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2000年(平12)4月13日 議会レポのロゴ No.43

文化財保護審議会

 先月22日に文化財保護審議会が開かれ、昨年度後期の発掘調査報告がありました。
(審議委員1人欠席)

○概要

 昨年度の発掘件数は19件。そのうちの8件は、区画整理に伴う遺跡調査との事。これだけ調査の数が多くなると、市独自では対応できず、常時県から2人の職員を派遣してもらい調査をこなしていたそうです。

主な遺跡調査

○津知遺跡 所在地 津知町60番

 芦屋川扇状地先端部における水田工作面を中心に土坑、溝などが検出。古墳時代から室町時代にかけての生産地の変化や推理の実態が判明しました。

○西山町遺跡 所在地 西山町45番

 古代・中世の柱穴を多数検出。これまで西山町遺跡の盛行時期や内容の詳細はわかっていませんでしたが、今回の調査で奈良時代には明らかに集落が存在したことを確認。

○若宮遺跡 所在地 若宮町71番

 中世の耕作面が数面、川原石組の井戸が検出。また牛の骨を多数伴う溝と永楽通宝が数枚出土しました。

○八十塚古墳群岩ヶ平支群

 新たに横穴式石室が見つかりました。規模は石室長約3m、石室幅約80cmの小型。副葬品としては床面より鉄鏃六点が出土し、八十塚古墳群で鉄製武器がまとまって出土したのはこれが初めて。

○金津山古墳 所在地 春日町151番

 これまでの円墳から、前方後円墳ということが改めて判明。全長55mにおよび阪神間で2番目の大きさに。出土遺物には大量の埴輪と須恵器があり、築造年代が460年代の前後ということもわかりました。

○芦屋廃寺遺跡 所在地 西山町129番

 金堂基壇と推定される遺構が検出。これまでに多量の白鳳期から江戸時代にかけての川原が出土してますが、古代の遺構が見つかったのは初めて。また、基壇では慶長・伏見地震の地割れが検出されて、地震考古学者からも注目されました。

○打出小槌古墳 所在地 打出小槌町32番

 古墳全体が全長90mクラスの前方後円墳になり、阪神間で一番大きいことが判明。円筒埴輪20個体以上と朝顔形円筒埴輪、形象埴輪など多数出土。五世紀末の築造。

○岩ヶ平刻印群 所在地 六麓荘町24番

 径440cm前後の花崗岩の自然石に、「伊木三十郎 ニしのミや内 石者」「【注1】」の刻印が確認されました。伊木三十郎は徳川大阪城再築当時、鳥取藩池田家の筆頭家老。当人名刻印と池田家に関係する「【注1】」刻印が同じ石に刻まれているのは重要との事。地権者の協力で、刻印部分を切り取り移設保存に。

←【注1】の刻印

(市会議員・中島健一)


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