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2002年(平14)6月

11番(中島健一君)=登壇= 議員提出議案第41号、芦屋市議会議員定数条例の一部を改正する条例の制定について、賛成の立場で討論します。

 議員を何人とするのか、どこの自治体にも使えるような正しい方程式、回答というのは存在しません。行政監視のためにどれだけの予算をかけるべきかという考え方から定数を導き出す方法もあれば、あるいは、多様な意見を保障するには当選ラインを高くし過ぎてはならないと人口比率で導き出す、そういった考え方もできます。つまり、議員定数は、あくまで自治体として芦屋の議会をどうするかの選択なのだと考えます。

 議会と行政は、よく車の両輪にたとえられます。議員と同じように、選挙によって選ばれた市長は、多数の職員を補佐機構として背景に持ち、その権力は相当なものがあります。職員の全人事権を掌握しており、やろうとすれば、かなりのことができる立場にあります。一方、議会はどうでしょうか。どこに本来の機能があるのでしょうか。そもそも地方議会では、国会とは違い、多数意見や少数意見というのはありますが、市長と議員は別個に選ばれるわけですから、与党とか野党というのは存在しません。与党だから市長を支えなければとか、あるいは野党だからと市長や幹部職員の発言の揚げ足を取るような追及をしたりというのは、全体の市政運営にとっては無益なことだと考えます.。あえて言うならば、与党や野党の考えにとらわれることなく、議会は議会としての意見を行政に提示していく、まとまって物申すという機能を果たさない限り、巨大な行政機構、これをチェックすることはできません。この点をよく見ながら、議会の本来の機能、市長とその職員が行っている行政について、これを監視し、点検し、場合によっては批判し、必要があれば修正案が出せる、そして、場合によっては自分たちでも提案できる、こういう機能を果たすことこそが地方自治の健全な営みにとって重要であろうと思うところです。

 では、その議会の人数はどうあるべきか、ここから先は議員それぞれが意見をお持ちで、議論のあるところだろうと思いますが、私は、合議体として、芦屋の議会の人数は、極端かもしれませんが、現在の半分でもいいと思います。ただし、そうするためには、いろいろな条件もそろえる必要があります。例えば、議会の予算は一般会計予算の1から2%前後を確保し、議会事務局の人員を倍加し、行政に対応できる立法あるいは調査機能を強化する。また、議会改革も当然しなければなりません。議員みずからも、不正な行為などには襟を正さなければならないし、それができなければ、市民が即対応できるような方策も必要でしょう。そして、市民の方にももっと政治に関心を持ってもらわなければならないと思うところです。これは個人の意見で、理想でもありますが、そのような状況に近づけていく、議会の活性化と機能向上に努めていかなければならない現状を考えるならば、一つの方策として、今回の議員削減案には賛成できるところです。

 議員削減に心配する声もあります。この声には謙虚に耳を傾けなければなりませんが、「市民の多くの方は、議員が多過ぎる。何でそんなに要るのか」と思っています。この声にはやはりこたえていくべきだと思います。しかし、減らせば、必然的に議会がその機能を発揮し、よいものになるかといえば、残念ながらそうではありません。そうなるように、絶え間ない努力が議員には求められますし、市民の方には議会の動きをよく見ていただかなければならないということは言うまでもありません。

 以上のことを指摘し、賛成討論とさせていただきます。

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