[バックナンバーINDEX] [HOME]

2001年(平13)7月12日 議会レポのロゴ No.92

証言拒否の議員を告発へ

 2日(月)、一般質問に先立ち汚職の調査特別委員会で証言拒否に問われていた長谷、畑中両議員に対する告発決議、辞職勧告決議が審議されました。

 長谷議員に対する告発理由は「証人自身とは関係のない他人の公判を理由に証言を拒否した事は、民事訴訟法196条の証言拒絶権の規定に基づく、証言拒否の正当な理由には当たらず」というもの。全会一致で可決されました。

畑中議員に対しての告発は「自己の刑事訴追を受ける恐れがあるとの理由により、すべての証言を拒否した」というもの。しかし、民事訴訟法291条、280条では、証人が自己または一定の親族等の刑事訴追を受ける恐れがあるとき等は宣誓と証言の両方を拒否できる事になっています。私はその拒否事由に該当するかどうか、明確な判断ができなかったので棄権をしましたが、全会一致で可決されました。

 続いて議題となった両議員に対する辞職勧告決議は、いずれも全会一致で可決されました。

懲罰委員会の設置、懲罰へ

 告発決議の際、本人の弁明がありましたがこの弁明が品位の保持を規定した地方自治法132条「議員は無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活に渡る言論をしてはならない」に抵触すると、懲罰動議(※)が提出されました。

○提出者
西山・英明クラブ 竹内・公明党
山口(ひ)・共産党 伊藤・歩
前田・新社会党

 この動議を受け、11人の懲罰委員会が設置され、私も委員に。正副委員長の互選では、従来あるはず議会多数派からの事前打診もなく違和感を持ちました。

 審議では、委員会で本人に弁明させるかどうかで議論がありました。懲罰を科すかどうかの審議ですから、当然本人が望むなら弁明させるべきだと主張しましたが、初めは「本会議だけでよい」「結論を出した後でよい」などの意見が多数で驚きました。結果的には弁明を認めることになりましたが。

 続いて、どの発言部分が「無礼の言葉」に該当するか速記をもとに審議しました。提出会派の議員からはおおむね次の個所が該当すると指摘がありました。

 「良識ある議員の判断のもと提出されたとは、残念ながら考えられないところであります」

 「提出議員の皆様も、心の奥底では認めたくはないが、正統な理由であると認識しておられるのではないのでしょうか」

 「一部の議員から反対の声があがった中、当然として認めていただいた当時の中村議長と来田副議長の寛容な精神の上に、改めて人物の違いを感じ、心より感謝しているところです」

 「証人喚問では、法律の趣旨を無視し、取調官のような口調で証人の意見や考え方を聞く質問が大半を占めていたように感じたところであり、作為的なものを感じざるを得ない状況にあったところであります」

 「通常は一般質問がされてから、議案の処理、請願の処理といった流れであり、例外的日程になった事も含めて、作為的なものを感じざるを得ないところであります」

 「告発できない事を知りながら、政治的な意図のもとにあえて告発しようとするその暴挙にほかならず」

 「この行為は到底許されないものであり、告発者に対しては、私から逆の告訴をせざるを得ないことを申し添えておきます」等

 懲罰動議は議員の身分に関する重要事項ですから慎重に審査をしなければなりませんし、発言に対しての懲罰ですからよりいっそうの厳密さが必要だと思うところです。なぜなら、言論の府である議会での発言を懲罰に付するのですから、今後の発言を制約するような事になっては大変です。だからこそ、感情を極力排した慎重審議が求められると思うのです。

 「無礼の言葉」に基準などがあるわけではありません。しかし、札幌高裁の判決趣旨では、「自己の意見や批判の発表に必要な限度を超えて議員その他の関係者の正常な感情を反発する言葉をいい、事件についての意見や批判の発言である限り、たとえその措辞が痛烈であるがために、他の議員等の正常な感情を反発しても、無礼の言葉に該当すると解することができない」とあります。

 これを参考にするならば、指摘されているほとんどの部分が発言者の主観を述べただけで「無礼の言葉」に該当するとは思えません。いくら発言者が全会一致で辞職勧告を受けているとしても、それとは切り離して検討すべき事と主張しましたが、傍聴席からは野次が飛び、他の委員からは「あなたは畑中を擁護するのか」などと汚職を擁護しているかの発言までありました。

 結論では、「他の委員とは意見が異なるが、懲罰を科すべき点もある」の旨を発言し、過去の事例からも考慮して懲罰は一番軽い戒告を求めたところです。しかし、多くの会派が除名処分についで重い出席停止を主張。採決では、提出会派の多数で出席停止が決まりました。

 その後、出席停止を何日間にするかを決めました。私は多数で決まった出席停止に異論はありますが、採決の際には一番短い1日を主張しました。しかし、出席停止では最長の5日間が多数で決まったところです。

選挙管理委員を選出

次の4人が選出されました。
○笠間順子 山手町22番11号
○助野吉正 松ノ内町1番20号
○堀口隆平 朝日ヶ丘町7番15号
○安岡井佐雄 浜町11番9号

また、補充員には、
○磯野靖子 山芦屋町2番21号
○田中啓子 大東町15番3号
○青山光子 山芦屋町4番10号
○柴田敦子 船戸町6番12号

(市会議員・中島健一)


議会レポNo.91へ

バックナンバーINDEXへ
HOME