2017年(平29) 2月23日
No.691
※市立幼稚園・保育所
芦屋市は、「市立幼稚園・保育所のあり方について」を発表しました。唐突感は否めませんが、現状を考えれば遅いか早いかだけの違いで、いずれは提起された
だろう内容となっています。しかし、これまでの市の説明と異なる部分もあり、今後中心に審議するであろう民生文教常任委員会は、かなりの時間を費やしそう
です。
○現状解決の方策は
保育所に入れない待機児童が話題となる中で、市立幼稚園では園児が集まらない状況が続いています。2年保育である事も理由に挙げられますが、私立とのすみ分けの関係からも3年保育は難しいとの事。そんな中…
市立幼稚園 定員数(人) 充足率(%)
朝日ヶ丘 210 21・4
岩園(平成30推計)210 28・6
精道 175 21・1
宮川 210 41・9
伊勢 210 27・6
のような状況が続き、1学年1クラスの幼稚園がある中、この先人口の変動を考慮すれば更に減ることも見込まれています。そこで市は、次のように主張しています。
「園児減少で将来各学年1クラスが予測される。多人数保育の良さが薄れている。」
そこに、国が打ち出している簡単に言えば幼稚園と保育園機能を持つこども園や、保育所との統合で待機児童を減らしたい、保育所の先生がこの5年間程で30人程退職する、などなども絡み、これらを総合的に考慮し次のことを示してきました。
・朝日ヶ丘幼稚園を岩園幼稚園に統合
・精道幼稚園と精道保育園を統合し
新たに幼保連携型認定こども園を開設
・宮川、伊勢各幼稚園と新浜保育所を統合
新たに幼保連携型認定こども園を開設
・打出、大東各保育所は民間に移管
いずれも開設しようとしている認定こども園は市立となります。民間に移管、というのは私立の認可保育所にするということです。あわせて、開園予定の浜風
あすのこども園、やまぜん南芦屋浜こども園、認可保育所誘致(いずれも私立)で、待機児童を解消しながら、市内全域の幼稚園と保育所配置を見直していくこ
とを打ち出してきたのです。
○最善の方法なのか
市の提起したあり方、これは納得できる部分もありますし、市内全域の事を考えれば統廃合も一方法ではあると私は思います。しかし、最善の方法であるのかどうか、これは今後の審査で明らかにしていかなければならないかと。
例えば、充足率が低いから良い保育ができない、多人数なら良いとは限りませ
ん。また、市立の認定こども園は設置しない、との方針だったはずなのに、一転しています。これに、財政効率の点や適正配置、今後の市の収支(※)も絡めて
総合的に最善の方法であるのかが、議会審査の中で問われてくる事になります。
市がどのような説明をするのか、この定例議会での大きな事案に。
※公共施設(インフラ)、例えば道路や上下水道、公共施設が老朽化し更新の時期を迎えつつありますが、この試算が昨年末出されました。これによると、今後40年間、毎年収支不足が20億円出てくることが予測されています。
※来年度予算概要@
市は来年度予算概要を発表しました。数回に分けて、その内容をお知らせします。
一般会計 463億1,000万円 (前年度比 約10億円 2.3%増)
特別会計 315億7,900万円 (前年度比 約4億円 1.4%増)
企業会計 100億5,266万9千円 (前年度比 約6億円 6.4%増)
合 計 879億4,166万9千円 (前年度比 約20億6千万円増)
これに、財産区会計約 1千万円を加えた総 計は…
879億5,216万9千円 となっています。
予算編成に当たっては、芦屋市創生総合戦略や新たに策定する行政改革実施計画等の内容を踏まえ、政策目的の実現に資する事業の優先順位の精査と見直し(スクラップ・アンド・ビルド)を徹底することを基本方針としているとのことです。
歳入の中で市税の占める割合は、47・9%。金額にすると約221億7千万
円。その中の市民税は約127億円となっています。市は、先ほどの方針に基づき、安全・安心で良好な住宅地としての魅力を高め継承するため、景観形成事業
を推進し国の交付金を活用したシティプロモーション、公共施設等におけるWi−Fi整備、さくら参道の無電柱化、障害者・高齢障害者医療費助成の拡充及び
防犯カメラの増設等に取り組むとしています。詳細は次回にお知らせします。
(市会議員・中島健一)
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