2011年(平23) 8月11日
No.518
※地方自治法の改正
4月28日に成立し、5月2日に公布された「地方自治法の一部を改正する法律」は、施行期日を定める「地方自治法の一部を改正する法律の施行期日を定める
政令」及び法改正に伴う「地方自治法施行令等の一部を改正する政令」が7月29日に公布され、8月1日から施行されました。
なお、改正法のうち、議会が条例で追加できる議決事件の範囲に新たに法定受託事務を加える規定については、施行日を公布後1年以内に別途定めることとされ、もうしばらく日数がかかりそうです。
○改正の概要
(1)議員定数の法定上限の撤廃
地方公共団体の議会の議員定数について、上限数を人口に応じて定めている規定が撤廃されます。
(2)議決事件の範囲の拡大
法定受託事務に係る事件についても、条例で議会の議決事件として定めることができることになります。
ただし、「国の安全に関することその他の事由により議会の議決すべきものとすること が適当でないものとして政令で定めるもの」は除かれます。
(3)行政機関等の共同設置
行政機関等について、共同設置を行うことができることになります。
※行政機関等とは
・ 議会事務局
・ 行政機関
・ 長の内部組織
・ 委員会又は委員の事務局
・ 議会の事務を補助する職員
(4)全部事務組合等の廃止
特別地方公共団体のうち、全部事務組合、役場事務組合及び地方開発事業団について、これが廃止となります。
(5)地方分権改革推進計画に基づく
義務付けの廃止
地方分権改革推進計画に基づき、地方公共団体に対する義務付けが撤廃されます。
※ 撤廃する義務付け
・ 市町村基本構想の策定義務
・ 内部組織条例の届出義務
(市町村→都道府県知事など)
・ 予算・決算の報告義務(同右)
・ 条例の制定改廃の報告義務(同右)
・ 広域連合の広域計画の公表・提出義務
(広域連合→組織する地方公共団体の長
並びに総務大臣又は都道府県知事)
・ 財産区の財産処分等の協議義務
(財産区等→都道府県知事)
(6)直接請求制度の改正
○直接請求代表者の資格制限の創設
平成21年11月18日の最高裁判決を受け、地方自治法において、直接請求代表者の資格制限が設けられます。
○署名に関する罰則の追加
地位を利用して署名運動をした公務員等に対する罰則を新たに設ける。
※国と地方の協議の場
国と地方の協議の場に関する法律第7条第1項に基づき、「国と地方の協議の場(平成23年度第1回)における協議の概要に関する報告書」が国会に提出されました。
○国と地方の協議の場に関する法律の概要
@ 構成・運営
・議員
国 :内閣官房長官、特命担当大臣
総務大臣、財務大臣、
内閣総理大臣が指定する国務大臣
地方:地方六団体代表(各1人)
・臨時の議員
議員でない国務大臣
地方公共団体の長・議会の議長
・総理大臣は、いつでも出席し発言可
A 協議の対象
次に掲げる事項のうち重要なもの
・国と地方公共団体との役割分担に関する事項
・地方行政、地方財政、地方税制その他の地方自治に関する事項
・経済財政政策、社会保障・教育・社会資本整備に関する政策その他の国の政策に関する事項のうち、地方自治に影響を及ぼすと考えられるもの
B 招集等
・内閣総理大臣が招集(毎年度一定回数)
・議員は内閣総理大臣に対し招集を求めることが可
C 分科会
分科会を開催し、特定の事項に関する調査・検討が可能
D 国会への報告
議長は、協議の場の終了後遅滞なく、協議の概要を記載した報告書を作成し、国会に提出
E 協議結果の尊重
協議が調った事項については、議員・臨時の議員は、協議結果を尊重しなければならない。
(市会議員・中島健一)
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