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2000年(平12)7月6日 議会レポのロゴ No.51

 今回、私が議会の一般質問で取り上げた事項を紹介します。

学校教育自己診断を

 学校における教育活動が、生徒の実態や地域保護者のニーズに対応しているかどうかというのは、学校だけの判断では正確なものを導き出すことはできません。

 教育活動を見直し改善していくためには、できる限り現状の診断を正確にする必要があります。つまり管理職と教職員だけで教育活動の自己診断をするのではなく、児童生徒にも診断してもらう、保護者にもしてもらうという、四者の立場から客観的に診断活動をすることが求められています。

 すでにこの教育自己診断活動は東京都や世田谷区など各地で行われ、大阪府の取り組みがとりわけ注目されています。私は芦屋市でもこの学校教育自己診断を各学校が導入できるよう、教育委員会が援助すべきでないかと質問をしました。

 教育委員会の答弁は、「既に年度末などの節目に、教職員で行っている」「参観の時に保護者の意見を吸い上げている」「現在のところ考えていない」です。

 現状をさらに良くしたいからこそ、「できるだけ正確な自己診断をしたら」と質問をしているのに、「暖簾に腕押し」の感は否めません。

経営の診断・外部監査を

 地方自治法の改正で、外部監査制度(※)が新しくできました。この監査制度を導入することが私は必要と考えていますので、市の判断を聞きました。

 「他市をみながら検討」の答弁でした。他市は他市、芦屋は芦屋の判断がほしいところですが、ぜひ前向きに取り組んでほしいと思います。

 ※この制度は、第三者が自治体の行財政をチェックするもの。各地で公金の不正支出が明らかになり、監査の重要性が認識され導入が決まった。

 地方公営企業(芦屋では市立病院と水道事業が該当)は、「常に企業の経済性を発揮するとともに、公共の福祉を増進するよう運営」することが法で定められています。

 しかし、多くの地方公営企業の経営状況はなかなか厳しく、約三割が赤字事業です。中でも病院事業は、約六割が赤字。

 芦屋市も例外ではなく市立病院では、ほぼ毎年のように赤字が続き、累積赤字が約40億円にもなっています。現在の状況のまま推移させず、なお一層の経営健全化・効率化への取り組みが必要となっているところです。

 多様化、高度化する住民の要請に的確に対応したサービスの展開を図りながら、経営を安定させるには、自らの経営の現状分析を行い、問題点・課題を明らかにする、その改善の方向を明確にする「経営診断」が求められています。

 そこで、市立病院での経営改善の状況と、水道事業については、外部に経営診断を依頼し、より一層、健全化のための努力をするべきではと質問しました。

 病院は、全国自治体病院協議会に経営診断を依頼し、その結果をもとに経営改善の答申を出して、改善に取り組んでいるとの答弁がありました。取り組むだけでなく、やはり結果が求められますから、より一層の努力を求めておきました。

 水道事業については、「第三者の診断は有意義」「検討課題」との答弁でした。

行政サービスの向上を

 行政サービス向上の一環として、コンビニを利用する市があります。

 千葉県の市川市では1997年4月から地元のコンビニで住民票を受取ることのできるサービスを始めました。市民は役所に電話で発行を申請し、役所は本人確認のチェックができれば、希望するコンビニで仕事の帰りに役所の時間などを気にすることなく受取ることができるわけです。

 また、この市では今年の4月よりコンビニを「市役所」にする計画をはじめました。まず手始めに、チケット予約などにも使われる店内のタッチパネルで、テニスコートや体育館、公民館の予約ができるようにしました。これは市内にあるコンビニからできるだけでなく、関東一円にあるコンビニからできるというものです。

 わざわざ申請書を書きに、体育館などに足を運んで申し込みする事と比べたら、どちらが住民にとってサービス度が高いか、比べるまでもありません。

 これだけでなく、市民税も納められるように検討をはじめていますし、その他に検討しているアイデアとしては、市長選挙のコンビニ投票、国民健康保険料金の収納、印鑑証明の発行、異動届などが挙げられています。

 こういった先進的なサービスは、状況が許す限り芦屋市においてもどんどん取り入れていくことが必要と私は考えます。

 答弁は、「情報の発信は今後の参考に」「水道料金等の支払いは検討課題」、住民票の発行については、「申請書類が残らない」「プライバシーの確保が困難」「導入は考えていない」でした。

 コスト、対費用効果も慎重に考慮する必要がありますから、「検討課題」と言う行政の答弁もわかります。検討する際には、芦屋市だけでなく広域行政としてコスト削減の取り組みも指摘しておきました。

 ただ、コンビニでの住民票交付について「導入は考えていない」は、いただけません。いろいろ問題点を指摘することもできますが、現に実施している自治体があるのですから、住民サービスをいかに良くするか、どうすれば導入できるか、もっと前向きに取り組む姿勢を見せてほしいところです。

行きたい高校に行けない?

 県教育委員会は、生徒数が減ってきていることを受け、芦屋学区を西宮総合学区に併合する意向を持っています。

 西宮総合学区に併合されたら…
 ○行きたい高校にいけなくなる

 山手・精中(一部)校区は市立芦屋高校に
 精中(一部)・潮見中校区は県立芦屋高校に

 注:県立南高校は、帰国子女対象校の中高一貫の国際校となり、普通科が2003年からなくなります。

 ところが、この重要なことを市教育委員会は市民には積極的に明らかにせず、また対応があまりにも遅い、と指摘せざるを得ません。

 すでに県教育委員会から、見直し依頼が市教育委員会に来ていますが、10月まで教育審議会を開こうとしていません。この頃には、県の考え方が決まってしまうかもしれないので、その前に住民の意向を充分取り上げ、県に伝える責任が市教委にあるはずです。

 私は、西宮総合学区より、神戸第一学区への併合がいいと考えます。

 神戸第一学区との併合であれば…
 ○神戸高校、御影高校など神戸の高校8校と県立芦屋、市立芦屋の2校を加えた中から、行きたい高校を選んで受験することができます。

 受験は厳しいですが、行きたい高校を選ぶことができる、ここが西宮総合学区との違いです。子ども達にとってどうすべきか、市教育委員会の対応が注目されます。

(市会議員・中島健一)


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