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2011年(平23)12月 一般質問



○議長(畑中俊彦君) 直ちに日程に入ります。
 日程第1。昨日に引き続き、一般質問を続行いたします。
 初めに、市営住宅等ストック総合活用計画について、市内の歴史的価値ある物を芦屋PRに活用を、以上2件について、中島健一議員の発言をお許しいたします。
 15番、中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) =登壇=おはようございます。
 通告に沿って、一般質問を行います。
 今回は、市営住宅等ストック総合活用計画についてと、市内の歴史的価値ある物を芦屋PRに活用をの2点です。

 やれることはすぐやる。この姿勢は、市長の意思と担当所管の取り組みいかんだと常々思っています。前回質問で取り上げた芦屋市民憲章の掲示については、 その早さと実行においてすばらしいものがあり、高く評価するところです。しかし問題は、やれないかもしれないが継続的な検討と努力次第ではできるかもしれ ない、そんな課題です。市民のために行政と議会が知恵を出し合って、そういった課題も一つ一つ乗り越えていきたいと思うところです。

 さて、昨年の3月に、芦屋市営住宅等ストック総合活用計画が策定されました。この計画の背景としては、震災後、市営住宅等の管理戸数が急増し、住宅性能 面における新旧格差や高齢入居者の急増などの課題が生じたことからです。また、量的な不足から住宅政策はハードからソフトまで多様化したこと、住生活基本 法が制定され、政策の転換が図られつつあることが挙げられています。

 そして、目的としては、今後の市営住宅等の計画的な修繕、改善、建てかえなど、ストックの長寿命化による更新コストの削減と事務量の平準化を図ることと しています。この計画自体は、20年間を前期と後期に分け、現在、前期の事業が進められているところです。今定例会にも建てかえ事業の進捗状況等について 議論がなされたところですが、改めて今後の建てかえ計画はどのように進めていくのかについて、当局の考えをお聞かせください。

 建てかえをする際には、現在入居している人の対応にも配慮が必要になってきます。当局は使用料の特例を設けるなど、その点にも注意を払い、入居者に便宜 を図ろうとしていますが、こと滞納者についての対応はどう考えているのでしょうか。その点についてもお答えください。また、建てかえについては、今後も現 地での建てかえを優先していくのか、この点についてもあわせてお聞かせいただきたいと思います。

 次に2点目の、市内の歴史的価値ある物を芦屋PRに活用をについて質問します。

 芦屋シティグラフの最新版を拝見しました。きれいな写真を数多く上手に使い、よいできばえになってると思います。皆さん方ももうごらんになったかと思い ます。この中では、芦屋川の風景の写真とか、本当にきれいな写真をたくさん使って、芦屋の自然、史跡や名所、市内の施設、あるいは主要の窓口や、花を楽し むサクラ爛漫とか、こういうものがたくさん載っております。このグラフも今後大いに活用し、芦屋のPRに努めていただきたいと思うところです。しかし、作 成して配布するだけでは数に限りもありますから、芦屋のすばらしさを全国に発信するまでには、まだまだ至りません。年間を通じてさまざまな情報発信を続け ていかなければならないと思うところです。

 さて、その発信の方法、仕方やネタについてですが、通り一遍で終わってないでしょうか。市長が言うような世界の人々から「一度は訪れてみたい」と言われ るような町にするには、まず国内に向けて、もっともっと効果的に、かつ多様なPRをすることが大変重要であり、そして必要不可欠だと考えます。それを実行 することが、ひいては芦屋に耳目を集め、そして興味を持たせ、一度行ってみようか、今度近くに行くから寄ってみようか、芦屋を訪れた印象がよければ、おの ずと人口がまたふえ、税収等の増加につながっていくものと考えるところです。

 市内にはさまざまな歴史的にも価値ある史跡、名所、美術館等があります。行政も教育委員会もそういったものを活用し、機会を通じて情報発信をしています が、もう一つインパクトを与えることができていないのではないかと思うところです。史跡、名所、美術館等の活用法について、もっと知恵を絞るべきだと考え ますし、それ以外にも視点を変えての取り組みが必要です。

 1つの例を挙げれば、丸型ポストがあります。皆さんにとっては見なれた、あの赤くてベレー帽をかぶったような丸い郵便ポストも、マニアやまちづくりに関 心がある人にとっては、芦屋はうらやましい場所なのです。理由は1970年に、丸型ポストの製造と設置が終わり、現在その数は減る一方で、それにもかかわ らず町の雰囲気づくりに、そのポストの果たす役割が見直され、より価値が高くなっているからです。いち早くここに目をつけ、自治体のPRに活用しているの が、東京都の小平市です。丸型ポストマップをつくったり、スタンプラリーを実施したりしています。

 ですが、私の調べた限りでも、芦屋においては人口比にすると、丸型ポストの設置率は小平市を抜き、日本でもかなり上位になり、都市部ではトップクラスで す。そして、恐らく間違いないと思いますが、面積に対しての設置率は日本一です。ここをうまく利用しない手はないと思います。浜風小学校の中にも使われな くなったこのポストがあります。また、宮川小学校内にも、こうしたポストがあります。

 まだぴんとこない人がいるかもしれませんので、少し詳しく、この丸型ポストについて紹介したいと思いますが、ポストができた当初の色を御存じでしょう か。黒だったそうです。なぜ赤になったかというと、夜間目立たなかったことや当時、郵便箱の「びん」という字を「べん」と間違え、便を入れる人もいたそう で、それらの理由から鉄製のポストを1901年に試験導入するとき赤色にしたそうです。その後、ポストはいろいろ改良されていくのですが、丸型ポストは容 量も少なく、収集のときに、あの小さな取り出し口から取り出さないといけないという手間もあり、1970年に四角い型、角型が登場すると、丸型の生産と設 置は終了してしまいました。

 そして、三十数年たった2002年には、約17万7,000本のポストのうち丸型は5,800本、兵庫県内では218本になっています。しかし、ポスト 自体は昨年18万8,000本と、1万本以上もふえる中で、丸型ポストは年々減り続け、昨年2010年11月の段階で、全国で3,462本と2,000本 以上も減り、兵庫県でも既に200本を割るまでになっています。お隣の神戸市は10個ほど、尼崎も西宮も数本のみで、一番多く残っているという姫路も24 本です。

 さて、私たちの芦屋はどうか、コンビニポストなども含めると、ポストの総数は100本近くありますが、丸型ポストは現在に至っても現役で19本ありま す。丸型ポストが数的には多い姫路も、ポスト本数は700本を超えていますから、その比率は約3.4%、それに比べ、芦屋では丸型ポストの占める割合は 20%を超え、全国平均の1.8%をも、はるかに超え、私が調べた限りでは、人口比に対する割合は自治体の中ではかなり上位になり、都市部ではトップクラ スです。そして何よりも面積に対しての設置率は日本一です。これをどう利用するか、芦屋のPRにどう活用するか、そこは行政の手腕が問われているところだ と思うのです。佐治病院管理者の病院ホームページのつぶやきの中で、「いつまでも大事にしたい芦屋市自慢の品です。」と丸型ポストのことに触れられている ところでもあります。

 ところで、フリー百科事典、皆さんも御存じだと思いますが、このフリー百科事典のウィキペディアにもこのことが書かれているのですが、そこには「芦屋市 内のポストは半数以上が丸型であり、人口比に対する割合で日本一である」とあります。そして多くの丸型ポストに関心のある人は、ここを引用して「芦屋のポ ストの半数は丸型」とか、「人口比で日本一」とブログなどで取り上げてますが、これは間違いです。

 なぜこのような間違いが起こったのかと調べてみると、2002年に甲南大学の学生さんが「丸型ポストからわかる町のこと」と題したレポートを作成してい るのですが、レポート自体は最後まで読むと正確に書かれているのですけれども、その一部分、調査対象として抽出した芦屋市内のポスト数が32本だったた め、読んだ人が芦屋の丸型ポストが19本あるのと比較して誤った情報が広まったようです。もう一つの人口比日本一については、小平市との比較かなとも思い ますが、結局わかりませんでした。今回、質問を準備するに当たって、ネットの情報はきちんと裏づけをとらなければいけないと、痛感したところです。

 それはさておき、全国的にも丸型ポストが人口比でこれだけ多く残っている自治体が少ないのは事実です。そして、何よりも面積比で芦屋は日本一であり、丸 型ポストの減り方を見れば、近いうちに人口比の比率でも都市部では日本一になるのは間違いありません。丸型ポストの個数が多い小平市は、既にPRに活用し ているのは先ほど紹介したとおりです。しかし、面積比や人口比での設置率という点では芦屋がまさり、優位性は芦屋にあると言えます。これをほうっておく手 はないと思います。

 このほかにも、惜しいな、もったいないなというものがありました。ガイドマップ−−今年度版ですが、これを皆さん、もうお手元に届いてるかと思います が、「芦屋橋ものがたり」という特集がされています。よくできていて、今後もこの内容は大いに利用すべきものだと思うのですが、六麓荘にある橋は、「その 他の橋」としての紹介にとどまっています。

 しかし、もっと光を当てれば、六麓荘の橋だけでも十分PRの価値がありますし、埋もれている橋もあるかと思います。要は、その取り上げ方ではないかと思 うところです。丸型ポストや六麓荘の橋は一例ですが、芦屋にはまだまだ埋もれているものが多くあると思います。そして、既に知られているものでも、少し知 恵を絞り努力をすれば、注目を集めるPRができると考えるのですが、いかがでしょうか。市はどのように今後の情報発信を考えているのかお聞かせいただきた いと思います。
 以上で1回目の質問をおわります。

○議長(畑中俊彦君) 答弁を求めます。
 山中市長。

◎市長(山中健君) =登壇=おはようございます。
 中島健一議員の御質問にお答えします。
 初めに、市営住宅等ストック総合活用計画における建てかえ計画の進め方につきましては、本計画の計画期間は平成22年度から平成41年度までの20年間 とするものであり、その前期を平成22年度から平成31年度までの10年間、後期を平成32年度から平成41年度までの10年間としています。前期の10 年間では、3団地の建てかえを計画しています。内訳としましては、昭和27年度建設の翠ケ丘町テラス団地20戸、昭和41年度建設の翠ケ丘町北A2団地 25戸、昭和43・44年度建設の朝日ケ丘町団地59戸を予定しています。また、昭和44・46年度建設の朝日ケ丘町公社団地68戸につきましては、耐震 改修工事を計画しています。後期の10年間では、4団地の建てかえを計画しています。内訳としましては、昭和38・39年度建設の西蔵町A・B・C団地 48戸、昭和32年度から昭和46年度建設の南宮町団地48戸、昭和35年度から昭和38年度建設の浜町団地108戸、昭和39年度建設の翠ケ丘町団地 24戸を計画しています。なお、用途廃止団地につきましては、前期で4団地を計画しており、内訳としましては、昭和27年度建設の翠ケ丘町西団地3戸、昭 和40年度建設の岩園町団地28戸、昭和45年度建設の岩園町テラス団地15戸、昭和26・27年度建設の宮塚町団地32戸を予定しています。

 次に、使用料滞納者への対応につきましては、建てかえ事業を行うには入居者の退去が前提となることから、滞納者に対しても移転補償を行うことになります が、引き続き納付指導等は行ってまいります。また、建てかえの手法につきましては、現地建てかえを基本に考えております。

 次に、芦屋の魅力の発信につきましては、本市には国史跡である会下山遺跡や国指定重要文化財の旧山邑邸をはじめ、仏教会館やカトリック芦屋教会など、古 い建物や史跡が多く残っています。また、文化施設では、美術博物館をはじめ、谷崎潤一郎記念館や富田砕花旧居、高浜虚子記念文学館など、古くから文学や芸 術にゆかりのある芦屋の象徴として、市民の皆様をはじめ、多くの方々に文化の薫りを楽しんでいただいております。

 議員御指摘の丸型ポストにつきましても、県下では3番目に多く残っているようで、落ちついた雰囲気の芦屋の町並みには、大変よく似合うように感じている ところです。本市では、これまで映画制作を誘致・支援するための「ひょうごロケ支援Net」に参加し、芦屋のPRに努め、また、阪神なんば線の開通に伴 い、主要駅に本市のPR冊子を配置したほか、写真集「芦屋の四季・70選」の発刊や市制施行70周年を記念し、芦屋の魅力あふれる風景を題材とした記念切 手の発行、先月には芦屋シティグラフを刷新し、芦屋の名所や催しなど、さまざまな情報を発信しております。

 また、ことし5月に開催されました神戸まつりでは、近隣市と連携して特設ブースを設け、ガイドマップやウオーキングマップをはじめ地域の特産品などを来 場者に配布し、地域ブランドのPRに努めたところでございます。引き続き本市の歴史や文化資源を生かし、芦屋の魅力の発信に努めてまいりたいと考えており ます。
 その他の御質問につきましては、教育長からお答えします。

○議長(畑中俊彦君) 福岡教育長。

◎教育長(福岡憲助君) =登壇=おはようございます。
 中島健一議員の御質問にお答えいたします。
 今後の芦屋のPRに関する発信につきましては、教育委員会では会下山遺跡や美術博物館など、史跡や芸術に関係した施設等を所管しております。今後も教育委員会からの情報発信に工夫を重ねてまいりますとともに、引き続き発信の素材として、整備を図ってまいります。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) 答弁を踏まえて2回目の質問をさせていただきます。
 今後の建てかえ計画については、今、市長のほうから御説明がありましたので、私のほうからは省略させていただきますが、今後のやり方としては、建てかえ とか、用途廃止とか、あるいは維持管理というものが挙げられています。その中で、やはり注意していかなければいけないのは、このストック活用の基本的な考 え方でも述べられていますが、これまでの新規供給重視から既設住宅の活用や更新等の転換が図られつつあり、この課題に対応していくということが述べられて います。

 私は今回、戸数の確定をしていって、これ以上貸さないような指針とか、いろいろ言われてるのを聞いておりますけども、建てかえ計画そのものについては、 いい物をつくってほしいというのは当然ありますけれども、それが本当に必要なのか、もう一度見直していくことが必要なのではないかなと思います。特に今、 住宅に困っている人たちの特徴を見てみますと、入居者の状況というのの中で、市営住宅の1,289戸のうち、入居者さんの状況を見てみますと、世帯の人数 別では1人の方が最も多いんですね。1人の方が多くて45.4%、2人の方を合わせると全体の8割を少人数世帯が占めているんです。このような状況に照ら した形での住宅の建てかえが必要になってくるかと思います。

 基本的には現地の建てかえを優先するというふうにおっしゃっていますけども、それが一番いいのかということにも、もうちょっと総合的な検討を加える必要 があるのではないでしょうか。お年寄りの方がおひとり住まいが多くて、それを何十戸もある市営住宅に集めて共同生活をするような、そんな形でいいのかなと 思うんですよ。確かにそれも一つの手段とは思いますけれども、地域の中に戸数の少ない住宅等があれば、それを一括借り上げ、あるいは空き家を個別に借り上 げていって、そこに市としてあっせんをして住んでもらう、そういう方法が市が目指しているコミュニティを維持していくということにもつながっていくのでは ないかと思います。

 今、前期が始まって、これからこの前期の計画、そして後期が残りの10年間ということで進められようとしてますけども、もう一度進めるに当たって、基本 に立ち返ってこういったところを見直す必要があるのではないかなと思いますが、その点についてのお答えをいただきたいと思います。

 私は孤立しないように、地域とのかかわりを持たせる上での市営住宅のあり方、その点を再度検討していただくということと、あるいは小規模で多機能のも の、先ほども述べましたことも含めまして、民間物件を借り上げて、そこを市営住宅として入居希望者に貸していく、そういったことも一つの手法だと思いま す。

 そして、もう一つ懸念するのは、滞納者への対応です。今、市長の答弁では、滞納者の場合であっても移転補償はしていくというふうに答弁がありました。し かし、滞納者−−丸っきり払ってない人は別になりますけども、毎月毎月少しずつ払っている人は別になりますけれども、全く納めていない、あるいは何百万円 も滞納している、そういう方に対して移転補償もして、新たにつくるであろう市営住宅に入居をすんなりとさせるのかと私は問いたいと思います。

 今回、建てかえが進むに当たって、そこを契機として、何らかの市としてのアクションを起こす必要があると思うんですね。そのことについて、今、芦屋市は どのように考えているのかお聞かせいただきたいと思います。何度も指摘をしてるところです。もう条例では三月以上、3カ月の滞納をすると、明け渡し請求が できるんですよね。でも実際には、入居者の方に配慮をして、もう何年も何百万円も滞納しても何とか払ってもらって今の生活を維持してもらおうと努力はよく わかるんですけども、それをいつまでも続けるわけにはいかないと思います。ですから、建てかえを契機にしてどうするのか、そこの辺の市の考えを明らかにし ていただきたいと思います。

 2点目の芦屋のPRについてですが、映画の誘致や主要駅に冊子を配布する、あるいは記念切手の発行−−これ記念切手、あれはいい物でしたね。引き続き、 ああいう物を発行できるならしていってほしいと思います。教育委員会のほうも工夫を重ね、素材の整備を図っていくとおっしゃっておられます。実際には工夫 を重ね、素材の整備というのが見えないんですよ。時折いろんな発信をしているようなんですけども、その継続性がなされていないし、それが単発で終わってる というふうにしか、私は思えないんですね。

 今回、1つの例として、ポストのこととか橋のことをちょっと挙げさせていただいたんですけども、面積比に対して郵便ポスト、丸型のポストが日本一という のは、これは一つの誇れるものだと思いますので、ぜひ今後とも生かして行っていただきたいと思うんですが、なぜこんなに残っているのかというのは、やはり 疑問になりまして、私のほうでも少し調べてみました。2001年に、このポストというのに注目が集まったんです。それはなぜかといいますと、1901年に 初めて丸い赤いポストが設置されて、ちょうど誕生100周年だったんですね。それでいろんな取り組みが行われまして、2002年に神戸新聞でも芦屋のこの 丸型ポストのことは取り上げられました。その記事の中で、「芦屋市内では20%を超える。なぜこんなに残っているのか」ということで、芦屋郵便局の当時の 営業課長さんがこんなふうに言われています。

 「地元の方から『丸型ポストには愛着があるので残してほしい』という要望が強い」と説明されたと、昨年10月、これは2001年の10月なんですけども 「芦屋市内で実施した全戸アンケートで、『丸型ポストをいつまでも残して』という意見が多く含まれていた。以前にも郵便局には、複数の市民から『角型への 変更は景観を損なうので絶対にやめて』という強い要望が寄せられたこともあり、こうした地元の声を尊重した。阪神大震災で傾いた丸型ポスト2本は修復させ て延命させた。他局と比べて郵便物の絶対量は少なく、容量の大きい角型への変更を迫られてないことも追い風になっている。今後も残せるところは残していく 方針だ。」というふうに、郵便局の当時の営業課長さんも答えております。

 私はこういう姿勢が市政の、行政の知らないところで進んでいるからこそ、残っていたんだなと改めて思ったところです。どれだけ残っているかということ を、私もちょっと調べてみたんですが、ポストの数が少ないのもあるんですけども、ポストの町別で100%丸型ポストというところが津知町、前田町、宮川 町、六麓荘、この4つの町がありました。75%が朝日ケ丘で、5割に上っているのが松ノ内、精道、浜町、大東町、若宮、岩園、東山町、これだけ多くの町が あるんですね。こういうものにもやはり視点を向けて、芦屋のPRに活用するのがいいのではないかなと私は思います。

 先ほど甲南大学の学生さんがレポートをつくってましたと紹介しましたが、この学生さんもいろいろ調査した中で、結論にこのようなことを書いています。 「丸型郵便ポストは昔からの高級住宅街に多く残っていた。丸型ポストは都市部のような町の移り変わりが早いところには残らず、芦屋市のようにゆっくりとし た流れの町に残っているのだ。」そして、前田町でも私はちょっと知らなかったんですけども、ポストが倒壊して、ここは復旧されたところなんですけども、 「震災で町が全壊し復興を遂げ、新しい町へと生まれ変わったが、以前からあった丸型ポストを新しいポストには変えずに、再び町のポストとして利用されてい るのだ。私は何だか感動した。古いものを大切にし、保存していこうという心意気がすばらしい。芦屋市に丸型ポストが多く残っているのは、町が古いというだ けではない。保存していこうという住民からの要望があり、それにこたえる芦屋市の姿勢があってこそなのだ。」ここでは学生さん、芦屋市の評価を高くしてい るんですけども、その高い評価を、期待を裏切らない形で、芦屋市はこれからも取り組んでいかなければいけないと思います。

 実際、全国的には、この丸型ポストをいろんな町のPRに、あるいは町の雰囲気づくりにわざわざ丸型ポストにつくりかえてほしいという誘致の話も自治体で 取り組んでいるところもあるようです。ですから私は、まずは知らない間に丸型ポストの数が減らないように、行政としても郵便局と連携して残していってくだ さい。こういった要望はすべきだろうと私は思うところです。

 先ほど橋の紹介をちょっとさせていただきましたが、「芦屋橋ものがたり」ということで、ほぼ4分の3を使って紹介してあります。これは本当にいい内容だ と思います。ただ、先ほど言いました六麓荘にかかる橋は、「その他の橋」ということで、小さなところでしか紹介されてないんですけれども、ここには建設当 時の面影がそのまま残ってるんですね。開発当時に出土した花崗岩でつくった橋をかけたということで、この橋が10あるんですけども、ところが、開発が進む につれて、川がなくなり道路になったりしてるんです。欄干だけ残して橋は残してるというようなところもあるんです。そういったところは、もっと、芦屋はこ ういうふうにまちづくりを大切にしてるよというPRに、ぜひとも生かしていっていただきたいと思います。

 それと、この中では、10の橋、それぞれ名前を挙げて紹介してあるんですけども、10番目の八十塚橋というのが書いてあります。ところが、当時の六麓荘 の地図を見てみますと、こちらの地図には八十塚橋というのはなくて、地図には六麓橋というのがあるんですね。ですから、この辺にも実際の史実と資料の違い があるのかもしれませんので、よくその辺は正確に現地も調査してやっていただきたいと思います。

 これも西宮の市民の方のようなんですけども、この橋のことを調べてる方がおりまして、その方のところを読んでおりますと、実は10個橋があるんですけれ ども、北からずっと南のほうまで10個の橋をたどっていくと、10個目の橋がないんです。というのは、10個目の橋というのは、西宮側になってて、結局、 西宮側がその橋を保存しなくて撤去してしまってるようなんですね。ところが、その川の流れと別のところに、その橋が残されていたそうなんです。ですから、 その辺も芦屋として、芦屋のPRに活用できるんじゃないかなというふうに思いますので、ぜひ今後も取り組みを強めていっていただきたいと思います。

 質問というか、要望になっていくんですけども、こういった情報ですね、単発で出して−−これはこれで非常にいいことなので続けていってほしいと思うんで すが、この情報をそのまま終わらせてしまうのはもったいないので、ぜひ芦屋市のホームページとか、あるいは教育委員会独自にこういったホームページを立ち 上げて、情報を発信することは大切じゃないかなと思います。さらにフリー百科事典のウィキペディアですね、あれにも目を通して、芦屋市として情報が間違っ ていたら訂正していく、あるいは芦屋市のこういった文化施設とかを情報漏れがあったら、そこに新たに市として記入して、あれを利用してる方は多くいますか ら、正確な情報を数多く発信していく、そういったことも必要ではないかなと思います。そういう努力をぜひしていっていただきたいと思うのですが、その点に ついて、御意見等があればお聞かせいただきたいと思います。
 2回目の質問を終わります。

○議長(畑中俊彦君) 答弁を求めます。
 林都市計画担当部長。

◎都市計画担当部長(林茂晴君) それでは、私のほうから再質問のうち、市営住宅に関することについてお答えさせていただきます。
 まず、小規模住宅を地域に分散化して地域のコミュニケーションを図る考えにつきましては、まず今回、建てかえられる予定のある翠ケ丘の2団地につきまし ては、入居されてる方の意向調査の中では、今のその中でのコミュニケーションが十分図られておるということから、今回、建てかえられたところへ戻りたとい う方が9割を超してるような状況でございます。今後、そういう地域に分散ができるかどうかということにつきましては、本市の市域の狭い状況の中で、その用 地の確保ができるのか、あるいは維持管理面からにおいてもコストが高くなる、それから管理の中でもやはり難しいような状況になるということから、今のとこ ろは実施が難しいと考えております。

 それから、借り上げ住宅の検討につきましては、市のほうでもストック総合活用計画をつくる中でも、いろいろ検討した中で、一つは課題として検討してみた んですけども、まず近隣市の状況で申しますと、一つ尼崎市で震災時にURから120戸を20年間一括借り上げしております。宝塚市でも同じくURから30 戸の一括借り上げ、伊丹市でも42戸を民間から一括借り上げということしておると聞いております。ただ、三位一体の改革の中で、補助金の打ち切りがあった ということでございまして、各市とも非常に財政上厳しい状況になっておるというふうに聞いておりますので、芦屋市でもこれで借り上げ住宅ができるかという ことについては、現時点では難しいというふうに考えております。

 それから、滞納者への対応につきましては、本市の滞納整理事務処理要領に基づきまして、今進めておるところでございますけども、議員御指摘のとおり、公 営住宅法で、あるいは条例では、三月を滞納すればそういう形で退去をすることができるということでございますけども、そういうことも今後の検討事項として 考えておりますけども、現時点では今の十二月、それから100万円以上というとこで取り組んでいこうということでございます。

 今のストック総合活用計画のあり方について、このままでいいのかどうかということにつきましては、この計画は20年間という非常に長いスパンである計画 でございますので、その時の社会情勢の変化や財政状況を勘案しながら見直すべきところは見直していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 青田行政経営担当部長。

◎行政経営担当部長(青田悟朗君) 私のほうからは、芦屋の魅力について、単発的でなく継続的にやってほしいという御質問に対してお答えさせていただきます。

 議員御指摘の丸型ポスト、それから六麓荘の橋、それについては、私もポストについては非常によく残ってるなということを認識しております。それから、や はり六麓荘の橋というのは、由緒のある橋も結構ございまして、現在10残っている中で、わざわざ開発に当たっても、やはりできるだけこれを残してもらうと いうような形で維持に努めているところでございます。
 それで、単発に終わらせることなくということなんですが、ホームページではどういう紹介ができるのか、そのあたりについては、まずはどのような正確な情 報をやはり伝える必要があるかと思いますので、調べた上で、そのホームページの掲載について考えていきたいと思ってます。それから、橋については、J: COMの番組「芦屋トライアングル」でのエンディングの中で1年間をかけて御紹介する予定でございます。
 私のほうからは以上です。

○議長(畑中俊彦君) 西本部長。

◎社会教育部長(西本賢史君) 私のほうからは教育委員会からの芦屋のPRの取り組みにつきまして、どういうふうな形で発信していくかということでござい ますが、先ほども教育長のほうから申し上げましたように、教育委員会が所管しております遺跡・施設、これの画像ですとか情報を教育委員会が発行するものと か、発信するものについて、引き続いて取り組んでいきたいというふうに考えております。インパクトということもございますけれども、やはり継続性というこ とも重要なことかと思っております。

 また、先ほどポストということが、保存が住民からの声ということもありましたけれども、教育委員会といたしましては、そういうふうな意識を持った市民の 方を育てていくということが−−ちょっとおこがましい言い方ですけれども、大切なことかと考えております。そういった意味では、学校教育、あるいは社会教 育の中で、そういった意識の醸成ということにも、こつこつとですけれども、引き続いて取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(畑中俊彦君) 中島(健)議員。

◆15番(中島健一君) まず、芦屋市営住宅等ストック総合活用計画ですが、20年間という長いスパンですから、社会情勢を勘案しながら見直すべきところ は見直すという、今答弁がありましたので、ぜひ時期を見て、よい方向が出せるのであれば総合的に検討し直して今の計画を見直していくということも、私は必 要だと思いますので、その点、忘れず取り組んでいただきたいと思います。

 もとのところに戻りたいという入居者の声が多いのは、私もよく知っております。しかし、維持管理やコストのことを考えると、現地で建てかえをして、そこ に入ってもらうのが一番芦屋市にとってプラスなのか、入居者の方のは少し横に置きますが、芦屋市にとってはどうなのか、そのコストとか維持管理も考えます と、既存の住宅を利用するというのも一つの手だと思います。ですから、この点を改めて指摘をしておきますので、ぜひ機会があれば検討していただきたいと思 います。特に地域とのかかわり合いというのは、新しく建てた住宅にコミュニティスペースを設けるとか、そういった取り組みをすることで解消できるものでは ありません。私が言っている小規模多機能なもの、あるいは民間のところを借りて、それでもコミュニティを十分活性化させる手段とはなり得ないかもしれませ ん。だからこそ、いろんな検討を加えていく必要があると思いますので、その点は忘れず取り組んでいただきたいということを改めて指摘をしておきたいと思い ます。

 あと、芦屋のPRについてですが、一番大事なのは、情報を正確にしていくことだと私も思います。ですから、データをどんどん蓄積していって、ただ正確な 情報になるまで待つのではなくて、その時々に発信した情報は、冊子だけではなくて、多くの人が見れるような形での取り組み、1つはネットだと思いますけど も、その活用方法をもう少しいろいろ取り組んでいただきたいと思うところです。

 教育委員会のほうからは、市民の意識をこつこつと高めていくという答弁がありましたが、これはとても大事なことだと思いますが、しかしこれは目に見えな いからこそ余計大変だと思うんですよ。だから、その点は答弁に沿うような形での取り組みに期待をしたいところだと思います。それと同時に、イベントへの取 り組み、これも忘れないで折を見て各種のいろいろな取り組みをしていただきたいと思います。何がいいのかというのは私もそんなに知識があるわけではありま せんから、行政の方のほうがいろんな情報を持っていますので、取り組んでいただきたいと思います。今回は六麓荘の橋のこと、あるいは丸型ポストのことを取 り上げましたが、これも一つの情報だと思いますので、有効な活用をしていっていただきたいと思います。

 あと2回目でちょっと言いましたが、ウィキペディアとかの情報、誤りがあったら、これも行政として責任持って修正していくことが必要ではないのかなと思 います。あと、ウィキペディアとかに載ってないものがあれば、積極的に芦屋市の姿勢として、そこにも載せていくということは必要になってくるのではないか なと思いますので、答弁があればいただきたいと思いますけども、これは強く指摘をしておきたいと思います。

 せっかく調べたポストのことなんで、もう少し言っておきますけれども、ポストサミットというのが年に1回総会を開いてるようです。丸型ポストの写真家と いう方までいらっしゃるんですね。ですからこういった丸型ポストの会とか、あるいは写真家の方とも交流を図って、面積比では日本一の芦屋市ですから、その 点も有効に活用していっていただきたいと思うところです。

 私はなぜ今回この質問を取り上げたかというと、芦屋は名前としてはよく知られているんですけども、お金持ちのイメージという、そこが先行していって、名 前だけに負けているというような気がするんですね。でも、この芦屋というのは歴史もあって文化や施設もあり、史跡もたくさんあります。それらをもっともっ と発信することが、お金持ちの町というイメージでなくて、芦屋というのは文化あふれる町なんだな、教育の町なんだなにつながっていくと思います。それで1 回目の質問に言いましたように、そこを強く情報を発信することによって、芦屋の人口がふえて収入がふえて、財政も展開していくのではないかなと思いますの で、ぜひ今後ともこの情報発信には心を砕いていっていただきたいと思いますので、改めて強くお願いしたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○議長(畑中俊彦君) いいですか、ないようですね。
 以上で中島健一議員の一般質問を終了いたします。

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