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2004年(平16)4月22日 議会レポのロゴ No.217

市の法律、条令

国会で決めるのが「○○法」、その1条1条を詳細に規定しているのが、政令や省令。それらに基づきいろいろ解釈や判断を示すのが通達。市町村で決めるのが「○○条例」。その下に規則や規程などがあり、法律といってもいろいろあります。
さて、国会が決める法律で知っているものは結構あると思います。憲法、自治法、刑法、商法、民法、教育基本法、環境法、道路交通法、警察法、内閣法等々、さてみなさんはどのくらい知っていますか。

平成15年1月現在日本で施行されている法律は1827。(政令・勅令・省令等を合わせると7178件)しかもそれは日々増えていて平成13年7月には1680程。わずか1年半で150近くも増えています。明治19年にはわずか六法で全法律を整理する事が出来ていたことを考えれば、私たちの生活は、権利もありますがいろんな意味で義務や制約に縛られることが日々多くなっていると言えるでしょう。

その法令全部を知らないまでも、国で決める法律名は誰でもいくつかあげる事ができると思います。ところが、自分の住んでいる自治体の法律、つまり芦屋市の条例ですが、どれだけの人が知っているでしょうか。残念ですが、たぶんひとつも名前をあげられない人が大多数だと思います。知らなくても生活はできますが、知っていれば、より快適な生活(?)ができるはず。芦屋の条例、これから主なものを少しずつ紹介していきたいと思います。

市の条例紹介(1)

○芦屋市役所の位置を定める条例
昭和43年5月31日

芦屋市役所の位置を次のとおり定める。

芦屋市精道町7番6号

付 則
1 この条例は,公布の日から施行し,昭和43年5月1日から適用する。
2 市役所位置(昭和15年芦屋市告示第5号)は,廃止する。

この条例は読んでの通り、市役所の位置を定める条例です。市役所が移転する際には条例も変えなければいけないということです。

○芦屋市の休日を定める条例
平成3年4月1日

(趣旨)
第1条 この条例は,地方自治法(昭和22年法律第67号)第4条の2の規定に基づき,市の休日に関し必要な事項を定めるものとする。

(市の休日)
第2条 次の各号に掲げる日は,市の休日とし,市の機関の執務は,原則として行わないものとする。
(1) 日曜日及び土曜日
(2) 国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日
(3) 12月29日から翌年の1月3日までの日(前号に掲げる日を除く。)
2 前項の規定は,市の休日に市の機関がその所掌事務を遂行することを妨げるものではない。(以下略)

 市の休日は、この条例によって原則が定められています。しかし、市はある意味でサービス業ですから、日曜土曜を原則休日とすることが必要なのか…。といっても、この部分の変更はできません。なぜなら、市の休日は条例で定めるとしながらも、自治法で土曜日曜を休日にしなさいと明記されているからです。

地方自治法
第4条の2  地方公共団体の休日は、条例で定める。
2  前項の地方公共団体の休日は、次に掲げる日について定めるものとする。
一  日曜日及び土曜日
二  国民の祝日に関する法律 (昭和23年法律第178号)に規定する休日
三  年末又は年始における日で条例で定めるもの

 このように、条例で決めなさいといいながら条例で変更できないところも結構あり権限拡大が求められるところです。

○芦屋市公告式条例
昭和25年8月18日

(この条例の目的)
第1条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第16条の規定に基く,公告式は,この条例の定めるところによる。

(条例の公布)
第2条 条例を公布しようとするときは,公布の旨の前文及び年月日を記入して,その末尾に市長が署名しなければならない。
2 条例の公布は市役所及び出張所前の掲示場に掲示してこれを行う。

(規則の公布)
第3条 前条の規定は規則にこれを準用する。

(規程の公表)
第4条 規則を除く外,市長の定める規程を公表しようとするときは,公布若しくは公表の旨の前文,年月日及び市長名を記入して市長印をおさなければならない。
2 第2条第2項の規定は前項の規程にこれを準用する。

(その他の規則の公布)
第5条 第2条の規定は議会の会議規則,傍聴人取締規則その他市の機関の定める規則で公表を要するものにこれを準用する。但し第2条中「市長」とあるのは「当該機関又は当該機関を代表する者」と読み替えるものとする。

(その他の規程の公表)
第6条 第4条の規定は市の機関の定める規程で公表を要するものにこれを準用する。但し同条第1項中「市長名」とあるのは「当該機関又は当該機関を代表する者」,「市長印」とあるのは「当該機関又は当該機関を代表する者の印」と読み替えるものとする。
第7条 条例,規則又は市の機関の定める規則若しくは規程は,それぞれ当該条例,規則,規程をもつて特に施行期日を定めることができる。

附 則
1 この条例は,昭和25年9月1日から施行する。
2 従前の公布式条例(昭和15年条例第5号)は廃止する。
3 この条例施行の際,現に従前の公布式条例により公布又は公表されている条例,規則その他の規程の施行に関しては,なお従前の例による。

 この条令を要約すれば、条例等を定めたら市長が署名し、掲示板に張り出して市民に知らしめなさいよ、という事です。
 しかし、どれだけの人が掲示板を見るでしょうか。どこにあるか知っている市民が果たして何人いるでしょうか。職員であっても議員であっても、そう見るものではありません。公布の手続きとしては欠かせないものですが、市民に広く知らせるという点では何の役にも立っていないといっていいと思います。

市は、条例上そうなっていたとしても、知らせる事はまた別問題として努力が必要なところです。例えば、広報紙にその名前だけでも紹介するとか。時機を見て特集を組むであるとか。

さて、みなさんは、どう思います?

(市会議員・中島健一)

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