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2004年(平16)2月5日 議会レポのロゴ No.206

会派で行政視察に行きました

市に対して市民サービスの向上と行政改革の観点から、市役所の開庁時間延長を求めてきましたが、なかなか前に進みません。
そこで先進している東京福生市を訪ねいろいろと話を聞いてきました。また、千代田区にも寄り、何かと話題になった罰則を持って喫煙禁止区域を指定したその後の経過を調べてきました。

週に1度は午後9時まで

 福生市では、平日の時間内に市役所に来ることができない人の利便性を図るため、全庁的な開庁時間の延長を行っています。

○ 毎週水曜日の午後9時まで開庁
○ 毎週土曜日は、平日と同じように開庁
  
 もちろん、ほとんど費用をかけずに実施しているそうです。それどころか、残業時間が減ってきてるとの話もありました。どんな風に対応しているかというと…

 水曜日はおおむね三分の一の職員が午後12時15分から9時までの時差出勤をして、休憩時間を午後4時から5時の間にとっていました。民間では当たり前の時差出勤ですが、市が実施しようとすると組合との合意など大きな壁がいくつか出てきます。これをクリアしたところが福生の市民サービスの前進につながっているようです。

 また、土曜日もおおむね三分の一の職員で対応しているのですが、その休みのとり方(出勤した職員は振り替え休日をとる)に工夫がありました。出勤した翌週に休みを取ると、働いた土曜日に25%の割増賃金が必要になります。そこで割増賃金が発生しないよう、働く土曜の週内に前倒しで休みを取るようにしてありました。

 そして、ここも重要なのですが一般職員は大体3回に1回の割合でのローテーションとなるのですが、管理職は2回に1回の体制にして、その士気を高めるように努力をしていました。

 経費もかけず、行政サービスを向上させ市民からも喜ばれる、まさに芦屋市にとって見本といえる取り組みだと思います。
 でも、よくよく考えればほんと当たり前のことなんですから悲しくなります。

 さあ、芦屋市はいつ実施の時期が来るのでしょうか。

千代田区の悩み

 千代田区は人口が約42000人、芦屋市の半数にもなりません。しかし、住民のことよりも昼間流入してくる区外の住民に悩んでいました。千代田区といえば昼間人口が90万から100万ほどまで増えることで知られています。これだけの人口が増えると歩道や駅頭でのポイ捨てがいかに多いか。それへの対応が条例制定につながっていったようでした。

やっぱり罰則が必要

 初めは「ポイ捨て禁止条例」を制定し、きれいなまちを目指したそうです。例えば、街角に数多くの灰皿を設置したり、駅前などでの携帯灰皿の配布や清掃、各種の啓発活動。行きかう人のモラルに訴えてきたそうですが、ほとんど目立った効果はなかったとのこと。
 マナーやモラルに期待しながらまちの環境をよくしていくことは非常に難しく、道徳心にのみに頼る事は「もはや限界」と、議論を重ねた末に罰則付きの条例を作ることになったそうです。
 禁止区域でタバコを吸うと過料2万円(当面は2千円)の罰則が施行された当日は、マスコミで大きく報道されました。

その効果と課題は

 効果はてきめんで、まちのごみ、特にタバコのポイ捨てごみは十分の一以下まで減少。
見違えるようにきれいになったとの事でした。しかし、課題も多いようです。罰則の適用効果を挙げるためには巡回パトロールをしなければなりません。また、違反者を見つけた場合、罰則の適用、注意指導を行うわけですが、後納の場合未払いが約2割ほどあり、公平性の点からこの回収をしなければならないことや標示の充実等もわかりやすくしなければならないなど、結構あります。そして費用もかなりかかっていました。

 区民からの声としては賛成が75%反対が25%の割合で寄せられているとの事で、これらも踏まえて指定地域の拡大をこれからも行っていくそうです。

 芦屋で今すぐ取り組むには費用の面などクリアしなければならないものがありますが、市の言うように「モラル」や「マナー」にいつまでも頼りきった姿勢はどうなのか、罰則導入の是非について是非議論を起こしていきたいところです。

やっぱり名札は大きかった

 以前から見やすいように名札の大型化を求めていますが、いまだに実施されません。昨年助役は「年内にも…」と言っていたのですが…。
 今回視察に行った先では、どこも名札の大型化をしていました。聞けば「当然ですよ」との事。芦屋の改革を引っ張っているのはいったい誰なのか?

こぼればなし

 福生市に行くと「歓迎 芦屋市議会様」の看板。なんかホテルか旅館の看板みたいで思わず苦笑。でも、歓迎とだけあって懇切丁寧に説明していただきました。
 今回宿泊したところは、兵庫県の施設市ヶ谷寮。主に県の職員関係者が利用する施設で安くて良かったのですが、部屋の案内を見ると、職員の身分によって値段が違うのにびっくり。どうせとるなら、上に安くではなく高くとるべきだと思いました。給料は当然上の人のほうが高いのでしょうから。
 今回は風邪で体調が悪くしんどい視察でした。行きの電車の中では、急に目の前が真っ暗になって倒れそうになったりもしましたが、なんとか無事帰還できました。

(市会議員・中島健一)

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