文書があるんですが、その中に、芦屋市の「芦屋らしさ」に触れて、 ああ、これは私も注意しなければいけないなと思うような文面があったので、ここでちょっと紹介させていただきたいんですけども。「従来の芦屋を特徴づけて きた」、例えば、私が紹介したこととか、市長が言われたこととか、こういった「要素が消滅してイメージだけが一人歩きし、気がついたときには、どこにでも ある普通の街になるのではないか。」と。新しい住民も、元から古く住んでる「住民ともに『芦屋らしさ』に何らかの価値を見出しているのであれば、それを今 後どのように継承・整備していくかを考えるべきであろう。」というふうにおっしゃってるんですね。私は本当にもっともだなと思うんです。

 漠然とした「芦屋らしさ」というものに頼っていてはいけない。もし、それを継承していくのであれば、行政おのずからが「芦屋らしさ」というものはどうい うものなのか、どういうものを発信していかなければいけないのかということを考える時期に私は来ているのではないかなと思います。その点については、いか がでしょうか。

○副議長(中島かおり君) 山中市長。

◎市長(山中健君) 「芦屋らしさ」を発信していく時期だということでございますが、まさに、それはし続けて、私、就任以来10年間、それはし続けていると認識しております。

 六麓荘町の、いわゆる豪邸条例ができたときでしょうか、新聞の1面に「パリ・京都・芦屋」という大きな見出しが出ましたけれども、まさにその辺の域まで 来てるのかなという気はいたしますので、これをぜひどこにでもあるまちというまちにしたくないというのは根本的に持っておりますので、ぜひいろんな御提案 をまたいただきたいと思いますし、市民の皆さんと一緒に、世界で一番美しくて安全なすばらしいまちにしていきたいと思っておりますので、御理解いただきた いと思います。

○副議長(中島かおり君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) そう思ってるのであれば、ぜひ考え直してください。
 今回、答弁の中でもありましたけども、広告収入で全部経費が賄えるということだったんですが、これまで行政として広告を載せる場合にはいろいろ広告にも 気を使ってたと思うんですね。こういう広告は行政としては載せてはいけないとか。今回の新しい、こちらの冊子については、それはどのようになってますで しょうか。

○副議長(中島かおり君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) 例えば、広報あしやとか、ホームページに載せる際の有料広告を取り扱う要綱、あるいは取り扱い基準というのを定めております。

 今回、こちらNTTさんのほうにお願いするときに、芦屋市にはこういうのがあるということと、あるいは、NTTさんのほうでも基準をつくられておられま して、それを見たところ、NTTさんの基準のほうが非常に、何て言うんですか、もっと厳しい基準でおられたということがありますので、そういった芦屋市で の基準というのはしっかりとクリアはされていると考えております。

○副議長(中島かおり君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) 今、紹介のあった「芦屋市有料広告の取扱いに関する要綱」ですね。この中で広告の範囲として第3条で、「広告を掲載することができる広告は、次の各号のいずれにも該当しないものとする。」というふうにあって、いろいろ書かれています。

 例えば、法令、条例に違反してるものとか、風俗営業等の規制とか、あるいは貸金業の規制等に関する法律の適用を受けるものとか、政治活動、宗教活動、意 見広告、または個人の宣伝に係るものと、これはいろいろ載ってるんですけども、今回のタウンページについては、これはクリアしてるということでよろしいで すか。

○副議長(中島かおり君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) そのように思っております。

○副議長(中島かおり君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) 例えば、私の認識違いだったらよろしいんですけど、第3号の貸金業の規制等に関する法律の項目がありますよね。タウンページには いろいろ貸金業のことも載ってますし、全部を見たわけじゃないんですけども、風俗営業等の広告も載ってたかにも思うんですけども、これは該当しないという ことですか。
 つまり、これに載ってる分は、芦屋市が発行する印刷物、市民便利帳にかかわらず、ほかの広告物でも載せることができるということなんですか。

○副議長(中島かおり君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) 巻末のほうの、芦屋市公共ガイドの中にそういったものがないということで判断しております。

○副議長(中島かおり君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) つまり、タウンページ、これ1冊になってますけれども、ここから市民便利帳になってますが、市民便利帳のここの中には載ってないというだけで、こっち側には載ってるわけでしょう。こっち側に。それ、よろしいんですか。

○副議長(中島かおり君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) タウンページと合冊でやる場合にはそのようなことも、業種によってはあるかと思います。

○副議長(中島かおり君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) 芦屋市有料広告の取り扱いに関する要綱では、そのような記載はないと思うんですけどね。
 本市が作成する、共同事業でも芦屋市としてかかわって作成してる、発行してるということになるんですよね。

 つまり、芦屋市では単独ではできない広告が、することができない業種がタウンページの中に載ってるのに、1冊に全部入ってるというわけでしょう。

 今回、芦屋市がお金を出さずにできるというのは、タウンページ側に利益があるからですよ。その利益といったら、芦屋市の市民便利帳、これを載せることによって広告にも目がいく、そういうことではないんですか。

 私はそういった点からも問題があると思うんですけども、見直しはできないんでしょうか。(「問題や」の声おこる)

○副議長(中島かおり君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) 確かにそういった御指摘はあるかと思いますが、今回は、例えば通常、タウンページは固定電話の契約者の方のところしか届かな いんですけども、全戸配布をお願いするということで固定電話の契約のないところにも配っていただくというような、市民のほうで見たメリットということも考 えてこのような形にさせていただきました。

 先ほど答弁申し上げましたように、そういった御批判をたくさんいただくようであれば、これは考えていく必要はあるかとは思っております。

○副議長(中島かおり君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) 批判があるどうのこうのというよりも、市が定めている要綱に反した形でこちらをつくってること自体、私は問題があると思うんです。
 そうは思われませんか。
 芦屋市は、市が単体でつくった場合に、広告を載せて経費を浮かす努力をしてますよね、これは認めます。

 ただ、この広告には行政として載せてはいけないよねという分野の業種があるわけなんですよ。ところが、タウンページにはいっぱい載ってるわけなんですね。
 これは、市としてお金が浮くとか、毎年発行できるとか、こういう理由があっても、やってはいけないことではないのかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

○副議長(中島かおり君) 米原企画部長。

◎企画部長(米原登己子君) 先ほど申し上げましたように、市民便利帳巻末特集のところにそのような広告が入っていないということを基準として考えております。

○副議長(中島かおり君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) おっしゃることはわかりますけども、市民はそう見てませんよ。1冊で出てくるんですから。
 確かに、市民便利帳は巻末特集ということで、巻末に載ってます。巻末に広告抜いてるところもあるし、入ってるところもあるし、全て見ましたけど、巻末、この中には載ってません。

 でも、タウンページとして載ってるこの中には、ほかのところには、市が載せませんよ、載せられませんよというのがたくさん載ってるんですよ。
 これはやはり大きな問題だと私は思いますし、その点からも見直しを求めていきたいと思うのですが、再度御答弁をお願いします。(「市長、出番ですよ」の声おこる)

○副議長(中島かおり君) 岡本副市長。

◎副市長(岡本威君) 今、中島(健)議員からそういう御指摘がございましたので、一度、行政内部でよく検討させていただきます。

○副議長(中島かおり君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) 最後に御答弁いただきましたので、検討をぜひお願いいたします。
 広告とか取っていくのは私はいいことだと思いますけれども、今回のような形で問題が出るようなのは、やはりやめていくべきだと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 最後に確認なんですけども、この問題があるものをこれから順次配っていくんでしょう。それはどうなのかなというふうに私個人的には思うんですよ。だって、芦屋市が推してるようなものでしょう。
 答弁はいいです、よくよく考えてください。
 以上で終わります。



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