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2004年(平16)12

○議長(来田守君)
 次に、子供を取り巻く環境について、本件について、中島健一議員の発言をお許しいたします。

 
   11番中島議員。

◆11番(中島健一君) =登壇=おはようございます。通告した子供を 取り巻く環境についての一般質問を行います。

 子供を取り巻く環境は、一昔前に比べて、一言でい えば、悪化をしていると私は感じるところです。社会も進歩し、最新の先端技術やITが取り入れられ、部分的に見れば、一見子供を取り巻く環境はよくなって いるように見えますが、全体的に見るならば、いかがでしょうか。教育環境、遊び場の環境、自然環境、都市・住宅環境、育児条件、あるいは退廃的文化、食生 活、どの分野を見ても、よくなっている部分もありますが、全体としては後退してきているというのが現実ではないでしょうか。そういった中、その子供を取り 巻く環境をよくしていくために、社会的責任を担うものの中でも、行政の役割が大きいことは言うまでもありません。

 今回は、その子供を取り巻くさまざまな分野の中か ら、策定が現在進んでいる芦屋市の次世代育成支援対策推進行動計画についてと通学路の安全確保について、少しでも子供たちにとってプラスになるよう質問を していきたいと思います。

 まず初めに、通学路の安全確保についてです。
 最近、子供を巻き込む事件が頻発していますが、登下校時の安全確 保、この重要さが改めて指摘をされています。しかし、重要であるにもかかわらず、その難しさも言われているところです。先月の28日に、神戸新聞がこのよ うな記事を載せました。「安全確保9割「困難」子どもの通学路対策」。どういった内容かといいますと、共同通信社が、11月の27日までに、47都道府県 の教育委員会に、学校の安全対策に関する意識調査を実施しました。そこで,約9割に当たる41都道府県が、「下校時の安全確保は難しい」と答えて、通学路 対策に苦悩する姿が浮かび上がっていたそうです。具体的には、例えば、下校時の安全対策が難しい主な理由としては、低学年と高学年で下校時間が異なり、集 団下校しにくい、あるいは、集団下校をしても最後は一人になってしまうなどが挙げられています。しかし、困難であっても、安全確保のため、最善の努力はし なければなりません。

 文部科学省が、ことしの1月に、学校緊急アピール 「子供の安全を守るために」を出しました。内容は、「近年、学校を発生場所とする犯罪の件数が増加している。……(中略)……これらを踏まえて、全国各地 の学校では、学校や地域の状況に応じた学校安全に関する取組が行われてきているものの、……(中略)……学校に不審者が侵入して子どもの安全を脅かす事件 や、通学路で子どもに危害が加えられる事件が後を絶たない」として、「関係者には「私たちの学校や地域では事件は起こるまい」などと楽観せず、「事件はい つ、どこでも起こり得るのだ」という危機感を持っていただきたい。その上で、様々な対策を意図的に講じていかなければ学校の安全は確保できないという認識 の下、緊張感を持って子どもの安全確保に取り組んでいただきたい。」、こう出ています。そして、「学校安全に関する具体的な留意事項等」として、留意点を 幾つか挙げられています。
 もちろん、芦屋の教育委員会でも、この留意点に沿って現在、取り 組みがなされていると思いますが、特に、通学路に関しての現在の具体的取り組みとその状況をお聞かせいただきたいと思います。

 平成13年には、文部科学省からの通知、「幼児児 童生徒の安全確保及び安全管理についての点検項目(例)の改訂について」が出されました。この点検項目に沿っての点検はされているのかどうか、ここもお聞 かせいただきたいと思います。
 また、この点検項目の中には、地域の関係団体との協力を進めるこ とが指摘されていますが、具体的に現在どのように進んでいるのか、お答えいただきたいと思います。
 また、この項目の中には、教育委員会としての方針を明らかにする ことが明記されていますが、この点はいかがでしょうか。

 さて、昨年、「学校を核とした住宅市街地整備の推 進に関する調査報告書」が出されました。これは、学校は、子供の学習空間であるだけでなく、近年では地域コミュニティの拠点施設として重要な役割を果たし ていると、しかし、一方では、地震災害の発生、犯罪の増加を背景に、学校は、核として地域の中でも重要な役割を果たして、安全なまちづくりを図っていかな ければならない。こういった調査の趣旨のもと、この報告書が出されました。その報告書の中では、具体的に、「安全な通学路等の整備のポイント」という章が 起こされて、具体的なことが書かれてあります。この「学校を核とした住宅市街地整備の推進に関する調査報告書」、これに基づく現在の教育委員会での取り組 みはどうなっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

 次に、「芦屋市次世代育成支援対策推進行動計画」 について質問していきます。計画の名称が長いので、以下「次世代計画」と省略させていただきます。

 現在、次世代計画の素案が提案をされているところ です。ホームページ上でも「意見、要望をお寄せください」と市民に呼びかけていますが、期限は15日までとなっていますので、今回の私の質問の真意もぜひ 酌み入れてほしいと思うところです。
 この次世代計画は、来年度からの5年を1期とした行動計画です が、計画倒れにならないよう、その推進体制というものはしっかりとしたものが求められています。
 そこで、まずお聞きしたい点ですが、今回、策定に当たって地域協 議会が設置をされ、大きな役割を果たしていると思うところですが、計画を見てみますと、策定後の推進体制は、庁内推進本部が中心となって、地域協議会は、 策定後は蚊帳の外に置かれている、そんな感じにもとれます。策定後の推進体制について、市はどのような構想を持っているのか、また、地域協議会の今後の役 割についてをお聞かせください。

 今回の次世代計画というのは、現在ある「芦屋市児 童健全育成計画(エンゼルプラン)」を包含するものとなっています。そのエンゼルプランは平成12年度策定となっていますが、一般に私たちに確定し冊子と して配布されたのは平成14年度で、実質まだ2年も経過していません。となりますと、エンゼルプランのほとんどは、今回の次世代計画に移行されるものと私 は理解しているのですが、計画を見る限り、そうでもないようです。

 その点から何点か質問していきたいのですが、1点 目は、先ほどもお聞きした推進体制についてです。

 エンゼルプランでは、この推進体制についてこのよ うに書いてあります。「子育て支援を点から線、そして面へと拡大することによって、総合的で効率的な子育て支援等の推進が可能になります。このため、 「(仮称)芦屋市子育て支援連絡会議」を設置します。」となっているところです。この「(仮称)芦屋市子育て支援連絡会議」は、現在設置されているので しょうか、されているのなら、次世代計画ではどのような扱いになっているのか、また、設置されていないのなら、この連絡会議のことが、今回の次世代計画で なぜ触れられていないのか、お尋ねしたいと思います。

 2点目は、基本の柱についてです。

 エンゼルプランでは、基本理念「安心して子どもを 生み育てられる国際文化住宅都市を目指して」のもと、七つの基本目標が定められていました。今回策定されつつある次世代計画では、基本理念「一人一人の優 しさに包まれ、親と子が育ち合うまち」のもと、五つの基本目標を挙げています。

 基本理念について一言いえば、エンゼルプランに比 べると、今回は漠然としているなという印象を受けました。しかし、それを支える基本目標がしっかりしていれば、それはそれでいいだろうと思うのですが、エ ンゼルプランに比べると、その基本目標も若干後退しているのではないかと受けとめているところです。その一つ、エンゼルプランにあった基本目標「子育てに ついての意識啓発」の中のサブテーマだった「子どもの権利の尊重」や「男女共同参画による子育ての推進」、それに基づく「市民や企業等への啓発」がごっそ り抜け落ちているのではと思うからです。次世代計画でもそれに関して部分的に触れてあるところもあります。しかし、やはり根底に、エンゼルプランで指摘し ていた「児童の権利に関する条約に基づく子どもの権利の尊重」、「男女共同参画の推進」を欠かすことはできませんし、そのことをしっかり明記することが必 要と考えるのですが、今回、この基本目標をなくしたのはなぜか、お答えいただきたいと思います。
 2点目には、エンゼルプランにあった基本目標「子育て世帯への経 済的支援」がなくなり、次世代計画ではサブテーマ、格下げの扱いとなっています。内容も大分後退していると思うのですが、これはなぜでしょうか。

 3点目ですけれども、たとえ基本目標が七つから五 つに減ったとしても、内容も具体的施策も引き継がれていれば、問題ありません。ところが、エンゼルプランが配布されてからまだ2年というのに、何の説明も なく施策で抜け落ちているものがあります。特に、「新たな施策の展開」として挙げていたものが抜け落ちるのは、これは計画の後退であり、そのことを指摘し ないわけにはいきません。なぜエンゼルプランにあったものが引き継がれていないのか、「新たな施策の展開」の中で引き継がれていないものは何なのかを具体 的にこの場でお答えいただきたいと思います。

 以上1回目の質問を終わります。

○議長(来田守君) 答弁を求めます。

 市長。

◎市長(山中健君) =登壇=中島健一議員の御質問にお答えいたしま す。

 初めに、次世代育成支援対策推進行動計画について のお尋ねでございますが、推進体制につきましては、昨日、田中えみこ議員の御質問にお答えいたしましたように、子育て支援は、地域全体で取り組むべき課題 と認識いたしておりますので、市民や地域との協働による推進体制の整備を図ってまいります。
 地域協議会につきましては、市内の関係機関の相互連絡を密にする ことにより、子育て支援策の総合的かつ効果的な推進を図ることを目的に設置しておりますので、その目的に沿った形で、今後のあり方について協議会の皆様と 相談してまいります。

 次に、(仮称)芦屋市子育て支援連絡会議につきま しては、現在は設置しておりませんが、市民や地域との協働による推進体制の整備を図る中で、設置に向けて検討をしてまいります。
 次に、基本目標につきましては、今回の行動計画では、国の策定指 針に基づき、「子どもの育ち」、「親としての育ち」、「地域での支え合い」の三つの基本的な視点に立って推進するため、5項目の基本目標を掲げておりま す。
 エンゼルプランでの子育てについての意識啓発及び子育て世帯への 経済的支援につきましては、行動計画では基本目標には掲げておりませんが、「子どもの権利の尊重」につきましては「子どもの人権尊重の取り組み」の推進の 中で、「男女共同参画による子育ての推進」につきましては「仕事と子育ての両立を図るための意識啓発」の中で取り組むなど、施策の方向の中で随所に取り入 れて推進していくこととしております。したがって、エンゼルプランの7項目の基本目標については、おおむね継承をされていると考えております。

 なお、行動計画を策定するに当たり、エンゼルプラ ンの「新たな施策の展開」に掲げていた項目について、平成12年度から平成15年度までの実績報告を作成し、その結果、本市の厳しい財政状況等の理由か ら、今後5年間で実施が困難であると考えられる事業、例えば、認可外保育所の運営支援、公立幼稚園の3年保育、子育て世帯等に対する家賃や敷金補助などに つきましては掲載しておりませんので、御理解いただきたいと存じます。

 その他の御質問につきましては、教育長から御答弁 いたします。

○議長(来田守君) 教育長。

◎教育長(藤原周三君) =登壇=中島議員の御質問にお答えいたしま す。

 通学路に関しての現在の具体的取り組みとその状況 についてのお尋ねでございますが、市教育委員会といたしましては、通学時及び放課後等の安全のために、防犯ブザーを平成16年4月より小学生全児童に貸与 し、その使用方法や携行についての徹底を図ることや、ウルトラマンステッカーのある家、事業所の活用につきましても、各学校に対して指導をしております。
 各学校におきましては、児童・生徒に防犯対策について指導をする とともに、集団登校や複数下校等を実施しており、随時教職員が登校指導や放課後の巡回指導を行っております。さらに、保護者や地域の方々との連携を深め、 児童の登校時の立ち番や、帰宅時刻に地域に出ていただくことなどの協力を得て、児童の安全確保に努めている学校もございます。また、関係機関にも協力を依 頼し、地域の見回りなども行っていただいております。

 さらに、次に、文部科学省から出されている点検項 目に沿って点検をしているのかとのお尋ねでございますが、各学校園におきましては、文部科学省の点検項目に準じ、各学校園の実態に応じて、保護者や地域か らの情報も得ながら点検をしております。

 次に、地域との連携が具体的にどのように進んでい るのかとのお尋ねでございますが、「メンズクラブ」や「おやじパトロール」、「地域防犯パトロール」、老人会の役員の方など、地域の方々の協力が広がりつ つあります。また、消防団員が、防火パトロールを兼ねて児童・生徒の下校時に合わせ地域を回るという検討をいただいているところでございます。

 次に、安全確保に対する教育委員会の方針について のお尋ねでございますが、基本的には、芦屋市教育委員会の指導の方針にございます「安全教育の推進項目」が方針に相当すると考えております。それととも に、各学校園では、文部科学省から出ております「学校の安全管理に関する取り組み事例集」と、兵庫県教育委員会から出ております「学校危機管理ガイドライ ン」も取り入れ、各学校園の実態に応じた具体的な方策を策定しております。

 次に、「学校を核とした住宅市街地整備の推進に関 する調査報告書」に基づき、教育委員会での取り組みはどうなっているのかとのお尋ねでございますが、議員御指摘の報告書は、国土交通省、文部科学省、厚生 労働省、警察庁の4省庁が共同で、安全・安心な住宅市街地の整備に向けた取り組みを、学校を核にしつつ多様な角度から展開するような方策についてまとめた ものでございます。
 教育委員会といたしましては、文部科学省の所管に関する項目につ いて、おおむね取り組めていると考えております。

 以上でございます。

○議長(来田守君) 中島議員。

◆11番(中島健一君) 2回目の質問をしていきたいと思います。

 まず、次世代計画についてですけれども、市長の推 進体制についての答弁ですが、地域全体でこの計画を推進していく、それが協働による推進体制をつくっていくんだということだったと思います。ただ、この計 画を見る限りですね、もちろんご存じだと思いますけれども、「計画の推進に向けて」というところで、確かに、「市民や地域との協働による推進」というのが 項目は起こしてありますけれども、じゃ、具体的にどうしていくんだということがやはり触れられていないのは、私は、ちょっと問題があるのと違うかなと思う んです。計画の進行管理について、これは庁内の推進本部のことが書いてありますけれども、やはり具体的なものを載せていくことが私は必要だと思います。そ のためにも、エンゼルプランであった支援連絡会議、このことをぜひ触れていくべきではないかなと思うんです。現在、この支援連絡会議、設置していないけれ ども、今後、設置の方向ということですから、5年以内にはぜひ設置できるでしょうし、そのことはここにも明記していくことが必要ではないかなと思いますの で、そのことをきちんと明記していくということを御答弁いただきたいと思います。

 それと、基本目標の中で私が指摘した権利のことと か、幾つか抜けている項目があるのではないかということについて、掲げてはいないけれども、施策の方向の中で随所に取り上げているというふうな御答弁があ りました。確かにね、「人権意識の高揚」とか「啓発」、そういった項目は「具体的な施策」の中で書いてありますけれども、これは行動計画、基本的な計画で すから、この中にやはりその言葉を載せて、明記していくことが必要だと思うんですよ。エンゼルプランでは、基本目標の中にこのことを一つの項目に起こし て、わざわざ「子育てについての意識啓発」の項目の中にですね、「児童の権利に関する条約」のこととか「男女共同参画」、このことが触れてあるんですよ。 私はこれは抜かしてはいけないことだと思いますので、まだ策定中ですから、この言葉を明記して、それに基づいてこの計画が行われていくんだということを知 らしめていただきたいと思うんですが、その点については、再度御答弁いただきたいと思います。

 それで、このエンゼルプランなんですけれども、市 長の答弁では、「平成12年度から」ということになっていますけれども、実際配布されたのは平成14年度なんですよね。ここに1枚のチラシがありますけれ ども、平成14年の4月19日に、「市議会議員各位へ エンゼルプランの配布について」というチラシのもとにこれが配られました。平成14年の4月ですか ら、まだ2年たってないんですよ。2年たってない中で、このチラシの中には、「今後は、計画に基づいて具体的な施策の展開を図ってまいりたいと考えており ますので、よろしくお願いいたします」という添え文を添えてこの計画が出されました。ところが、2年たっていないのに、この計画にあった施策が抜けている 部分が幾つかあります。特に、現在進行形のものとかもあるんですけれども、エンゼルプランで「新たな施策の展開」という項目の中に幾つか抜けている項目が あるんですね。

 今、答弁の中で、なぜ引き継がれていないのかとい うお答えの中で、この5年間で実施できないもの、例えば、認可外保育所への支援の問題であるとか、公立幼稚園の3年保育であるとか、あるいは子育て世帯・ 共働き世帯に対する家賃補助や敷金補助、こういったものは、できないから載せてないんだという御答弁だったかと思います。私はね、やる方向でこれ載せてい るんですから、5年間に最善の努力を尽くしていくという姿勢を示してですね、これ載せていくべきだと思うんですよ。それ2年間しかたっていないのに、これ から外すというのは、やっぱりその姿勢として、推進していく姿勢として、私は後退しているのではないかなと思うところです。エンゼルプランで載せていた 「具体的な施策の展開」、これらの項目については、今策定している次世代計画、これにぜひとも明記していくべきだと私は思うのですが、再度御答弁をいただ きたいと思います。

 教育委員会の方に最後お尋ねしたいんですけれど も、現在の取り組み状況という質問について、子供さんに防犯ブザーを持たしたり、あるいはウルトラマンステッカーとか、教員による子供への指導、これは各 学校で精力的に取り組みが行われていると思います。私は、これはこれでいいと思います。ただ、その中で、教育委員会として、援助できるところは援助してい くし、指導をしていかなければいけないところは指導をしていく必要があるかと思います。例えば、この安全確保及び学校の安全管理についての点検項目、これ たくさん項目がありますよね。今回、私は、質問の中で、「通学路の安全確保」という観点からしか言ってませんけれども、この点検項目について、「実態に応 じて点検をしている」という御答弁がありましたけれども、その点検をした後どのような活用がされているのか。例えば、やられているところはいいですけれど も、不十分な点はその後どうなっているのか、そういったことをね、教育委員会として、各学校に指導をしていく必要があるかと思います。また、この点検項目 のこの通知の中では、「1学期に1回は、この点検項目について点検をしなさい」と書かれています。現実に1学期に1回点検が行われているかどうかというの は、はなはだ疑問なところなんですね。その辺を、教育委員会として、やはり各学校に指導をしていくことが私は必要かと思います。

 再度お尋ねしたいんですけれども、この点検項目に ついて、1学期に1回毎回点検をし、悪かったところはよくしていく、そのような取り組みが行われているのかどうか、点検後の結果の活用はどうなっているの か、再度お聞かせいただきたいと思います。
 地域との協力の点では、確かに広がりが今、持てていると思いま す。これから大いにその広がりを持っていっていただきたいと思うところです。これは、教育委員会の指導の方もぜひ進めていっていただきたいと思うところで す。
 その中で、教育委員会として、きちんとした方針を各学校に提示し ているのかということについては、「安全教育の推進方針」ですか、これがそれに該当するというふうなお話がありましたけれども、私は、それでいいのかなと いうのがちょっと感じるところなんですね。ですから、その文部科学省とかが出しているこういったものに沿って、芦屋市の具体的などういったところに注意を しなければいけないのかということを、もう少し具体的なものをつくっていくのが必要ではないかなと思うところです。この推進方針というのがそれに該当する ということであれば、さらにこれに基づいた各学校への指導を徹底していっていただきたいと思うところです。これは要望をしておきたいと思います。

 あと、調査報告書に基づく取り組みですけれども、 この学校を核とした整備の推進に関する調査報告書の分ですが、教育委員会としては、おおむね取り組めているという御答弁でした。確かに教育の委員会の分野 では取り組めているのかもしれませんけれども、私の質問の趣旨は、学校を核としたこの調査報告ですから、この報告に沿って、教育委員会が各担当部署にきち んと連絡をし、推進の中心を担っていく必要が私はあるかと思うんです。この報告書の中では、具体的に「安全な通学路等の整備のポイント」というのが書かれ ていますよね。これは教育委員会だけではできませんから、各関係部署に働きかけがどうしても必要になってくるかと思います。ですから、「取り組めている」 というところでとどまるのでなくて、関係各部署に、通学路等に開かれた施設整備のことであるとか、あるいは、犯罪のことであれば警察であるとか、そういっ たところへの働きかけをぜひともやっていただきたいと思うんですけれども、この報告書自体、教育長お読みになっているとは思うんですが、お読みになってい るかということをお聞きしたいのと、この報告書に基づく教育委員会として各関係部署への働きかけがされているのかどうかということを再度お尋ねしたいと思 います。

 以上2回目の質問を終わります。

○議長(来田守君) 浅原保健福祉部長。

◎保健福祉部長(浅原友美君) 中島議員の御質問の中の次世代育成の計 画作成の部分でお答えをいたします。

 第1点目で推進体制を具体的にと、エンゼルプラン では「子育て支援連絡会議」と。これは、実はこのエンゼルプランに沿いまして、連絡会議の設置については大分内部では検討をしておりました。どこどこにお 声をかけるという大体素案までいっておったわけですけれども、まずその基本的なところとして、先に虐待のネットワーク、これはもう既に立ち上げました。こ れは虐待に絞ってと。それを広げながら後、後半にというふうに考えておったわけですが、昨年の7月にこの次世代育成の支援対策法ができまして、その中で 「地域協議会」というものが新たな概念として出てまいりました。私どもとしましては、これが計画づくりとしては、皆さん方にまずお願いをしたわけですが、 今後、計画ができた後の推進体制の市民組織として、この地域協議会にそれを担っていただくか、あるいは、そこから少し形を変えて絞り込むとか、あるいは、 いま現在、公募市民の方も入っていただいた原案策定委員会というのがありまして、ここには地域協議会の何人かの代表と別の公募市民の方、学識経験者の方で 今、原案をつくっている。そういうちょっと受け皿といいますか、が幾つかありますのと、地域協議会の運営自身は、地域協議会の中で定めるということで実は スタートをいたしました。この協議会は、いつまでということも決めておりません。今は計画づくりにつきましていろんな御意見をいただきたいということでお 集まりいただきましたので、後そういう体制として支えていただくかどうかというようなことも含めて、これは地域協議会の皆さんと御相談をしたいというふう に考えています。したがって、どういう形になるかというのは、それぞれ今活動していただいている方、計画づくりでお願いをして集まっていただいております ので、その後までやっていただけるかどうかということについては、その中で一度お諮りをしたいと。どういう形になるかは別にしましても、こういう市民組織 的なものは、私どもとしても、つくって、そこで今後この子育て問題については論議をしていただきたいというふうに思っております。

 それから、人権と男女共同のところなんですけれど も、今回は五つ。ちょっと前回のこの具体的な表現というよりも、今回は、「家庭」と「仕事」、それから「子供の環境」、「親子の環境」、新たな分野として 「母子保健」と、こういう形で組み合わせまして、そういう中で、はっきりと具体的な方向、施策の方向と。以前、前は基本目標とサブテーマ、今度は、そこに 一つ基本的な視点を入れて基本目標で「施策の方向」と、こういう形でやっておりますので、その中にこの人権の問題も当然出ておりますので、そういう組み立 てで今回はスタートをしたということです。ただ、今いろんな御意見を皆さん方にお伺いをしておるところですので、そういう組み立て方についての御意見とい うことで、私どもも、それは承りたいと思います。

 それから、2年しかたっていないのに、なぜエンゼ ルプランの中から落ちておるんだということですが、一方で、新たに今回入れた項目もかなりございます。今回は、この素案をつくるまでに地域協議会の皆さん 方といろんなお話し合いをしました。それらを念頭に置きながら、後、行政の方に持ち帰りまして、各部署でかなり何回もお話をしまして、率直に言って、でき ることとできないことがございます。私どもは、あくまでもこの計画というのは到達目標という位置づけでおります。が、目標は目標である限り、当然それにつ いては限りなく実現に向かって突き進むということになろうかと。そのあたりもシビアに分析しまして、明らかに今の段階では無理であろうということの分は割 愛させていただいて、また逆に新たにつけ加えたものもございます。そういう形で今回組み立てておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○議長(来田守君) 学校教育部長。

◎学校教育部長(車谷博己君) 中島議員の2回目の御質問の、点検項目 はあるけれども、その点検した後、その後どのようにしているのか、それと、点検は月1回はやっているのかどうかというような御質問だったと思いますが、安 全点検につきましては、毎月一度各学校園で「安全点検の日」というのを設定しておりまして、その日に学校園内等の安全点検をするということになっておりま す。
 それから、点検をした後、その後どのようにしているかというよう なことですが、先ほども通学路等のところで申しましたように、この部分は常に目を光らせて、不備なところはないかというようなところで情報を収集して、不 備があれば、教育委員会の方に上げて、委員会の方がそれを対処しているというふうなところで点検後の対処をしております。
 それから、学校を核とした住宅市街地整備の推進に関する報告書の ことで、この報告書を知っているのかというような御質問だったと思いますが、はっきり申し上げまして、この中島議員の質問が出てくるまでは、委員会としま しては、これは知りませんでした。議員の質問でこういうものがあるというのを知りました。関係各部署に働きかけがなされたかということでございますが、そ ういうことですので、現在のところそういうことはしておりません。

 以上でございます。

○議長(来田守君) 中島議員。

◆11番(中島健一君) まず、次世代計画ですけれども、ちょっとおか しいのと違いますか。計画というのは、これからどのようにしていこうかという計画であるはずなのに、その後の推進体制については全く不明ではないですか、 今の御答弁では。その地域協議会に役割を持たせようかどうしようか、原案策定委員会もあるし、受け皿が幾つもあるんですというようでは、それでは、何の計 画でもないじゃないですか、違います。計画というのは、その中のものについて具体的にどう施策を進めていこうかということを明らかにしていくものでしょ う。だったら、推進体制をきちんと明確にするべきじゃないですか。今のお話では、体制が全くわかりませんよ。今のお話を聞いていてわかりました。だから、 この庁内の分しか載っていないのだなというふうに思うんですけれども、まだ策定中ですから、もう取り急ぎその推進体制について、しっかりとしたものを当局 の中でも持って、この中に明記していってください。
 支援連絡会議についても、現在それに持たせようかどうかというお 話でしたが、そんなあいまいな答弁では、ちょっと私はすごい不安になりますね。市長や助役はどのようにお聞きになっているのかちょっとわかりませんけれど も、計画というものはそういうものではないはずです。きちんと推進体制についても明確なものをこの中に載せていくべきだと思います。そのことについて再度 答弁をいただきたいと思います。

 続いて、基本目標のことについてですが、権利条項 についてはね、この中に一言も載ってないんですよ、一言もそういう文面はないんです。もしね、それが大前提だというのだったら、計画のこの中にそういった 項目をきちんと私は起こす必要があると思いますので、再度これは指摘をさせていただきたいと思います。その権利条項などについては、この中の計画の中に項 目を起こして私は書くべきだと思いますので、そのことをお願いしたいと思います。
 それと、エンゼルプランの中で出されていた「新たな施策の展開」 について、この次世代計画の中で引き継がれていないものがあると。それは「明らかに無理なものを外した」というふうな御答弁がありました。明らかに無理な ものを何でエンゼルプランに載せたんです。この計画は一体何だったんですか。エンゼルプランをあれだけ時間をかけてつくってきたのは、これからの芦屋市の 子供たちのことをみんなで育てていくために、こういう施策をしていこう、ああいう施策をしていこうということで、思いの詰まった計画じゃなかったんです か。その中で議論をして2年しかたっていないのに、明らかに無理なものは外した。そんなんでいいんですか、行政として。計画というのは、そういうものなん ですか。ちょっと今の部長の答弁は、私はショックを受けたところでございます。

 それと、「5年間で実施できないものは外した」と いう先ほどの市長の答弁があったんですけれども、ただ、5年過ぎた後に実施するのかどうかということもやっぱり問題になってきますよね。私は、その5年間 で実施できるできないというのを判断にするのじゃなくて、「こういう方向に持っていきたい」というものを、やはり私は明記をしていくべきだと思うんですけ れども、その点についてはいかがなんでしょうか。例えば、3年保育や認可外保育所の支援などについては、今の御答弁では、5年間で実施できないといってい るんですけれども、次の後期の次世代計画には載ってくるのかどうなのか、その辺も明らかでないですかね。このまま私は立ち消えていくのではないかと不安を 感じているところです。
 ですから、私の質問は、次世代計画の方にエンゼルプランにあった 「新たな施策の展開」は引き継いで載せていくというこの方向が大事だと思います。明らかに無理だというものを、そういう答弁が出てくるとはちょっと思わな かったんですが、明らかに無理なものを何で計画のエンゼルプランでつくったのかというのは私は理解できないですね。その点について再度御答弁いただきたい と思います。

 教育委員会の方ですけれども、「学校を核とした住 宅市街地整備の推進に関する調査報告書」、知らなかったということは、これは率直にお答えいただきまして、ありがとうございます。答弁をごまかすこともで きますしね、そういうふうに率直に答弁いただいたのは、すごい私はありがたく思っているんですけれども、知らなかったのは、別にそれは問題ではないんで す。これからこの報告に沿って、教育委員会としてぜひ取り組みを進めていっていただきたいと思うところなんですが、先ほどの教育長の答弁では、おおむね取 り組めているということでしたけれども、その2回目の質問の中で、教育委員会からほかの部署への働きかけを、ぜひこの報告書に基づいてやっていってほしい というその答弁が抜けていたかのように思います。ですから、再度、これからこの報告書に基づいて、教育委員会としても、おおむね取り組めているけれども、 ほかの部署へも積極的に働きかけていく意思があるのかどうか、その点をお聞かせいただきたいと思います。

 それと、最後になりますが、点検項目のことについ てなんですけれども、毎月一度「安全点検の日」を設けて点検をされているということですが、これ点検項目に沿っての点検ではないかと思うんですね。点検項 目に沿っての点検であるならば、そうお答えいただきたいんですけれども、これすごい多岐にわたって複雑な点検項目がありますよね。これを毎月1回やってい るのでしたら、私はすばらしいと思うんですけれども、そうではないと思うんですね。ですから、この点検項目に教育長は準じたものと言っていますけれども、 その点検項目に沿ったきちんとした点検を毎学期、これは1学期ごとと言っていますから、毎学期やっていっていただきたいのと、その結果の活用をですね、ぜ ひ生かしていただきたいと思うのと同時に、学校を利用している保護者の方にも、その結果をね、やはり明らかにしていくことが必要ではないかと思うんです。 そのことについて再度お尋ねして私の質問を終わりたいと思います。

○議長(来田守君) 保健福祉部長。

◎保健福祉部長(浅原友美君) 中島議員のただいまの御質問の子育て支 援の計画の推進の体制の件ですが、先ほど申し上げましたように、私どもも、この市民関係団体とか、あるいは市民の方も入ってもらった組織の中でこれを推進 をしていく、あるいは、今後のいろんな子育てについて、そこを受け皿にしながら、いろいろと活動をして、あるいは連携をしていくという形で取り組むという ことは、もう決めております。それをどういう具体的な形でいくのか、例えば、地域協議会をそのままそれに移行するのか等は、地域協議会の方に御相談をしな がら考えていきたいというふうに思っています。したがいまして、そういう行政外の地域の子育て的なそういう組織をつくって、そこで後、推進していくという ことについては、その方向で進めていくと。具体的などの組織ということについて、まだ決めておりませんということでございます。
 それから、事業で抜け落ちた分につきまして、これは、ご存じのよ うに、5年・5年の10年計画ですから、5年後に後期5カ年ということで、そこでは当然前期5カ年を総括をして見直すということになりますので、後期5年 の計画につきましては、その段階で作成をしていくと、その時点に応じて作成をしていくということになろうかと思います。

 以上でございます。

○議長(来田守君) 学校教育部長。

◎学校教育部長(車谷博己君) 3度目の御質問ですが、点検項目に沿っ て点検をというようなことで、その結果を明らかにしてほしいというようなことですが、中島議員は、この点検項目に沿ってやるのは非常にこう大変で、本当に できているのかどうかというようなことをおっしゃっていましたが、実際問題やっているんですね。各学校園では、これとそっくりではありませんが、学校の実 情に合わして、これに沿ったような点検は毎月一度行っております。それで不備なところが出てきた場合は、学校で対処できるものは学校で対処し、学校だけで はできない部分が教育委員会に上ってくるというような形をとっております。
 ただ、学校によりまして、それを保護者に報告しているかどうかと いうのは、まだこちらの方としてはつかんでおりませんので、今後研究をしてまいりたいと思っております。
 それから、学校を核にしたその報告書ですが、恐らくこれは、国と しては、こういう報告書をもとに何らかの施策を出してくると思うんですけれども、いま現在、私どもが聞いた中では、報告書どまりになっているという状況 で、まだ国としてどのような施策を出したかというようなことは出ておりませんので、もしそのような形で国から「こういうことで」というようなことがありま したら、そのときに考えたいと思っております。

 以上でございます。


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