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2004年(平16)3

議長(都筑省三君)議事を続行いたします。中島議員。

11番(中島健一君)=登壇=ワークショップを代表して、新年度の予算に賛成の立場で討論します。

 昨年の今ごろ、この場から現年度の討論に立ちました。あれから1年が経過したわけですが、1年前に指摘したことを今回また同じ指摘をしなければならないこと、これは非常に残念です。予算が通れば、全面的に賛同が得られたととる向きもあるようですが、諸手を挙げて賛成をしている議員は少ないと。だからこそ、異なる意見であろうと、議会で出された意見については、単なる聞き置きでなく、方針がより重層的に効果が上がるように柔軟に消化してほしい。そこのところが、施策がより充実し、本当に住みやすい芦屋になっていくポイントだと討論しました。今回もあえて同じことを重ねて求めておきたいと思います。なぜなら、そういった努力がこの1年を通して、山中市長先頭のもとまだまだ足りないと私は受けとめているからです。

 会派として、新年度の予算に対して要望書を提出しました。重点要望や各所管別の要望事項、さまざまな事項について真剣に考え、議論をし、実践してほしいと出したところです。しかし、それへの回答というのは、その場をこなせばよい。言葉は悪いかもしれませんが、そういう姿勢が見えました。

 また、今回の予算編成方針についても、基本的事項や、そして個別事項について見るならば、よしあしは別にしても、私も含め多く議員が、以前から議会の中で一般質問あるいは委員会審査で再三指摘してきた意見がほとんどなんです。つまり、意見が出された時点で、当局側が真摯に受けとめ、対応をしているならば、もっと違った形での現在があるのではと思うところです。議会も、行政も、目指すものは同じです。よりよい芦屋をつくることです。だからこそ、議会の声にも耳を傾けよと私どもはいつも言っているわけです。

 予算編成方針の中にある言葉、「今、何が求められているのか、何をなすべきか、常に施策の検証を行い、真の自覚と責任を持って行政の実施に当たっていくこと」や、「柔軟かつ大胆な発想を持って」の言葉のとおり今後の行政が実行されることを、予算編成方針の先頭に立ったであろう市長には特に強く求めておきたいと思います。

 さて、今会議中、当局は、いつになく議案の事前説明をするため、各会派をかなり丁寧に回っていたかのように思います。審議するに当たって、事前に知識を得ることは必要ですが、ある種の根回し、「当局案に賛同をいただきたい」になってしまっては困ります。
そういった意図はないと思いますが、説明の押しつけをすることは、今後注意が必要かと思うところです。

 予算の内容についてですが、指摘したいことはたくさんあるのですが、端的な例として、ごみの回収について若干触れておきます。
 このごみの回収についてですが、行政としての重要な業務でありながら、議会としては、意見を言えるけれども、具体的に変更させることは困難だというおかしな状況にあります。つまり、ごみ収集の具体的な回数や方法などは、行政が決める計画の中でどんどん任意に変えていける、そんな状況です。当局は、ごみの減量、経費削減など、いろんな点からよかれと思い進めているとは思いますが、それが一番正しい方策とは限りません。だからこそ、今会議でもいろいろ意見が出されましたが、議会の意見を聞いて、よりいいものをつくろうとしてほしいのです。しかしながら、なかなかそうはなっていない。昨年末には、ごみ収集方法について予告をし、先日には、新たな回収方法を記載した資料を配布しています。議会のさまざまな声というのは、これは市民の声でもあります。これに耳を傾ける姿勢があるならば、議会開会中にそんなことはできないと思うところです。周知の余裕がないのならば、実施時期を少しおくらせれば済むことだとも思うところです。

 これらをとっても、行政の決める重要な計画には議会の判断が必要だと考えるところです。行政が決めている重要な計画自体を議会の議決事項にするため、議会も継続して今、検討をしています。これが早く実現できるよう議会は議会で努力はしますが、行政側も、行政が決めたことだと既定のごとく進めるのはやめていただきたい。これが予算編成方針で示された「柔軟かつ大胆な発想」の精神でもあろうかと思います。このほか、多くの施策に関しても言えることです。十分配慮を求めるところです。

 さて、新年度に「市民参画担当組織」を整備すること、これが表明されました。これは評価したいと思います。ただし、その機能が、本来の機能を果たすかどうかは、行政の姿勢で決まります。その点では少々心配ではありますが、「市民参画・協働」の推進を市長は最重要課題としていますから、その姿勢を新年度には見せていただきたいと思います。

 さて、教育の分野ですが、昨今の子供を標的とした事件に対応できる体制、児童虐待を学校としても早期に把握できる体制、これを つくっていただきたいと思います。
 施政方針にもそのことが少し触れてありましたが、そのためにも、教師の質を高める努力を教育委員会はしてほしいと思います。数ヶ月出勤したら、数ヶ月休むことを繰り返している教師、それが子供にとってどうなのか。答えは明白です。自己研鑽、研修など、教師の質の向上を求めるところです。

 学区の統合は、昨年ようやく実現に向け動き出し始めましたが、つい最近、県立芦屋高等学校に単位制導入をする、しないで少々混乱が生じていることを大変心配しているところです。教育長をはじめ、対応に奔走をされていますが、最善の策がとられるようさらに努力をお願いしたいと思います。また、教育委員会の方々にも、同じことをお願いしたいと思います。

 さて、最後に、市長が施政方針で第一に掲げている「財政再建・行政改革の推進」について少し触れたいと思います。
 私どもは、大枠では予算の方には賛成を表明していますが、今回の審議を聞いていても、例えば、民生文教常任委員会にかかった議案の多くには、厳しい意見が出されております。これは予算に反対、賛成は関係なく出されています。それだけ市の取り組みに批判があるということです。市長の施政方針の中で、「職員の削減、給与水準の引き下げ等徹底した内部努力と民間活力の導入、本市の独自施策の縮小や廃止、また、財産の処分や使用料、手数料の見直しなどによる収入増などを行って、財政再建に取り組んでまいります」、こういう表明がありました。これは私どもも必要なことだと考えます。これは取り組まなければなりません。しかし、その時期、規模などについてはさまざまな声があるところです。今はまだ市長のそういった取り組みの関して、賛同する議員が多数であっても、かなりの不満がありますし、直接施策の対象となっている市民にとってはなおさらのことだと思います。

 今後、この行政改革の進め方によっては、議会が立法府として独自の判断で市の方針を否定し、一時的に混乱が起こることも考えられます。混乱はだれしもが望むものではありませんから、その取り組みに当たっては、説明だけでなく、聞いて、そういう意見を受け入れていく、そういった懐の広さを示してほしいところです。このことを最後に指摘をして、ワークショップの賛成討論とさせていただきます。

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