[バックナンバーINDEX] [HOME]

2004年(平16)10月7日 議会レポのロゴ No.234

条例等の立法指針の策定を(2)

 先回の一般質問の続きを紹介します。

さて、条例、規則以外ではさまざまな行政分野で要綱が重用されています。行政内部の事務手続きを定めたものから、市民生活にかかわる給付行政、福祉行政などなど。
では、この要綱とは何か。広辞苑によると「地方公共団体が行政指導の際の準則として定める内部的規範。住民に対しては法的拘束力を持たない」とあります。ところが、この法的拘束力を持たない要綱による行政運営が、今なお芦屋市では大きな顔をし、幅を利かせているという現状があります。
このことを要綱行政と言います。新自治用語辞典にも掲載されているのですから芦屋だけではないのでしょう。ちなみに、新自治用語辞典では、要綱行政の言葉をこう説明しています。「法律、条令等の法規に基づくことなく、行政機関の内部的規程である要綱に基づいて行われる行政指導による行政」

私は、要綱行政をすべて否定するものではありません。要綱の果たす役割はこれからもありますし、必要です。しかし、要綱の必要性も認めつつ、法令の観点から言えば要綱行政から脱却していく必要があります。
つまり、条例や規則で定めることが適当であるにもかかわらず、様々な理由で、1番悪い理由としては、議会の関与を避けたいと言うことでしょうが、それも含めて不適切な要綱行政からは抜け出さなければなりません。そう私は思うところですが、要綱行政に対する現状の問題点をどう認識しているのかお尋ねします。
さて、その要綱を策定する際の、法務的な審査、決裁等はどうなっているのかこれも答えていただきたい。
また、要綱を策定改廃した場合、どう広報をしているのか。特に市民と密接に関連する要綱は告示の必要があると考えますが、この点もいかがでしょうか。

そして、行政にとって車の両輪たる議会には、要綱を制定改廃した際どういった対応をとっているのかお尋ねしたいと思います。

 当局の答弁では、要綱策定の際の審査・決裁は条例と同じ手順でしているとのことで、その広報については、重要なものについては市広報などで周知するようにし、「告示」については他市の状況を見ながら今後検討するとのことでした。また、議会対応については今後するとのこと。
 
 要綱の問題点を当局が認識しているかと言えば、安易に要綱に頼っている現状を見るならばまだ不足しています。要綱行政の脱却のためにも「立法指針」が必要になってくるわけです。「法令にするには手間隙がかかる、議会の審査もある」という当局の意向もわかりますが、これを超えられなければ法治と言える状況にはなりえません。
 要綱の審査・決裁は条例と同じ手順を踏んでいるのですから、法令にするのか要綱にするのか、その判断基準をあいまいにしてはいけません。基準を明確にし行政の透明性、公平性を自ら実践する必要があるところです。

 広報については、確かに重要な施策の要綱は広報しています。しかし、そうでないものは告示すらされない場合もあります。また、議会にもなんら通知されていない現状があります。要綱行政と言われるほど、要綱が多用されているにもかかわらず、その制定改廃を知らせないのは大きな問題です。
 議会対応については、今後変更するようですのでしばらく様子を見たいと思います。
 次回は、要綱により設置した附属機関(市は私的諮問機関と主張する)の問題点を引き続き報告します。

決算特別委員会の設置

 定例議会最終日、平成十五年度の決算特別委員会が設置されました。委員は次の通りです。
委員長 青木 副 帰山
委 員 中島、山村、山田、畑中、田中
    灘井、前田
 
 審議に先立ち、当局には次のような資料を請求しました。
・各中学校の体育館、道場、グランド、音楽室の使用状況
・職員の各課ごとの残業状況
・ホームページのアクセス件数
・市内公立学校の進学状況
・この一年間活動をしていない審議会・附属機関等の名称と理由
・基本計画及びそれに類するマスタープラン等、見直し時期など
・市が把握している市内の井戸水の水質状況(検査結果)
・市長名で取り交わされている覚書の日時相手先など
・外郭団体の業務内容、職員数など
 この他にも多数の資料請求がなされています。

(市会議員・中島健一)

議会レポNo.233へ

バックナンバーINDEXへ
HOME