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2006年(平18)10月 議員定数特別委委員長報告



○議長(長野良三君) 直ちに日程に入ります。
 日程第1。第71号議案、芦屋市議会議員定数条例改正について、及び請願第36号、議員定数を削減しないよう求める請願書、以上2件を一括して議題とい たします。
 それでは、直接請求に基づく議員定数条例審査特別委員会委員長の報告を求めます。
 中島委員長。

◆11番(中島健一君) =登壇=おはようございます。
 直接請求に基づく議員定数条例審査特別委員長の報告を申し上げます。
 本委員会は、第71号議案、芦屋市議会議員定数条例改正についてを審査するため、10月17日に全議員で構成する特別委員会として設置されたものであり ます。

 それでは、本委員会が付託を受けました、第71号議案、芦屋市議会議員定数条例改正について、並びに請願第36号、議員定数を削減しないよう求める請願 書につきましては、10月17日と24日に委員会を開催し、慎重に審査を行いましたので、その概要と結果を御報告申し上げます。

 初めに、本委員会では、正副委員長と各会派代表者で構成する理事会を設置し、委員会の運営等について協議を行うことを決定し、17日の本会議終了後に直 ちに理事会を開催いたしました。

 理事会では、委員会を当日の午後と24日に開催すること、また、請求代表者のうち3名を24日に参考人招致することを決定し、審査に臨みました。
 17日の委員会では、請願者から、議員を減らせば政治がよくなるという点は疑問を感じる。議会運営に関しては、今の定数がぎりぎりの定数であるなどの口 頭説明がありました。
 その後、紹介議員からも、民主主義という観点から詳細な補足説明がありました。

 委員からは、市長の意見が賛否を表明していない点についてただしましたところ、市長から、地方自治法第74条には賛否を明確にするという要件はなく、あ えて賛否は表明していない。議会の責任と判断で決めるべきというのが私の意見であるとの見解が示されました。また、定数に関しては、市長から、その時々の 議会が定めた数が適正だと判断しているとの説明があり、現在は24人と決められているので適正と考えているとのことでありました。

 この後、24日の委員会に請求代表者の6人の中から、大嶋三郎氏、助野 勇氏、服部 朗氏の3人を参考人として招致することを決定し、ひとまず委員会を 打ち切りました。

 24日に開催した委員会では、初めに、請願に対する質疑を行いました。
 委員から、議員定数の削減は全国的な傾向ではないか。削減は少数意見の排除につながるのか。大きな政府を目指すのかなどの観点から紹介議員にただしまし た。

 紹介議員からは、議員定数削減の流れが強まっていることは感じている。芦屋市の人口は9万人を超え、議員数が多いほど多様な意見を反映できる。行政改革 は、本当の意味でむだなことをなくしていくべきであるとの見解が示されました。

 また、委員は、請願に「「復興」事業と称して不要不急の大型開発を推し進め借金を増大させ」たと記述している点について、総合公園や山手幹線、区画整理 事業は議会で十分に審査して認めてきた事業ばかりであり、決して不要不急の事業だったとは思っていないと意見を述べました。

 参考人に対する質疑では、委員は、まず議員定数を15人とすることの根拠
について質疑を行いました。質疑は非常に詳細にわたりましたので、ここでは参考人の答弁を要約して報告いたします。

 まず、15人という数字の根拠については、
@人口、面積的に近隣都市とアンバランスが生じていること。
A都市の成熟度、特に発展的な地域産業もない住宅都市であること。
B市議会議員定数削減の地方自治法改正の流れがあること。
C市議会議員の質の向上が必要であること。
D赤字再建団体への転落回避を理由に市民サービスの低下や負担増が求められている

以上の5つの理由から、15人に削減するものである。近隣都市の議員一人当たりの人口では、震災を一緒に経験し痛みを分かち合った都市ということで、尼崎 市、西宮市、宝塚市、伊丹市、川西市、神戸市を例に挙げたもの。せめて宝塚市ぐらいのレベルにしたらどうかというのが15人という数字の根拠であるとのこ とであります。

 次に、成熟都市という点については、狭い、成熟した、人口の少ない芦屋の町に24人の議員がいなかったら政治ができないのかというのが直接請求を起こし た原点である。日本一スリムな行政が芦屋に行けばあるというようなモデルの市議会になればいいと考えているとのことでありました。

 次に、定数削減の地方自治法の流れについては、小さな政府ということを取り上げているが、国の流れとして、自治法についても議員定数は減らす方向という 意味を含めているとのことでありました。

 次に、議員の質については、市民が議会へ送った代表であり、市民感情と余り乖離するといけない。選んで議会に送ったものであり、決して特権階級ではな い。御用聞きであってもいいと思うが、それだけで終わってほしくないのは当然である。私たち住民を幸せにしていただける市政をやっていただきたいとの意見 がありました。

 また、当局に対する質疑では、委員から、財政破綻に関し、山手幹線、総合公園、区画整理の各事業をやることによって借財がふえ、破綻して、市民の生活を 苦しめているという実態があるかとただしましたところ、市長から、そんなことは全くないとの答弁がありました。

 次に、委員は、自治体の仕事の量について確認し、当局から、地方分権以来、自治体の事務量はふえているとの説明がありました。
 また、市町村合併という大きな流れの中、芦屋市が生き残るために何に力を入れるのかとの委員の質疑に対しては、市長から、私がこの立場にいる限り、絶対 に合併の形はとらない。今まで芦屋市として誇りを持って進めてきたし、これからも、小さいながらしっかりとすべてが整った町として、全国に誇れる町をつ くっていきたいとの見解が示されました。

 以上の質疑の後、討論を行いました。
 まず、直接請求議案に反対する討論では、地方分権で自治体の事務量はふえており、地方議会はこれを受け、一層充実した議会審査と監視機能が求められる。 住民の意見を十分に反映するためにも現行の24人は適切な数と認識しているし、人口10万人の他都市と比べても多過ぎる数とは言えない。議会の強化、質を 高めることは当然だが、基本的条件はやはり数だと思う。15人に減らせば絶対的に議会の力を弱めることになるので、現時点では反対せざるを得ない。地方分 権、三位一体改革で事務量が大変ふえた中、議員数を減らすことは質疑の内容、当局へのチェック等が甘くなることは歴然としていて、市民にとって不利益を及 ぼす。
 議員定数削減に関しては肯定的な立場だが、市民の権利の尊重を考えると、段階的な削減を検討すべきであり、一気に15人に削減することには賛成できな い。9人という数はいささか性急という思いであり、残念ながら反対する。議員の定数削減は、少数者の意見を尊重し、多様な意見を反映させる場が狭められる ことになり、議会制民主主義という大事なシステムを切り縮める方向であり、15人に削減する案には反対するなどの反対意見がありました。

 また、直接請求議案に賛成する討論としては、芦屋市は住宅都市で産業がない。市域は狭くて1日で回れる。定数が削減されたからといって、議員の活動が大 幅に削減されるものでなく、議会がどのような運営の中で意見を集約し、政策提言していく場になるかは、私たち議員一人一人に問われていることである。15 人の根拠は、8,855人の市民が15人という根拠を示されたので、市民の意見の根拠に基づいてそれでよいと考えるとの賛成討論がありました。

 また、請願第36号に反対する討論としては、急激な削減は議会の機能にも影響が大きく、段階を経た削減が必要と考える。現行の議員数でいいとは思ってい ないので、請願に反対する。15人は非常に厳しい数、まして選ぶ側の市民が政策重視によって大事な選択権を行使していただけるような流れにはなっていな い。そういった流れもつくりつつ、議会改革について真剣に取り組んでいかないといけない。議員一人一人がより調査して精力的に活動する努力があれば、議員 定数を今より減らしてもチェック機能は果たせると確信しているので、請願には反対する。
 今回の請願は、直接請求の対抗策としてしか受けとめられず、政治的なものだと解釈している。議員の数が多ければ単純に少数意見が吸い上げられるというよ うな問題ではない。意見を吸い上げても、政策として実現できなければ何も意味がないと思うので、請願に反対するなどの意見がありました。

 次に、請願第36号に賛成する討論としては、議員の定数を大幅に削減して、これでいいのかという問いかけが出ている。地方自治の中で仕事がどんどんふ え、議会に専門性が要求され、議会の中で専門部会を立ち上げないといけないという事態さえ生じてくることが言われているとの意見がありました。

 以上の審査の後、採決を行いました結果、まず、第71号議案、芦屋市議会議員定数条例改正については、賛成少数で原案を否決すべきものと決しました。

 次に、請願第36号、議員定数を削減しないよう求める請願書についても、賛成少数で不採択とすべきものと決しました。

 以上で直接請求に基づく議員定数条例審査特別委員長の報告を終わります。

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