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2018年(平30) 4月12日 議会レポのロゴNo.720

※可決された議案等A

 定例議会にて可決された議案等の概要を紹介します。議案の正式名称は長いので簡略にしています。

○地域密着型介護予防条例の改正
 基準となる省令が改正され、各サービスの人員及び運営に係る規定を整備するための条例改正です。具体的には、介護予防認知症対応型通所介護は
          ・特別養護老人ホーム
          ・養護老人ホーム
          ・病院
          ・診療所
          ・介護老人保健施設
          ・社会福祉施設
          ・特定施設

とされていましたが、これに「介護医療院」を追加するものです。この他、関係する箇所に「介護医療院」を追加しています。その他には、ユニット型指定密着型介護老人福祉施設の利用定員の改正です。

 介護医療院とは、主として長期に療養が必要な要介護者に、療養上の管理、看 護、医学的管理の下における介護及び機能訓練、その他の必要な医療や日常生活上の世話を行うことを目的とする施設です。話は違いますが、介護や福祉関係 は、団塊の世代対応と財政との関係から変化が多く、現場の職員も苦慮しているようです。あと、身体的拘束等の禁止について次のような文言が明記されること になりました。

 指定介護予防認知症対応型共同生活介護事業者は、身体的拘束等の適正化を図るため、次に掲げる措置を講じなければならない。
(ア) 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3か月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護従業者その他の従業者に周知徹底を図ること。
(イ) 身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。
(ウ) 介護従業者その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

○指定介護予防支援等事業条例の改正
 正式名称は、「芦屋市指定介護予防支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例の制定について」となります。
 これも省令が改正されたための条例改正です。具体的には、指定介護予防支援事業者は、事業の運営に当たっては連携に努めなければならないこととされており、この連携に努めるものに「指定特定相談支援事業者」を加えるものです。ちなみに、改正案ではこうなります。

          ア 市
          イ 地域包括支援センター
          ウ 老人介護支援センター
          エ 指定居宅介護支援事業者
          オ 他の指定介護予防支援事業者
          カ 介護保険施設
          キ 指定特定相談支援事業者 (追加)

ク 住民による自発的な活動によるサービスを含めた地域における様々な取組を行う者等

 指定特定相談支援事業者とは、障害者等からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言等を行い、障害福祉サービス等利用計画案を作成する事業者です。その他に、手続きの説明についてより丁寧にし理解も得られるようを旨とする文言の追加が行われています。

○介護保険条例の改正
 今回の改正は、保険料段階の判定基準と過料を科せられる者についての変更が行われました。介護保険では、市が必要と認める調査で、正当な理由なく文書等の提出命令に応じない場合などに、過料(10万円以下)を科せられる場合があります。
 この過料の対象に、これまで含まれていなかった第2号被保険者(40歳から64歳までの人)を対象として含めるよう条例改正が行われました。

○国民健康保険条例の改正
 市の言葉を借りるなら「保険料の賦課に関する基準等に係る規定を整備するとともに、被保険者間の保険料負担の均衡を図ることを目的として、基礎賦課限度額等に係る規定を改正」するためとなります。

 ごく簡単にいうと、この4月から国民健康保険の運営主体が市町村から都道府県へ移管されました。そのための改正が行われたところです。
国保は、会社勤めで健康保険に入っている人以外は、ほとんどの人が入る保険のため、高齢者や低所得者が多く財政が厳しい状況で、平成27年度では全国では2843億円の赤字となっています。その為の改革が現在進行中です。

 トムスネットの記事を引用すると
「財政圧迫の大きな要因は急速な少子高齢化にあることは明白ですが、その他にも運営母体が市町村単位であることも問題視されてきました。つまり運営規模が小さいが故に事務効率が悪すぎるのです。
そこで平成27年5月に「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」が成立し、平成30年4月から国民健康保険の運 営主体を市町村から都道府県へ移管することに決定しました。これにより運営規模が拡大し事務効率が向上することが期待できます。また都道府県が運営主体と なることで、地域内の保険料および提供医療の標準化(地域格差を抑えること)が可能になると考えられます。」

 さて、現実に運用が始まりましたが思惑通りに財政が改善されるのか、単に運営組織が変わっただけでデメリットのみ多かった、とならないよう県の運営に注目をしておかなければなりません。
 

(市会議員・中島健一)


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